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兵庫県の公益通報、「パワハラ・物品受領」疑惑で是正要請(日経より)

兵庫県の公益通報、「パワハラ・物品受領」疑惑で是正要請

斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを内部告発した通報について、兵庫県(なぜか財務部が窓口になっているそうです)が12月11日、調査結果を公表したという記事。

「パワハラの認定には至らなかったが、強く叱責されたと感じる職員がいたとした。

物品の贈与と誤解されるケースもあったと指摘。ハラスメント研修の充実や物品受領ルールの明確化などの是正措置を県に要請した。県は、職員公益通報制度の外部窓口設置や組織マネジメントに関する研修などを実施すると発表した。」

「公益通報に基づく調査は県財務部が7月ごろまで実施。斎藤氏と片山安孝前副知事の聞き取りは県の「公益通報委員会」座長の西野百合子弁護士が担当した。

パワハラについて「認められる事案があったとの確証までは得られなかった」とした。「強く叱責されたと認識する者が確認できた」が、パワハラと認識する人は確認できなかったという。財務部県政改革課の原晃課長は「(パワハラが)あったともなかったとも断定はしていない」と明言を避けた。

贈答品については「知事の意図しない受領につながったケースが確認された」などとした。」

斎藤知事は、この通報について「噓八百」であると発言していましたが、「嘘八百」どころではなく、是正措置が必要な程度には根拠のある通報であったということになります。

この調査でおわりではありません。

「この調査とは別に、県議会の調査特別委員会(百条委員会)、弁護士で構成する県の第三者委員会が調査を進めており、それぞれ2025年2月ごろと同年3月ごろに結果を公表する見通しだ。

百条委委員長の奥谷謙一県議は11日、「財務部主体の調査で、職員が正直に発言できる環境だったかも分からない。我々としては得られた証言をもとに調査報告書をまとめたい」と述べた。」

そもそも、今回の発表で調査結果のすべてではないようです。

「通常、公益通報の調査結果や是正措置は非公開としているが、一定の重要事項は公表できる規定となっている。今回は県民の関心が高いことからパワハラと贈答品の2項目を公表した。06年度の制度開始以来、調査結果などを公表したのは初めてという。ほかの項目については「通報があったかどうかも含め公表できない」(県政改革課)としている。」

公益通報受け兵庫県が「改善策」 識者は「違法な対応を重ねてきた」(朝日)

「斎藤知事はこれまで、元西播磨県民局長(7月に死亡)による告発を「誹謗(ひぼう)中傷性が高い」として、公益通報者として保護すべき対象ではないと繰り返し主張してきた。しかし、公益通報窓口の調査で告発内容の一部の真実性が認められ、是正に向けた要請がなされたことで、元県民局長による告発の「公益性」が改めて裏付けられたことになる。」

「噓八百」会見直後、斎藤知事側近は県警本部に走った(2024年9月)(産経)

「3月27日夕、神戸市中央区の兵庫県庁からほど近い県警本部庁舎に県幹部の姿があった。県警の担当者と向き合ったのは、総務部長(当時)の小橋浩一(ひろかず)(60)や県民生活部長(同)の井ノ本知明(ちあき)(57)ら3人。「名誉毀損(きそん)で告訴や被害届を出せないか、知事から相談してこいと言われまして…」。県西播磨県民局長(同)の男性(60)が作成した告発文書をみせ、こう切り出した3人の表情には困惑が浮かんでいた。

この直前、兵庫県知事の斎藤元彦(46)は記者会見で怒りをあらわにしていた。「業務時間中に噓八百含めて、文書を作って流す行為は公務員として失格だ」。斎藤は男性をこき下ろし、文書は誹謗(ひぼう)中傷に当たるとして「被害届や告訴なども含めて法的手続きを進めている」と宣言した。

だが、文書はその斎藤自身のパワハラ疑惑などを告発したもの。公益性があり、立件は難しいとの県警側の感触を得ると、以降、斎藤が自ら告訴に言及することはなくなった。」

告発者への対応として、けっしてまねしてはいけない事例なのでしょう。

当サイトの関連記事(消費者庁の公益通報者保護制度に関する有識者検討会での審議状況について)(通報を理由とした解雇・懲戒を行った場合、刑事罰の対象とするという案が出ているそうです。)

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