一難去ってまた一難。なんでこんなネタ生活…なんて笑っていられないくらいの問題が起きてしまいました。
ご存知のとおり、うぃるちは問題犬です。だけど、ささやかに、私たち家族と楽しく、それなりに幸せに暮らしています。でもそんなうぃるちに外部からとんでもない
脅しが入りました。
裏の家の住人。顔を合わせれば挨拶と社交辞令程度のスモールトークを交わす間柄でしたが、私が外でガーデニングの作業をしていると、近づいてきて、さも世間話をするように、「その犬(うぃるち)とうちの犬をいっしょにしたらどうなるだろう?」と言い出しました。そのときもうぃるちはそこの家の白い小さい犬とフェンス越しに走り合って、例によってうぃるちだけが吠え狂っていました。
でも、実はこの犬はうぃるちを挑発するのが大好きで、うぃるちがいないときはいつもフェンス際まで来て、うぃるちが出てくるのを待っています。そして出てくると伏せて飛び掛る真似をして、うぃるちと(うぃるち
で?)遊ぶんです。
なので、私は相手と同じようにカジュアルに「意外と仲良く遊ぶんじゃない?」と答えました。すると相手は「いや、その犬はウチの犬を殺すね。自分にはわかる。その犬はそういう犬だ。生まれつきそういう悪い犬なんだよ。」というんです。続けて、あろうことか、「もしその犬がそこから出てきたら自分はその犬を殺す。それ以外に方法がない。こちらは家族を守らなければならないんだから、他に選択肢はないから、出てきたら殺す。それはよく覚えておけ」というのです。
うぃるちは敷地から一人で出たことなんかありません。たとえゲートが開いていたって、怖くて外へは出られない。出せ!と大騒ぎするけれど、実際出すとすぐに180度Uターンして庭に戻ります。その男が乗用芝刈り機でうちの敷地ぎりぎりのところを通ったらそれはいつも吠えます。うぃるちはそれが自分の仕事だと思っているから。でもそれはうちの敷地内でのこと。どうして起きてもいないことでいわれのない脅しを受けなければならないのか。
しばらく言い合っていましたが、何度も「I am gonna KILL the dog」と"KILL"という言葉を使いました。以前にも説明したことがありますが、改めて、うぃるちは虐待されていて人間を信じられないこと、怖いから吠えること、特に背の高い、体の大きい中年の白人男性に恐怖があるのだ、というと今度は鼻で笑って「じゃ、そいつはレイシスト(人種差別者)だな。どっちにしたってその犬がどうしようもない最悪の犬であることに変わりはない。」と言いました。ここで私は相手の知的レベルに呆れたので、言い合いを止めましたが、いつまでも捨て台詞を吐いていました。
うちのコミュニティでは、みんなうぃるちには呆れていても、私たちに免じて、仲良くしてくれていますが、裏の家は別のコミュニティに属していて、そちらは新しくて大きい家。建つ前から、こちらのコミュニティを見下した態度で共通の問題をめぐっていくつか諍いがありましたが、その延長でもともと自分たちのほうが偉いと勘違いしているようです。
先方からレイシストなんて言葉が出て本当に笑っちゃったけど、「私が白人の中年男性だったらあなたは私に同じことを言いましたか。」と聞いてやればよかった。あるいは「あなた、自分の子どもの前で同じことが言えるの?」って。結局、いつもうぃるちに吠えられてむかついてむかついて、何とかしてうぃるちを傷つけてやりたい。いきなりやるとまずいからエクスキューズを作っておこう、って浅はかな考えなんでしょう。
近所の友人たちも憤慨してくれていますし、一人は、知人の警察官に非公式の相談メールを書いたそうです。
おそらく、相手の言い方からして、うぃるちが敷地から出たら攻撃するために銃を所持しているのだろうと思います。銃を、装填してある状態で保管するのも、弾薬と同じ場所に保管するのも違法なら、銃自体を鍵のかかる戸棚にしまっておかないのも違法なのでおおっぴらには言わないでしょうが。でもそういうことなのだと思います。
うぃるちは確かに攻撃的です。確かにその隣人が大嫌いです。でも今回おきたことはただの脅しです。私がそう言うと相手は「これは警告だ。脅しなんかじゃない」と言い訳していたけれど、いいえ、それは脅しです。
おそらくあの人にとって、自分の犬は、ただの「子ども用のおもちゃ」に過ぎず、だからうぃるちのこともそういう感覚で言っているのでしょう。こんな人に何を説明しても無駄です。「家族を守る」のもいいけれど、それで銃の事故でも起こして家族を傷つけないようにせいぜい注意したまえ。
こういうことがあると、この土地、ひいてはこの国に住むのが嫌になったりもするけれど、こういうときに支えてくれて、応援してくれるのもやはりこの国の人たち。どこにでも残念な人はいるし、素敵な人もいる、そういうことですね。でもやっぱりこんなやつが裏に住んでいるのはいやだ。
「ボクは本当はいい子でちけど嫌いなやつは嫌いでち。」
うぃるちの損な性格が招いたことではあるけれど、そういう目でしか物事を捉えられない人間って残念です。