命のかたち心のかたち つちびと 可南'Sギャラリー

『ピンザの島』が思い出させたこと


私にとって、猫の命は・・重い

そして・・犬の命も・・・・・




そして・・こう書いたり言ったりする時


心のどこかで・・牛は?豚は?

と問いかける自分がいる



もう・・何十年も昔、私が幼い頃

郊外に住んでいた私の家族は・・庭で鶏を飼っていた





私も・・時々、野原でつんだ草を・・鶏に食べさせたりもしていたが

幼い私は・・そのニワトリ達を・・今の猫たちのように家族と認識していたわけではなく

かといって・・家畜と思っていたわけでもない

そんな区別をつけれないほど・・私は幼かった


本当に昔のことなので・・記憶が定かではないのだが

ある時・・その鶏の1羽を・・


何軒か先に住んでいた親しいおじさんが・・さばいている姿を見てしまった

白い羽根が散らばっていた



その後・・その鶏は・・そのおじさんが食べたのか

我が家で食べたのか・・記憶がない



ただ・・私は・・それから・・鶏肉を食べれなくなった





その後・・どんな心の動きがあって

再び・・鶏肉を食べれるようになったのか・・



鶏も牛も・・豚も・・現在食べているのか

肉が好きですと言えているのか・・・



たぶん・・幼いなりの生きる知恵として



想像力を・・あえて・・その部分だけ封印した気がする


肉としてだけ認識し・・命を食べていると思う気持ちを

どこかでストッパーをかけた




そして・・・私は60歳になっている

そのことには・・鍵を掛けたまま・・年をとった


だから 私はつちびとで 牛や豚などを家族のようには・・作れない

作るのが・・怖い






なぜ・・今頃・・こんな昔のことを思い出したかというと



ドリアン助川さんの新しい本『ピンザの島』を・・読んだからだ


その本の中には・・多くのことが詰まっている


父親を自死で失った青年が・・自身もその衝動に襲われながら

それでも・・・何かをつかんでいく




その青年が・・辿り着いた『ピンザ』という架空の離島での救済の物語なのだが・・



ドリアンさんがブログでこのように書かれています





ピンザとは宮古島でのヤギの呼称ですが、本作の舞台は架空の島であり、物語はあくまでもフィクションです。


しかし私は、島の環境や登場人物たちの言動に、「本当のこと」を詰めこんだつもりでいます。





私は・・その「本当のこと」にやられたのです





本当のことが・・長い間、封印していた・・・命を食べているという現実に


私を向かい合わせました




名前を持ったピンザが・・我が家の猫と重なります






小説の途中から・・本当のことに向かい合うことが

私は・・辛くて・・苦しくて・・・





ああ・・でも・・ドリアンさんは 封印せず生きてこられたのだなあ


ドリさんは・・決して本当のそのことが平気な方ではないと思うのです


私以上に・・消えていく命側に立っていられる方なのです

『カラスのジョンソン』を読んで、そのことを嫌というほど感じていました




でも・・・

それが・・現実なら(架空の物語ですが)・・本当のことをあえて書き

書くことで、消えていく命たち側に立ち

誰よりご自身が、その事実に涙を流しながら、痛みながら

書き続け・・・


最終章の奇跡のような救済の場面へ導いてくれたのです






だから・・私が半世紀以上、封印していた記憶が甦ってきた


思い出さざるをえなかった



なんだか・・昨日ブログに書いた『美』という漢字の語源になった

羊と狼の話が重なります



人間は、他の命を食べて生きていく動物です

それなら・・せめて・・無駄な殺生だけはしたくない



私は・・大きな羊にはなれなくても

せめて・・・昨日のブログに書いた足るを知る狼を目指したいです





♪♪♪

お知らせ


可南つちびと展 『イノチの消息』


2014年5月15日(木)~31日(土)まで

AM11:00~PM6:00...

ぎゃらりーホンダ 堺市中区深井沢町3134
           TEL 072-278-3381 


会期中の5月下旬、ドリアン助川さんのライブも計画中




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コメント一覧

よっし~
きっと “足るを知る” その心が 世に広まれば

ひとつひとつの命の輝きが 一段と明るく光り輝くことのできる そんな世界が広がってくれるのですよね。
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