爺ちゃんの戯言(たわごと)

時の速さに置いてきぼり!

映画の話2

2017年01月31日 | 日記
ビデオ屋さんで映画【ゴーンガール】を借りてきた。映画好きとしては恥ずかしながらまだ観ていなかったのである。

結婚5周年の記念すべき日に妻が謎の疾走をするところから物語は始まる。
警察がその真相を追ううちに夫が妻を殺したのではないかの目を向けられて物語は進む。
夫が疑われても仕方のない証拠が次々と出てくるのだ。

メディアも大々的にそのニュースを取り上げテレビでは連日、その疑惑が報じられる。

夫、ニック役の【ベン・アフレック】
妻、エイミー役の【ルザムンド・パイク】

ほとんど、この二人が強烈なポジションでスクリーン上を埋め尽くす。

二時間半の結構長い映画である。
しかし、映画の半ばで物語の真相が暴露されてしまう。
妻の口から観客だけに明かされる形で真相が明かされる。その真実は驚くものであった。


夫を殺人犯にするために妻の仕組んだ罠であったと・・・・・。えっ!まだ映画は半分過ぎたばかりだよ・・・と思ってしまう。
これが映画のラストでも十分サスペンスとして成り立つ展開なのだが、しかし、しかしだ!
この物語は何と、これからが本番に入るのだ。


それまでの前半がまるで前菜(オードブル)でここからがメインディッシュの料理に入っていくと言ったら良いのだろうか!
その後半は時間を忘れてスクリーンに引きづりこまれていく。


そしてラストを迎える時・・・・・原作があるのだから仕方がないが、映画の特権で変えて欲しかった。
この終わり方は消化不良だよと強く訴えている私がいた。

人間の・・・又、男女の関係はその存在そのものが謎であると言っているのであろうか?
今いる相手は本当の姿であるのか?・・・と考えさせられるのは身体に良くないよ!と思ってしまう終わり方だ。

私だけの理想的な終わり方は、やはり妻のエイミーは生きていてはいけないのだ。
あれだけの犯罪を犯したサイコ女を世間が知らないで幕を閉じるのは観客に対する罰だろう
罰を与えられるほど観客は罪深くないはずだ。


監督は【セブン】【ドラゴンタトゥーの女】の鬼才【デビット・フインチャー】・・・さすがである。



映画の話

2017年01月29日 | 日記
数年前に見て感動した映画がネットの無料サイト(GYAO!)で放映されていたので、「こりゃー儲けもんだ!」 とばかり鑑賞した。
題名は【スタンド アップ】(2005年作) 全米で初めてセクハラ訴訟で勝訴を勝ち取った女性の実話の物語である。
少し重たいテーマの映画なのだが2時間と言う時間をあっという間に見せる力は…【ニキ・カーロ】と言う女性監督、
主演の【シャリーズ セロン】ほか役者たちの一流中の一流の力量のせいであろう。


物語は80年代終わりの北アメリカ。
夫の暴力から逃れて二人の子供を連れてミネソタの親の元に駆け込んできた女性が自立のために炭鉱夫として男社会で働く事になる事から
物語は始まる。


長年鉱山は男の仕事場として君臨してきたが男女平等法なる法律が出来、女性もあらゆる分野に進出し始めた時代であった。
この炭鉱では5人ほどの女性が働いている。
本来女性が働くことを快く思わぬ男たちのえげつない攻撃がここから始まる。


これは、もはや【いじめ】と言う言葉では片づけられない陰険な犯罪であろう。
しかし誰も見て見ぬふりでこの炭鉱で働いていくための最低の汚いルールを守ろうとする。

観客として堪(たま)る憤慨とイライラを再び感じながら、最後には溜飲が下がるから大丈夫だよと・・・前に映画を見ていた私が私に言っている。


ヒロインの父親が同じ炭鉱で働いている。
娘が帰ってきて同じ仕事場で働くことになる事には疫病神の様に扱い冷たく応対していたのだが、それが父親として
娘を迫害の手から守る姿になる時、身震いした。
「私の愛する娘だ」と多くの下劣な炭鉱夫達の前で叫ぶ姿には涙なくして観られない。


この父親を演じたのが【リチャード・ジェンキンス】、名わき役としてなくてはならない存在である。



どうぞ映画が好きで、まだ観ていないと言う人がいたら絶対お勧めです。



松方弘樹の死

2017年01月25日 | 日記
松方弘樹が脳リンパ腫と言う10万人に1人の確率で発症すると言う難病で亡くなりました。
74歳はまだまだ若すぎる。
大親友の梅宮辰夫が骨になった友の姿を見て死んだらどんなスターでもどんな大スターでも・・・おしまいだ!
死んだらおしまいだ!・・・と涙ながらに発した言葉には私も胸が締め付けられました。

松方弘樹の生前の豪放磊落な生き方が各局で報じられ映画の出演場面も数多く流れました。
私がまだ中学生だった昔々、・・・松方弘樹は当時時代劇スターの御大近衛十四郎の息子として、北大路欣也は更に大御大の
市川右太衛門の息子として同時期に東映が力を入れて売り出した二世映画スターでした。

当時は時代劇全盛期の東映に於いて二人は将来を嘱望されたニューフェイスでした。
そして今、二人とも押しも押されぬ大スターになっています。

【仁義なき戦いの】映画が極力取り上げられるの仕方がないでしょう。それだけインパクトが強い役どころでした。
しかし私は【仁義】より【県警対組織暴力】と言う映画の方が、より素晴らしい出来栄えの映画だったと思います。
今またビデオを借りて観てみても時代が40年ばかり前の映画なのだが、そんなことは全く関係ないやはり実に面白い映画でした。


暴力団取り締まりの県警の刑事に菅原文太、やくざ一家を背負う若頭を松方弘樹、そして梅宮辰夫が演じたエリート県警刑事の
三者の絡み合いは単なるやくざ映画ではない社会的テーマを存分に含んだ傑作でした。

奇しくも監督であった深作欣二、そして菅原文太、今また松方弘樹、三人ともこの世の人ではなくなりました。   合掌