突然の破産「船井電機」に起こっていた異変 調査会社が倒産の「Xデー」に目撃した驚きの現場
船井電機の倒産を取り上げた記事。
東京商工リサーチの人が、信用調査報告書の内容などを紹介しつつ書いています。
今年の夏に発行された信用調査報告書では...
「東京商工リサーチ(TSR)の調査・取材に基づく、信用調査報告書(TSR REPORT)には、世間にイメージされた船井電機と大きくかけ離れた実像が記載されている。
今夏に作成された報告書の「評点」欄は44点。評点は企業の信用力を表し、100点満点で評価される。家電業界は平均50点程度だが、船井電機はその認知度とかけ離れた低評価だった。」
「こうしたなか、今年9月末~10月初めにかけて、船井電機の資金繰りに関して、具体的なレピュテーション(噂、風評)が多数寄せられるようになる。TSRデータベースには、「少なくとも直近2カ月の支払いについて、取引先に延期要請をしている」「最近になって支払い猶予を要請する書面を関係先に送付している」などの情報がこの時期に登録されている。」
信用調査を利用した方がいいですよという宣伝でしょうか。
倒産「Xデー」前後の動きも興味深い。
あまり報道されていない関係会社についてもふれています。悪質な粉飾を行っていた会社との共同出資の会社も含まれているそうです。
「もう1つは、関係会社の行方だ。「株式は相当程度無価値となることが想定される」(申立書)と記載がある以上、存続の可能性を精査しなければならない。TSRが入手した関係会社一覧では、関係会社は国内外で30社を超え、電子機器の修理から貨物運送、語学教育まで業種はさまざまだ。」
「このうちの1社に断熱材の製造販売を手がけるEIF西日本(岡山県)がある。今年9月に破産しているが、外部への資金流出から大規模な粉飾に手を染め、8月に会社更生法の適用を申し立てられた環境経営総合研究所が55%、船井電機が99.5%の株式を保有する船井興産(大阪市、不動産賃貸業)が45%の株式を保有する企業だ。」
船井電機の本業とは関係なさそうな会社です。
記事の本筋とは関係ないかもしれませんが、記事で示している実質負債額の計算方法はかなり違和感があります。
「適正な引当金や関係会社株式の評価損を加味すると、単純合算で負債総額は約800億円(2024年9月末の負債総額474億円+船井電機HDへの貸付金253億円+関係会社株式230億円-引当総額188億円+その他顕在化した債務)に膨れ上がる。」
貸付金や関係会社の評価減を行ったら、純資産は減りますが、負債が増えたりはしないでしょう。貸付金や関係会社の評価減を引当金で行い、その引当金を負債に計上するという発想なのでしょうか。
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