テサロニケの信徒への手紙 第1
解説
(口語訳聖書引用)
テサロニケは
エーゲ海に面した港町です。
ローマ領になってからは
マケドニア州の首都となりました。
マケドニアはパウロが
聖霊によって
宣教が導かれた場所で,
アジアからヨーロッパへと
宣教地が広がりました。
テサロニケ教会を去ったパウロが,
弟子のテモテから
その様子の報告を受けて,
西暦51年頃,コリントから
執筆した手紙だと
考えられています。
○
1テサロニケ1章
信仰,希望,愛
(1テサロニケ1:1-3)
「パウロとシルワノとテモテから,
父なる神と
主イエス・キリストとにある
テサロニケ人たちの教会へ。
恵みと平安とが,
あなたがたにあるように。
わたしたちは
祈の時にあなたがたを覚え,
あなたがた一同のことを,
いつも神に感謝し,
あなたがたの信仰の働きと,
愛の労苦と,
わたしたちの
主イエス・キリストに対する
望みの忍耐とを,
わたしたちの父なる神のみまえに,
絶えず思い起している。」
手紙の初めの挨拶です。
○
言葉だけによらず,聖霊によって
(1テサロニケ1:5)
「なぜなら,
わたしたちの福音が
あなたがたに伝えられたとき,
それは言葉だけによらず,
力と聖霊と強い確信とに
よったからである。
わたしたちが,
あなたがたの間で,
みんなのために
どんなことをしたか,
あなたがたの
知っているとおりである。」
福音が伝えらたとき,
そこには言葉だけではなく,
力と聖霊と強い確信とが
現れました。
そして福音に生きるとき,
それは言葉だけではなく,
行動に現れました。
○
怒りから救い出すイエス
(1テサロニケ1:10)
「そして,
死人の中から
よみがえった神の御子,
すなわち,
わたしたちをきたるべき
怒りから救い出して下さる
イエスが,
天から下ってこられるのを
待つようになったかを,
彼ら自身が
言いひろめているのである。」
イエス・キリストは
十字架にかけられました。
しかし,
神はこのイエス・キリストを
復活させました。
わたしたちは,
このイエス・キリストが
もう一度
来られることを待っています。
○
1テサロニケ2章
「神の言葉」
(1テサロニケ2:13.14)
「これらのことを考えて,
わたしたちがまた絶えず神に
感謝しているのは,
あなたがたが
わたしたちの説いた
神の言を聞いた時に,
それを人間の言葉としてではなく,
神の言として
― 事実そのとおりであるが ―
受けいれてくれたことである。
そして,この神の言は,
信じるあなたがたのうちに
働いているのである。」
わたしたちは,
神の言葉を聞いています。
神の言葉は,
信じる者のうちに働きます。
○
1テサロニケ3章
「増し加えて豊かに」
(1テサロニケ3:12)
「どうか,主が,
あなたがた相互の愛と
すべての人に対する愛とを,
わたしたちが
あなたがたを愛する
愛と同じように,
増し加えて
豊かにして下さるように」
イエス・キリストは,
私たちを愛して下さいました。
わたしたちが,
この愛で互いに愛するように,
勧められています。
○
祈り
(1テサロニケ3:11-13)
「どうか,
わたしたちの父なる神ご自身と,
わたしたちの主イエスとが,
あなたがたのところへ行く道を,
わたしたちに開いて下さるように。
どうか,主が,
あなたがた相互の愛と
すべての人に対する愛とを,
わたしたちがあなたがたを
愛する愛と同じように,
増し加えて
豊かにして下さるように。
そして,どうか,
わたしたちの主イエスが,
そのすべての聖なる者と
共にこられる時,
神のみまえに,
あなたがたの心を強め,
清く,
責められるところのない者に
して下さるように。」
○
1テサロニケ4章
「手ずから働きなさい」
(1テサロニケ4:11)
「そして,
あなたがたに命じておいたように,
つとめて落ち着いた生活をし,
自分の仕事に身をいれ,
手ずから働きなさい。」
やがて主は来られるのだからと,
仕事をやめてしまった
人も中にはいたようだ。
しかし,パウロは
「命じておいた」とあるように,
落ちついた生活,
自分の仕事に
身を入れることを勧める。
再臨を自分の怠惰の
言い訳にしてはいけない。
再臨を
自分のやりたいことだけをする
理由にしてはいけない。
●
再臨
(1テサロニケ4:13-17)
「兄弟たちよ。
眠っている人々については,
無知でいてもらいたくない。
望みを持たない外の人々のように,
あなたがたが
悲しむことのないためである。
わたしたちが信じているように,
イエスが
死んで復活されたからには,
同様に
神はイエスにあって
眠っている人々をも,
イエスと一緒に
導き出して下さるであろう。
わたしたちは
主の言葉によって言うが,
生きながらえて
主の来臨の時まで
残るわたしたちが,
眠った人々より先になることは,
決してないであろう。
すなわち,
主ご自身が天使のかしらの声と
神のラッパの鳴り響くうちに,
合図の声で,
天から下ってこられる。
その時,
キリストにあって死んだ人々が,
まず最初によみがえり,
それから
生き残っているわたしたちが,
彼らと共に雲に包まれて
引き上げられ,
空中で主に会い,
こうして,
いつも主と共にいるであろう。」
イエス・キリストが,
再び来られるときの様子です。
○
1テサロニケ5章
再臨を待つもの
(1コリント5:8,9)
「わたしたちは昼の者なのだから,
信仰と愛との胸当を身につけ,
救の望みのかぶとをかぶって,
慎んでいよう。
神は,
わたしたちを怒りにあわせるように
定められたのではなく,
わたしたちの
主イエス・キリストによって
救を得るように
定められたのである。」
わたしたちは,
イエス・キリストがもう一度
来られるのを待っています。
(1コリント5:1-11)
「兄弟たちよ。
その時期と場合とについては,
書きおくる必要はない。
あなたがた自身が
よく知っているとおり,
主の日は盗人が夜くるように来る。
人々が平和だ無事だと
言っているその矢先に,
ちょうど妊婦に
産みの苦しみが臨むように,
突如として滅びが
彼らをおそって来る。
そして,
それからのがれることは
決してできない。
しかし兄弟たちよ。
あなたがたは
暗やみの中にいないのだから,
その日が,
盗人のようにあなたがたを
不意に襲うことはないであろう。
あなたがたはみな光の子であり,
昼の子なのである。
わたしたちは,
夜の者でもやみの者でもない。
だから,
ほかの人々のように
眠っていないで,
目をさまして慎んでいよう。
眠る者は夜眠り,
酔う者は夜酔うのである。
しかし,
わたしたちは昼の者なのだから,
信仰と愛との胸当を身につけ,
救の望みのかぶとをかぶって,
慎んでいよう。
神は,
わたしたちを怒りにあわせるように
定められたのではなく,
わたしたちの
主イエス・キリストによって
救を得るように
定められたのである。
キリストがわたしたちのために
死なれたのは,
さめていても眠っていても,
わたしたちが
主と共に生きるためである。
だから,あなたがたは,
今しているように,
互に慰め合い,
相互の徳を高めなさい。」
○
「主と共に生きる」
(1テサロニケ5:10)
「キリストが
わたしたちのために死なれたのは,
さめていても眠っていても,
わたしたちが
主と共に生きるためである。」
イエス・キリストが死んだのは,
魂の死んでいるわたしたちと
一つとなるためでした。
イエスがよみがえったとき,
私たちもよみがえったのです。
○
いつも喜んでいなさい
(1テサロニケ5:16-18)
「いつも喜んでいなさい。
絶えず祈りなさい。
すべての事について,
感謝しなさい。
これが,
キリスト・イエスにあって,
神があなたがたに
求めておられることである。」
わたしたちに,
喜ぶこと,祈ること,
感謝することが勧められています。
2018-05-08