会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

約半数の35校が破綻。法科大学院の大量閉校は誰が責任を取るのか(Business Insiderより)

約半数の35校が破綻。法科大学院の大量閉校は誰が責任を取るのか

(特に目新しい情報はなさそうですが)法科大学院が大量に閉校している状況を取り上げた記事。

「2011年からの7年間で35校の法科大学院がつぶれてしまった。もっとも多かった時期で74校。その半分近くが倒産するという、粗製濫造が招いた異常事態である。」

「2017年の法科大学院の志願者数は全体で8159人、入学者は1704人。この数字からは全体像はピンとこないだろう。法科大学院制度スタート2年目の2005年の志願者数は約4万1756人、入学者数5544人だった(1年目の2004年は、志願者には新制度以前の司法試験浪人生が多く含まれたため7万人を超えており比較の対象としなかった)。」

「2005年と2017年を比べると志願者は5分の1、入学者は3分の1に減ってしまった。これはかなりやばい数値である。10年ちょっとで弁護士、検察官、裁判官になりたいという優秀な人材を3万3000人も失ったのだから。法科大学院の入学者数も右肩下がりが止まらない。」

入学者だけでなく、出口である司法試験の合格率も、極端に低いところがあるようです。

「優秀な学生が集まらなかった法科大学院の合格率は悲惨だ。1ケタはざらで、年によっては合格者0人というところもある。そんな合格実績が低いところに入学しようとは思わない。定員割れが相次いだ。学生が来なければ授業料収入はない。法科大学院経営は行き詰まるのは当たり前であり、それが募集停止した35校なのである。

青山学院大2.5%、立教大7.87%、鹿児島大4.55%。これほど知名度が高い大学でも、募集停止に追い込まれるほどの司法試験合格率をはじき出してしまった。募集停止まではしていないが、苦戦しているのが近畿大2.63%、南山大3.70%、琉球大6.06%、日本大7.09%、筑波大7.14%、専修大9.8%など。いずれも法科大学院を運営するには危険水域であり、いつ募集停止になってもおかしくない。筑波大の低さはかなりショッキングである。」

会計大学院の方はどうなっているのでしょうか。税理士資格取得のための論文指導などに重点を移しているところが多いようですが...。

専門職大学院一覧(平成29年5月現在)(文部科学省)

会計専門職大学院は、12大学、入学定員690人となっています。

苦境の法科大学院「採算取れる学校、ほとんどないはず」(朝日)(記事前半のみ)

「「競争の中で生き残れない、競争に負けた立場だ」。18年度からの募集停止を決めた青山学院大の後藤昭・法務研究科長は行き詰まりを認める。少なくとも07年度から定員割れが続き、5月1日現在、専任教員が15人に対し、学生はわずか29人。文部科学省からの補助金が頼りだが、司法試験合格率などと連動するため、今年度に配分予定だった人件費などに充てる数千万円が、最終的にその2・5%にまで削減された。」

法科大学院、半数が廃止・募集停止 背景に政府読み誤り(朝日)
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