中京記念
横山典弘騎乗で5番人気のアルナシームがゴール前の接戦を制し重賞初制覇を飾った。同騎手は56歳4カ月29日での勝利となり自身が持つこれまでのJRA重賞勝利最年長記録を更新した。2着は2番人気エピファニー、1番人気エルトンバローズは3着だった。
食い下がるエピファニーを振り切って真っ先にゴールを駆け抜けると、横山典騎手は右手でポーンとアルナシームの首筋を叩いて、頑張りをたたえた。コンビを組んで3戦目でつかんだ、重賞初V。テーオーシリウスとセルバーグが競り合って、縦長の展開に。1000メートル通過が57秒5とハイペースになったが「繊細な馬なので、馬のリズムだけに気をつけた」と中団のインを追走する。先に動いたエルトンバローズを追うように4コーナーでスッと上がっていくと、直線で一気に先頭へ。内から強襲したエピファニーも退けた。
叔父に日本ダービー馬シャフリヤール、皐月賞馬アルアインがいる良血馬。「重賞を勝たないといけない馬だと思っていたし、やっと勝てて言うことがないです」と橋口調教師は万感の表情だ。前向きすぎる気性がネックとなって出世に時間がかかったが、2走前からコンビを組んでいる横山典騎手が調教から密にコンタクトして、ハミを替えるなど陣営と工夫してきた。「典さんのアドバイスを取り入れてやってきた。考えてやってきたことが実を結んだ」とJRA重賞Vの最年長記録を更新したベテランと喜びをわかちあった。
馬券は◎2アルナシーム〇7エルトンバローズの3連単2頭軸マルチと両頭からの3連複流しがビンゴ。予想記事にも入れていなかったように当初は切りの方向だった6エピファニー。最後の最後に念のためにヒモに入れた。これが奏功してプラス計上。アナゴサンとかタガノパッションもありかと思ってそっちにばかり目が行っていたけれど、エピファニーを押さえなかったら悲惨な結果になるところでした。
エプソムカップの時にも少し書いたけれど、現5歳世代の朝日杯FSは以前から言われていた事なのだが、今回のアルナシームの勝利で1着馬から6着馬までがその後の重賞制覇のコンプリートとなった。まさに「伝説の朝日杯」なのだ。
ちなみに8着のプルパレイはファルコンSを勝っていて、ドーブネとトゥードジボンが今後重賞を勝てば、9着までの全ての馬が重賞ウイナーとなる。ドーブネもトゥードジボンもすでにOPを勝っており、ドーブネ(サイバーA藤田社長)に至ってはOP2勝GⅡ2着1回3着1回と完全に重賞勝利に手が届くところまで来ている。
私としてはさらに12着だったオタルエバーにも注目したい。早熟っぽい戦歴だが6月の函館SSで2着馬からコンマ1秒差の5着。この馬も短いところで重賞を勝てるのかもしれない。
2021年朝日杯FS
1着 ドウデュース ダービー馬・京都記念・有馬記念
2着 セリフォス 富士S・マイルCS
3着 ダノンスコーピオン NHKマイル
4着 アルナシーム 中京記念
5着 ジオグリフ 皐月賞馬
6着 トウシンマカオ GⅢ3勝
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7着 ドーブネ
8着 プルパレイ ファルコンS
9着 トゥードジボン
12着 オタルエバー
来週は夏の新潟名物アイビスサマーダッシュ。このレースは特殊な距離とコースに適正がある馬がどの馬なのかを見いだすことが大切。後は枠順も非常に重要な要素となる。来週も頑張りましょう。