日本証券業協会が、政府や公取委から指摘された新規上場時の公開価格の問題などについて、改善策をまとめたという記事。
「日本証券業協会は企業が上場時に、適切な額の資金を調達できるような改善策をまとめた。株式の売り出し価格(公開価格)について、投資家の需要に合った価格にする。上場までの期間も短くする。」
「企業はIPOの際、主幹事とよばれる証券会社と調整して公開価格を決める。内閣官房によると、日本は市場で初めて成立する株価(初値)が公開価格の平均1・5倍で欧米より差が大きい。こうした状況を踏まえ、日証協が報告書案をまとめた。」
日本証券業協会のサイトを見ても、報告書案というのは見当たりませんが、1月19日の記者会見の中で、この問題について少しふれているようです(記者会見要旨8ページ~)。
「この議論は元々、昨年末までにある程度まとめようということだったが、色々な議論が出ており、逆にこのような機会に、しっかり議論する必要があるのではということも踏まえ、延びている状況である。2月中には皆さんに報告できるのではないかというのが私の感触である。」
「せっかくの機会であるため、違う観点で申し上げると、日本にはユニコーン企業が少ないということを考えていかなければいけないということであれば、SPACやこの公開価格の見直しで、ユニコーン企業が本当に多く出るのかというと、本質論としては私は違う気がしている。公開価格も決定方式などは見直さなければならない部分があると思うため、そこはいい機会だと思ってはいる。ただ、本当にユニコーン企業を増やすことを考えていくのであれば、少し情緒的になるかもしれないが、本質論として私は5つあると思っている。
1つ目は、日本は失敗して再チャレンジをしようという風土がやはり少し薄い。...
2点目は、イノベーションを起こして世の中変えてやろうという気風が欧米には結構あるが、日本はそういう気風が少ない。...
3点目は、学校・大学の持つノウハウあるいは技術、若い人たちが持っているノウハウ等をビジネスに繋げていくことが非常に大事だと思う。...
4点目としては、学校や若い人達が、先述したような機運になった時に、そこに人が動く、お金が動くということが非常に大事だと思う。...
そして最後に、上手くいった人に対して尊敬をするという風土を作っていくことが大事である。少し情緒的な話になるが、本質論がすごく大事で、我々としては、今述べた部分を含めて議論していきたい。」
制度や慣行は見直すけれども、それをやったからといって、大きな改善は見込めないという考えなのでしょう。
[社説]ユニコーンを育む本質的なIPO改革を(日経)(記事冒頭のみ)
「新規株式公開(IPO)の際の株の販売価格(公開価格)の決め方を改善するとともに、より本質的な改革に踏み込んでほしい。」
取引所の審査を厳しくして、上場企業の質を高めるべきともいっています。
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