ヨハネの黙示録(6)12-15章
黙示録の中核 解説
黙示録12章から14章までは
ヨハネ黙示録の
中核となっています。
黙示録12章で.
イエス・キリストの降誕,十字架,
この世と教会,キリストの昇天が,
ヨハネに幻として示されました。
13章で,反キリストの現れます。
14章で,
キリストの再臨の幻が示されます。
(黙示14:14-16)
15章で天国の姿があらわされます。
○
12章
キリストの幻
「巨大なしるしが天に現れた。
ひとりの女が太陽を着て,
月を足の下に踏み,
頭には
十二の星の冠をかぶっていた。」
「女は男の子を産んだ。
この子は,鉄の杖をもって,
すべての国々の民を
牧するはずである。
その子は神のみもと,
その御座に引き上げられた。」
「ひとりの女」とは,
イスラエルの民族,
あるいは霊的イスラエルを
象徴しています。
「男の子」とは,
キリストのことです。
「女は男の子を産んだ。」
(12:5)とは,
キリストの誕生のことです
「御座に引き上げられた」とは,
キリストの昇天を表しています。
ここでは.
イエス・キリストの降誕,
十字架,この世と教会,
キリストの昇天が,
ヨハネに幻として示されました。
○
天での戦い
(黙示12:7-12)
「さて,天に戦いが起こって,
ミカエルと彼の使いたちは,
竜と戦った。
それで,
竜とその使いたちは応戦したが,
勝つことができず,
天にはもはや
彼らのいる場所がなくなった。
こうして,この巨大な竜,
すなわち,悪魔とか,
サタンとか呼ばれて,
全世界を惑わす,
あの古い蛇は投げ落とされた。
彼は地上に投げ落とされ,
彼の使いどもも
彼とともに投げ落とされた。」
「竜」は,配下にある3つの幻,
「獣」,「偽預言者」,
「大バビロン」を使って,
神の民を攻撃します。
「巨大な竜」とは,
「悪魔」,「サタン」とか
呼ばれます。
「こうして,この巨大な竜,
すなわち,悪魔とか,
サタンとか呼ばれて,
全世界を惑わす,
あの古い蛇は投げ落とされた。」
(黙示12:9)
イエス・キリストは
次のように言います。
「彼らに言われた,
『わたしはサタンが電光のように
天から落ちるのを見た。』」
☆
小羊の血と兄弟のあかし
(黙示12:11口語訳)
「兄弟たちは,
小羊の血と
彼らのあかしの言葉とによって,
彼にうち勝ち,
死に至るまでも
そのいのちを惜しまなかった。」
「小羊の血」とは,
イエス・キリストの
十字架の業です。
「彼らのあかし」とは,
イエス・キリストが
私の身代わりとして
死んでくださり,
信じる者は
救われたというものです。
○
13章
(黙示13:1)
「また私は見た。
海から一匹の獣が上って来た。
これには
十本の角と
七つの頭とがあった。
その角には十の冠があり,
その頭には
神をけがす名があった。」
「一匹の獣」とは,
反キリストのことです。
「また,私は見た。
もう一匹の獣が地から上って来た。
それには
小羊のような二本の角があり,
竜のようにものを言った。」
「もう一匹の獣」とは,
反キリストを支援する
偽預言者です。
この2匹の獣とは
不法の者であります。
パウロは,
獣に妥協しない
生き方をしたことを,
次のように言いました。
(1テサロニケ2:3-12)
口語訳
「わたしたちの宣教は,
迷いや汚れた心から
出たものでもなく,
だましごとでもない。
かえって,
わたしたちは
神の信任を受けて
福音を託されたので,
人間に喜ばれるためではなく,
わたしたちの心を見分ける神に
喜ばれるように,
福音を語るのである。
わたしたちは,
あなたがたが知っているように,
決してへつらいの言葉を
用いたこともなく,
口実を設けて,
むさぼったこともない。
それは,神があかしして下さる。
また,わたしたちは,
キリストの使徒として
重んじられることが
できたのであるが,
あなたがたからにもせよ,
ほかの人々からにもせよ,
人間からの栄誉を
求めることはしなかった。
むしろ,あなたがたの間で,
ちょうど
母がその子供を育てるように,
やさしくふるまった。
このように,
あなたがたを
慕わしく思っていたので,
ただ神の福音ばかりではなく,
自分のいのちまでも
あなたがたに
与えたいと願ったほどに,
あなたがたを愛したのである。
兄弟たちよ。
あなたがたは
わたしたちの労苦と努力とを
記憶していることであろう。
すなわち,
あなたがたのだれにも
負担をかけまいと思って,
日夜はたらきながら,
あなたがたに
神の福音を宣べ伝えた。
あなたがたもあかしし,
神もあかしして下さるように,
わたしたちは
あなたがた信者の前で,
信心深く,正しく,
責められるところがないように,
生活をしたのである。
そして,
あなたがたも知っているとおり,
父がその子に対してするように,
あなたがたの
ひとりびとりに対して,
御国とその栄光とに
召して下さった
神のみこころにかなって
歩くようにと,
勧め,励まし,
また,さとしたのである。」
☆彡
(2テサロニケ2:9,10)
口語訳
「不法の者が来るのは,
サタンの働きによるのであって,
あらゆる偽りの力と,
しるしと,不思議と,
また,あらゆる不義の惑わしとを,
滅ぶべき者どもに
対して行うためである。
彼らが滅びるのは,
自分らの救となるべき
真理に対する愛を
受けいれなかった報いである。」
竜は,海からくる獣(13:1),
地からくる獣
(13:11,12),
大淫婦バビロンを手下として,
教会を迫害します。
○
14章
14万4千人の歌
14万4千人は
すべての救われた者を指します。
「新しい歌」を歌います。
(黙示14:1-3)
「また私は見た。見よ。
小羊が
シオンの山の上に立っていた。
また小羊とともに
十四万四千人の人たちがいて,
その額には小羊の名と,
小羊の父の名とがしるしてあった。
私は天からの声を聞いた。
大水の音のようで,
また,激しい雷鳴のようであった。
また,私の聞いたその声は,
立琴をひく人々が
立琴をかき鳴らしている
音のようでもあった。
彼らは,御座の前と,
四つの生き物
および長老たちの前とで,
新しい歌を歌った。
しかし地上から贖われた
十四万四千人のほかには,
だれもこの歌を学ぶことが
できなかった。」
救いには,
イエス・キリストによる
小羊としての犠牲の
死が必要でした。
それは「贖い」の業でした。
☆
再臨の主
(黙示14:14-16口語訳)
「また見ていると,
見よ,白い雲があって,
その雲の上に
人の子のような者が座しており,
頭には金の冠をいただき,
手には鋭いかまを持っていた。
すると,
もうひとりの御使が
聖所から出てきて,
雲の上に座している者にむかって
大声で叫んだ,
『かまを入れて刈り取りなさい。
地の穀物は全く実り,
刈り取るべき時がきた』。
雲の上に座している者は,
そのかまを地に投げ入れた。
すると,地のものが刈り取られた。
また,もうひとりの御使が,
天の聖所から出てきたが,
彼もまた鋭いかまを持っていた。」
ここでは,
イエス・キリストの再臨による
裁きをのべています。
イエスは次のように言っています。
(マタイ24:25-31)
口語訳
「見よ,
あなたがたに前もって言っておく。
だから,
人々が
『見よ,彼は荒野にいる』
と言っても,
出て行くな。
また
『見よ,へやの中にいる』
と言っても,
信じるな。
ちょうど,
いなずまが東から西に
ひらめき渡るように,
人の子も現れるであろう。
死体のあるところには,
はげたかが集まるものである。
しかし,
その時に起る患難の後,
たちまち日は暗くなり,
月はその光を放つことをやめ,
星は空から落ち,
天体は揺り動かされるであろう。
そのとき,
人の子のしるしが
天に現れるであろう。
またそのとき,
地のすべての民族は嘆き,
そして力と
大いなる栄光とをもって,
人の子が天の雲に乗って来るのを,
人々は見るであろう。
また,
彼は大いなるラッパの音と共に
御使たちをつかわして,
天のはてからはてに至るまで,
四方から
その選民を呼び集めるであろう。」
☆
パウロは再臨について
次のように言います。
(1コリント4:15-18)
口語訳
「わたしたちは
主の言葉によって言うが,
生きながらえて
主の来臨の時まで
残るわたしたちが,
眠った人々より先になることは,
決してないであろう。
すなわち,
主ご自身が天使のかしらの声と
神のラッパの鳴り響くうちに,
合図の声で,
天から下ってこられる。
その時,
キリストにあって死んだ人々が,
まず最初によみがえり,
それから
生き残っているわたしたちが,
彼らと共に雲に包まれて
引き上げられ,
空中で主に会い,
こうして,
いつも主と共にいるであろう。
だから,あなたがたは,
これらの言葉をもって
互に慰め合いなさい。」
○
(黙示15:2-4)
2018-10-05