在日フランス人記者だから書けた事件の全容
在日フランス人記者による『誰も知らないカルロス・ゴーンの真実』という本の紹介記事。本を翻訳した人が書いています。
郷原弁護士による『「深層」カルロス・ゴーンとの対話~起訴されれば99%超が有罪になる国で』(小学館)と対比させて、まとめている部分。
「郷原氏の書籍は、法的な解釈や法制度上の問題に関する解説を除くと、事実関係はゴーンの言い分だけを基に構成されており、また基本的な視座も、日本の既存の文献に沿うものとなっている。
一方、2人の在日フランス人ジャーナリストによる本書では、フランス人はもとより、日本人、レバノン人など、ゴーンと関わりのあった数十人に、長年にわたってオフレコで丹念にインタビューすることによって、私たちの知らない話も含め、ゴーンの生きざまを如実に描き出している。
折について触れられる、フランス人の同僚たちの本音(例:非常に有能な男。プライベートで親しくなることは一切なく、仕事だけが接点)、銀行マンの証言(例:ゴーンの財テクはギャンブルそのものであり、リーマンショックで大負けするまでは勝ちまくっていた)、フランス世論(例:フランス人はゴーンのことをどう思っていたのか)はエピソードとして興味深い。
そしてゴーン本人の言い分(例:東京拘置所での接見)など、ゴーンに対して批判的な人々だけでなく、友人、親族、肯定的な人々、本人の証言も織り交ぜて「ゴーン物語」を紡ぎだしている。
真実は1つだとしても多面的でもある。2人の著者は、ゴーンは単なる悪人と切り捨てるのでも、検察が日産幹部の陰謀に便乗して暴走したという見方に納得するのでもなく、この迫力のノンフィクションにおいて、カルロス・ゴーンという男を見事に描写しているように思える。」
(電子書籍版)
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日経の書評でも取り上げていましたが、朝日新聞からもゴーン本が出ています。
(電子書籍版)
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