ぺるけ式真空管フォノイコライザーアンプを入手しました。
MM型カートリッジ、MC型カートリッジ両用のフォノイコライザーです。
MM型カートリッジ使用時は、ピュア真空管増幅回路です。
MC型カートリッジ使用時は、半導体ヘッドアンプで一度増幅した後に真空管フォノイコライザーに送るハイブリッド型です。
MM型カートリッジ使用時における(聴感上の)S/N比は、これまで使用していた半導体フォノイコライザーに引けを取りません。
(一寸、寄り道)
LPレコード全盛時代の真空管アンプはCD時代以降の現代設計のアンプに比べてS/N比は低いものが多い印象です。
アンプの残留ノイズはLPレコード再生時のスクラッチノイズに隠れてしまう。アンプのS/N比が低くても目立たなかった。
CD時代以降の設計アンプは高いS/N比が必然条件となりました。電源部のリップル除去、電源部と増幅部の分離を図る等を回路設計の見直しが行われています。
フォノイコライザーが扱う信号は微弱です。MM型カートリッジの出力電圧は数mm V。CDプレイヤーの出力電圧は数Vに対し、扱う電圧値が3桁小さい。
更に、LPレコードの刻まれた信号(逆イコライザーカーブで記録されている)を元に戻すのには大きな補正が必要です。
CDの出力電圧より3桁程微細な信号を扱う。外乱ノイズの影響を受け易い。
MC型カートリッジの出力電圧は0.数mmV。昇圧トランスか半導体ヘッドアンプでMM型カートリッジ並みの電圧まで上げて、フォノイコライザーアンプに送るのが一般的です。
(寄り道終了)
ぺるけ式フォノイコライザーのMC型カートリッジ使用時は、「半導体ヘッドアンプ」で昇圧した後に「真空管フォノイコライザー」に送る仕様、つまり、従来方式と同じです。
現用のプリアンプとメイン(パワー)アンプは真空管式です。主に使っているカートリッジはMM型ですが、MC型も持っています。MC型カートリッジ使用時でも真空管管増幅に拘りたいと言う思いがあります。
*現在、再生ソフトの主流はデジタル(CD、Amazon music、ネット・オーディオ)。これは半導体技術なしでは成り立たない。今更、真空管増幅に拘っても仕方がない。その矛盾は承知しています。
ここ暫く、半導体フォノイコライザーアンプを使用していましたが、ぺるけ式真空管フォノイコライザーアンプを入手し満足しています。MC型カートリッジ使用時でも真空管増幅にしたいとの思いが強くなりました。
「半導体ヘッドアンプ」を「真空管ヘッドアンプ」にするか、それとも、「真空管フォノイコライザーの増幅率を上げる」かの二択でしょう。
真空管フォノイコライザーは既に出来ている。「半導体ヘッドアンプ」を「真空管ヘッドアンプ」にするのが近道かもしれません。
MM型カートリッジ使用時におけるS/N比に不満はありません。
十数年前、ヤマハのMC型カートリッジ専用フォノイコライザー(電流増幅回路?)HA-2をヒントにして、「半導体+真空管のハイブリッド・バランス伝送のフォノイコライザー」を作って貰いました。
ヘッドシェル並びにアーム内配線の改造が必要でした。汎用性が乏しかった。
この試作フォノイコライザーの静けさを今も忘れることができません。
(一寸、寄り道)
現用の真空管プリアンプ(全段差動?+バランス回路)と真空管メインアンプ(全段差動・バランス回路)のS/N比は高い。
電源部の強化、全段差動回路、バランス回路等が相乗的に効いていると考えます。
○バランス回路の利点
RCAアナログ線は➖線(網状)が+線を覆う構造、➖線(網状)がアース線を兼ねている。アンバランス線です。
XLRアナログ線は、+線、➖線が独立したアース線(網状)で覆われている。バランス線です。
構造上、XLRアナログ線は周囲からの外乱ノイズを受けにくい。
(寄り道終了)
LPプレイヤーのトーンアーム内には、L・Rチャンネル毎に+線、➖線が通っている。それら4本の信号線が管状シールドで覆われている「バランスケーブル」と看做すことができます。
プリ(メイン)アンプのほとんどがアンバランス回路。RCAアンバランス入力端子に繋ぐ必要があるので、トーンアームからの出力線はRCAアナログ線に変換されています。
ぺるけ式フォノイコライザーアンプはシングル回路。バランス回路にすれば、出力は2倍、信号線はアース線で保護されるので、S/N比はより高くなるのと考えています。