上北沢暗室雑記帳

写真に関するよしなしごとを

信貴山(後編)

2020-02-18 23:12:20 | テツ
 東信貴鋼索線廃線跡の次の目当ては旧信貴山電鉄なのだが、その前に朝護孫子寺にお参り。信貴山駅から人影のまばらな旅館街を歩いていくと、意外に距離があったんだなあと思う。大きな張り子の虎、健在。


 お参りのあとは、おそらく初めて、大門池に架かる橋を渡って信貴山門バス停方面へ。
 山の上にこんな大きな池があるなんて、と思ってググってみると、かなり歴史のある溜池らしい。古来の堰堤は耐震性が足りなかったため、数年前に新しいダムに置き換えられたとか。
 橋の真ん中には、これからバンジージャンプをしようとする若者が。人がやるのを見てるだけでもあまりいい気持ちがしないので、そそくさと通り過ぎてしまったが、この橋、国内現存最古のゲルバートラス橋で文化財登録されているらしい。橋脚がトラスになっているのも珍しいとか。しまった、見逃した。


 信貴山門バス停は、そのバンジージャンプから徒歩2分くらい。信貴生駒スカイラインからつながるバス転回広場の片隅に小さな建物があって、改札口のようなものが。ここはかつての信貴山電鉄の駅跡で、もしや、と一瞬思うが、ネット情報では当時の遺構は現存しないらしい。


 昼間のバスは40分に1本。ほどなくやってきたバスに乗ったのは、私の他には小犬を連れたお姉さん二人。ほんの散歩気分でこんなとこまで来てしまったようなことを話していた。バンジー1人1万円とはいい商売だ、とも。2回目は6千円だそうだ。
 かつての山上鉄道線の電車に思いをはせながら、スカイラインを進む車窓を眺める。途中のトンネルも鉄道のものらしいが、道路に結構勾配がある。ほんとに鉄道跡なの、とも思う。途中、高安霊園に停車して所要10分ほど。高安山駅に到着。




 こちらには旧駅のホームが残っているらしい。あったあった。




 八尾市のHPに看板と同じ、電車が空に打ち上げられそうな写真とともに、山上線の電車はケーブルカーの線路を使って引き上げたことが紹介されていた。不要不急路線で運転休止になったときは、電車を下ろしたらしいが、全くすごい話だ。小分けにして山上で組み立てるよりは、その方が合理的だったということなんだろうが。。。今ならどうするかね、もし道路がなかったら。




 西信貴ケーブルの高安山駅は、昭和テイストあふれる空間に、最新式の券売機とICカードリーダーが溶け込んでいた。




 乗客は4人だけ。車両前方は屋根もガラス窓になっていて、大阪の市街がよく見える。ケーブルカー特有のサウンドと振動とともに、街の景色がわずかずつ大きくなっていく。




 上り下りの車両がすれ違う手前にトンネルが!。しかもその先でカーブ!。
 ケーブルがカーブ内側に引っ張られるのに対抗して、滑車がかなり横向きに設置されていた。
 信貴山口駅手前には踏切が二つ。道路側からも眺めてみたい景色だが、40分に1本を待つのは、今日はちょっと無理。






 信貴山口駅では、ケーブルカーと近鉄信貴線のホームが一体になっていて、実にスムースに乗り換えられる。大阪から奈良王寺まわりの信貴山参詣ルートから、主役の座を奪い取っただけのことはある。正月はあふれんばかりの人出になるんだろう。年代物の屋根がいい感じ。

 この後は、やはり初めて乗る信貴線。結構な勾配をぐんぐん下っていくところは、奈良線以上で面白かった。また乗ってみたいかも。
 さらにこの日の初乗りは、おおさか東線。南半分は開業してもう11年になるのか。
 近鉄大阪線の堅下からJRの柏原まで歩いて、久宝寺へ。ここは大変貌だよな。快速電車の車窓を飛び去る、操車場の幾重もの線路の景色が思い出されるが、かつての面影は全く見いだせない。


 おおさか東線に生まれ変わるまでは、歩道と貨物線の併用橋だったという赤鉄橋。歩いてみたかったなあ。
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