アイルランドが、多国籍企業向けの税優遇措置の一部を廃止するという記事。
「アイルランド財務省は14日、2015年の予算案を発表し、多国籍企業の法人税の支払いを軽減するために認めてきた優遇措置を廃止すると発表した。・・・
ヌーナン財務相は14日、アイルランド議会で演説し、「アイルランドに拠点のある企業は国内で課税対象になる」と述べ、一部で認めてきた非課税措置を取りやめる方針を示した。15年以降に新規設立する企業は優遇措置を利用できず、優遇策を受けている企業も20年末で猶予期間が終わる。
優遇策は「ダブル・アイリッシュ」と呼ばれる仕組み。この制度を利用する企業は実際の事業を運営する会社と、知的財産などを管理する関連会社の2社をアイルランドに設立。関連会社の税法上の本拠を海外の租税回避地とすることで、事業会社から関連会社への利益移転を非課税にできる。」
この「ダブル・アイリッシュ」については、こちらの記事(やや古い)が比較的詳しいようです。
超巧妙なアップルの租税回避策
対策のカギは実は日本が握っている(ダイヤモンドオンライン)
「このようなアイルランドの法制度は、「管理支配主義」といい、実際に法人を管理している場所で内国法人かどうかを区別する。ちなみにわが国など多くの先進国は、法人登記地が法人税の納税地となる「準拠法主義」をとっている。」
「アップル社は、自ら開発した知財を活用して、コンテンツなどを米国外市場に販売し収益を上げるが、その収益は、まず実際にコンテンツを配信しているB社に入ってくる。その後、オランダ法人を経由してA社に、ロイヤルティーの支払いという形で送金される。つまり利益の大部分は、バミューダにあるA社に留保され、そこでは税金はかからないので、アップル社の租税負担は劇的に軽減される。」
日経記事の「知的財産などを管理する関連会社」がA社、「実際の事業を運営する会社」がB社となります。
Double Irish loophole to close(economia)
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