エクストリーム四十代のかもめ日記

野球を中心に、体力気力に任せて無茶をしがちな日常を綴る暑苦しい活動記。

麒麟がキター 私と大河ドラマ

2020-12-15 13:32:17 | 日記
皆さんNHK大河ドラマ「麒麟がくる」観てますか!
私は珍しく、観ています!

私、そもそも「日本史」が嫌いだし超苦手です。「世界史」は脳内に
存在すらしないレベルで理解できてないけど。
日本史苦手だから、当然、大河ドラマもよーわからんのですよ。
過去の地名もわかんないし、それ以前に日本の今の県の位置すら怪しい
始末。昔のテレビ番組「三枝の国盗りゲーム」を観ていればよかった。
弟がやってたゲーム「信長の野望」ももっと真面目に見ればよかった。
自分で「ポケモン+ノブナガの野望」はやったけど、「ランセ地方に
ある17の国」をめぐる争いじゃあ何も理解できないしなあ…

それでも私と同じ四十代後半の人ならみんな、大河ドラマ「独眼竜政宗」
は観たんじゃないかな! あれはほんとにおもしろかった!
特に、正室の愛姫(めごひめ)の幼少期が後藤久美子だったんだけど、
「国民的美少女」なんて俗な言葉が失礼なくらいのきりっとした完璧な
美少女で最高! 当時中学生女子の私も愛姫には恋焦がれたわ~
成長した愛姫が桜田淳子になったのには言葉を失ったけど…
どうやったら後藤久美子が成長して桜田淳子になるんだろう…

あと、親が観る時は他の大河もチラ見はしていて、「太平記」では
北畠顕家の美少年ぶりに心酔しました。今でも「日本で一番の美少年は
誰だと思う?」と問われると「大河の『太平記』の北畠顕家」と答えて
います。なお演じていたのはこれまた後藤久美子で、彼女に「美少年
武将」の役をやらせた大河ドラマに最大限の賛辞をおくりたい。

こんな私ですが、今年の「麒麟がくる」は欠かさず熱心に観ています。
でも、観はじめた理由が「大河開始直前に明智光秀の書籍の編集を担当
したから、著者に『観てない』とは言えない」なのでした。
歴史に比較的詳しくない人に担当させて、より広い読者にわかりやすい
ように…との会社の方針は正しいと思うけど、まさか私がここまで
歴史に疎いとは思っていなかっただろうなあ…

とはいえ嬉々として見はじめた「麒麟がくる」。
一番楽しみにしてたのが、「信長、ブッダなんだ!」。
「聖☆おにいさん」というNHKドラマがあって、松山ケンイチが
イエス・キリスト役をやっていて「松ケンはほんとに原作を壊さずに
見事な再現を見せるよなあ…」と思って観ていたのですが、相棒の
仏陀の役をやっているのが「染谷将太」という人で、このブッダが信長
…というのが一番の楽しみだったのでした。
正直、松ケンのキリストがハマり役すぎてそっちばっか見てたんだけど
ブッダも温厚で静かないい味を出していて、「あのブッダが信長って!」
と俄然、盛り上がったわけです。

大河にあまり馴染みがなくても、「私の意見は一般大衆とたいがい同じ
になる」という「ザ(ジ?)・一般人」の私。
「麒麟がくる」の前評判、話題は「丸顔の染谷将太の信長ってどうよ」
でした。あの肖像画の細面の優男ふうじゃないじゃん、ってことで。
方向性は違うけど、「あの役者が信長をやるというのは!?」が話題と
いう、見事な「開始前の評価の一致」を見せました。

そして感想も、見事に一般の皆さまと同じです。
○長谷川博己地味で傑出してなさそうだけど、結果として本能寺でしか
 知られていない明智光秀だからこれで良いのでは。
○帰蝶様!! 川口春奈でほんとによかった、この可愛らしさでマムシ
 譲りの策士だから良いのであって、沢尻エリカだったらエグいよ!
 多分沢尻エリカだったら信長との絡みがキモい。
○道三、豪放磊落で面白いキャラに仕上がってていいじゃん!
○叔父上ーー! 道三も良かったけど、叔父上が最後みんな持ってった。
○信長最高じゃん! 少年期は破天荒で幼稚な面があってこれでいい
 けど、大人になってからはどうかと心配したら、全然OK、しかも
 内面が幼いままなのが逆に怖い。さらに、カッコよくも見えてきた!
○美濃編よかったのに、桶狭間までの盛り上がりに対して、その後が
 「あの時代は実は駒、東庵、伊呂波大夫が動かしていた」みたいに
 なっていて萎える。
○正親町天皇が神々しい~~~
○帰蝶様を出せ! 信長と帰蝶が一緒にいるところが観たい!!

ほんとに「ザ・一般人」な私ではありますが、うならされたのはこの
2つの場面。

1つは、幼年期の徳川家康(竹千代)が織田信長と将棋を打つ場面。
竹千代が信長に将棋を打ってくれと頼み、その場にいた光秀と帰蝶が
席を外すんだけど、その場面ですごく感じたのは…
「家康、信長と比べると、光秀は『優秀な一般人』でしかない…」
もうなんというか、醸し出す格というか、器の大きさが違う感じ。
染谷将太の、何も言わずに出ている大物感、それはそれですごいけど、
ここは竹千代の子役の子が「信長に匹敵する大物感」を出していて、
「ひゃ~、これは『光秀じゃない』んだわ…」と思わされました。
天下取りに関わるのは光秀じゃなくて信長、家康なんだなと。
また、長谷川博己の地味さも上手く機能したと思います。
(なのに竹千代、成長して風間俊介になって、大物感が皆無に…)

もう1つは、昨日(12月14日)放送の、将軍・義昭が光秀に
剣術の稽古で軽くいなされる場面。
将軍への接待で指南役が手加減してやられていく中、「手応えがない」
と光秀に指南役を請うた義昭。でもね、剣道を習った経験のある私は
義昭の剣の構えが「まるでなっちゃいない」というのが一発でわかり
ました。
剣術、剣道の何よりの基本は「背中をまっすぐに立てること」。
しかし、義昭の構えは背中が丸まっています。義昭の剣術がいかに
浅はかな付け焼刃であるかがわかる表現。カメラアングルも真横から
捉えていて、義昭の背が丸まっていることをちゃんと映しています。
当然、光秀もひと目見れば、義昭が基本すら身につけていないことが
わかるに違いないのです。
光秀は正直者なので、指南役たちのように手加減してやられてあげる
ような真似はしません。なっちゃいない丸まった姿勢でただむやみに
木刀を振り回し、目をむいて向かってくる義昭…
その立ち合いに、かつての心優しい穏やかな僧侶だった義昭との
思い出が次々オーバーラップしてきて、義昭の変わってしまった姿を
前にした光秀の悲しみが伝わってくる場面だったのですが…
「義昭の急ごしらえの剣術では、剣の名手である光秀にかなわない」
ではなく、「義昭の剣術は構えからしてそもそもなっちゃいない」と
いうことを理解してこの場面を見ると、光秀が「変わってしまった
義昭の姿」を悲しみ、惜しむとともに、「裸の王様となり、周囲が
見えなくなって、仕えるに値しない将軍」を憐れみ、見下す感情が
見えてきます。
この後の光秀の決断は、私には「信長を討ちたくない」ではなく、
「あなたは仕えるに値しない」という視点から導き出したものだと
感じました。

なお、この回、要らんオリキャラ・駒が非常にいい役回りを一つ
しました。貧しい人たちを助ける施設を造るため、駒が稼いだ相当な
金額を義昭に渡していたのですが(町娘が大金を稼いで将軍の愛人に
なって貢いでるのはおかしいよ!)、義昭がなんとその金を「鉄砲を
買うために使わせてくれ、戦に勝ったら返す」と伝えてきます。
「義昭は変わってしまった」という表現の、これが決定打でした。
剣術の話では「将軍の立場なのだから武術の鍛錬もやむなしか…」
とも思いますが、「庶民である駒が、働いて必死で稼いだ、貧しい人
たちを救うための金」で鉄砲を買うという義昭の姿には、かつての
「人を救うために生きる」想いはまったくみられません。
ここは、駒が役に立った場面だと思いました。

あっそうだ、もっともっと評価されていいのは海老蔵のナレーション。
毎回、テロップで名前が出るたび「そういえばナレーションって
海老蔵だったわ!」とちょっとびっくりするんですよ。
でもドラマ見てる最中はまた海老蔵の声だってことを忘れてる。
世間の「麒麟がくる」の評価でも海老蔵の話は全然出ない。
つまり、海老蔵ほどの人が完全に「ナレーターでしかない」役回りを
見事にやりきっていると思うのです。もっと称賛されるべきでしょう!

「麒麟がくる」で困るな~と思うのは「次の場面で信長が出てきたら
見逃したくない」と思ってトイレをガマンしてしまうことかな。
信長のイメージを壊したくなくて、染谷将太がテレビ東京のドラマ
「浦安鉄筋家族」で変なキャラクターを演じているのを見ないために、
間違ってもザッピングでチャンネルを合わせることのないよう必死で
注意したりしていました。
「麒麟がくる」観てて信長に浦安の変キャラがかぶるのは嫌だよ!

とにかく、この作品は「母、叔父、家臣、村の者、すべてに愛されて
まっすぐに幸せに育った明智光秀と、誰からも愛されずにゆがんで
育つしかなかった怪童・織田信長の物語」なんだなーと思います。

こうして日曜日は、朝の「キラメイジャー」と夜の「麒麟がくる」が
必須となっています。野球シーズンはナイターと麒麟の両立が大変
だったんだから!

ところでブログの更新が滞っていましたが、現在入院しています。
なんとか頑張ります。