会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

レナウンが民事再生法適用を申請 衣料品販売の低迷 コロナ影響(NHKより)

レナウンが民事再生法適用を申請 衣料品販売の低迷 コロナ影響

アパレル大手のレナウンが、民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請したという記事。

「レナウンは、主力の販路であるデパートでの販売不振や、取引先から売掛金の回収ができなかったことで、去年12月期の決算で67億円の最終赤字となるなど、業績の低迷が続いていました。

ことし3月の株主総会で、筆頭株主の中国の大手繊維メーカーの反対で会長や社長が退任に追い込まれるなど、経営をめぐる混乱も重なり、新体制のもとで立て直しに取り組んでいました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で、各地にあるほぼすべての販売店の休業を余儀なくされ、資金繰りが急速に悪化したため、自力での再建を断念し、15日、民事再生法の適用を東京地方裁判所に申請し、再生手続きを開始する決定を受けました。会社によりますと、負債の総額は138億円余りに上るということです。」

売掛金の回収ができなかったというのは、親会社である中国の会社の子会社(つまり兄弟会社)に対する債権でした。

当サイトの関連記事(2019年12月期決算発表時)

民事再生手続開始等に関するお知らせ(5月15日)(PDFファイル)

「...当社は、親会社である山東如意科技集団有限公司の子会社である恒成国際発展有限公司に対する 2019 年 12 月期中に支払期日の到来する売掛金の回収が滞ったことにより、同期に貸倒引当金繰入額 5,324 百万円を計上し、8,309 百万円の営業損失を計上することとなりました。また、かかる売掛金の回収遅滞にともない、同期中に入金されるはずであった同額が入金されないこととなったため、当社の 2019 年 12 月期の現金および現金同等物の期末残高は 1,418 百万円(2019 年 2 月期の同残高比△3,227 百万円)まで落ち込むこととなりました。

これに加え、2020 年 3 月以降は、新型コロナウィルスの感染拡大により全国の百貨店・量販店等で営業自粛の動きが広がり、消費者の巣ごもり傾向および不要不急の外出控えによる購買行動の変化のため、当社の商品は著しい販売減少を来たすこととなりました。2020 年 4 月 7 日には、政府より 7 都府県に緊急事態宣言が発令され、16 日にその対象地域が日本全国に拡大したことに伴い、百貨店・量販店・ショッピングモールがほぼ全店休業となり、当社は 2020 年春夏物の商品につき、主力販売チャネルでの販売ができないこととなりました。

この間、当社は資金の調達および売掛金の回収に注力いたしましたが実現せず、5 月中旬以降に到来する債務の支払の目処が立たない事態となったことから、今般やむなく民事再生手続開始決定を受けることになりました。」

単純にコロナ倒産とはいえないようです。

有価証券報告書(3月31日提出)(PDFファイル)

関連当事者情報より。



売掛金が焦げ付いている会社との間では「原料の販売」取引がありましたが、前の期は、「原料の仕入」と「原料の販売」の両方がありました(債権も約35億円残っていた)。不正な取引かどうかはわかりませんが、相手会社の資金繰りに利用されていた感じはします。

支配株主等に関する事項について(PDFファイル)
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