
「お出かけだお出かけだー」
と喜ばせておいて大変申し訳ないんだけどね、行き先は獣医さんですよ、ふたりとも。
…今写真を振り返ってみると、既に憂鬱そうな顔してますね。あれ?察していたかしら。
実は、クッキーはここのところ左足を痛そうに上げることがあって、見てみたら何やら赤い腫れ物が指の間にできていたのです。
そしてHopeのトラブルは犬飼いのみなさんならお馴染みの言葉ですが、犬になじみのない人はちょっとギョッとしてしまうような単語…
えー、ここから先はお食事が済んでからお読みくださいませ。あ、でも犬に興味がない方は読まない方がいいかも。
その場合はここで


犬の健康に関わる真面目な話になります→
その単語とは、ズバリ肛門腺。わかりやすい例で言えばスカンクの肛門の両脇にいざというときのための臭い袋がついてますね、あれがそうです。犬もこの肛門腺というものをもっていて、その匂いが犬の個別の識別情報になっていたりするようです。犬同士がクンクンとお尻の匂いを嗅ぎ合うのはその匂いに含まれる情報を探り合っているらしいのですが。
とにかく、この肛門腺が問題を起こしました。
実は数週間ほど前から、Hopeの臭いが気になり始めたのです。一般的には大型犬の場合、排便の際に肛門腺を自力で絞り出すことができるらしく、特別お手入れは必要ないとされています。でも、小型犬など、自力で絞り出すことができない犬には人間の助けが必要になります。つまり、定期的に手で押して絞り出してやらなくてはいけない。
Hopeは言うまでもなく大型犬。まさか肛門腺しぼりが必要なタイプだとは思ってもいなくて…特に気にしていなかったのでした。
ところが、突然気になりだした臭い。そこで遅ればせながら私も初めての肛門腺絞りに挑戦してみたんですが、やっぱりうまくいきません。難しい、というより、何も出てこなかったので溜まっていないのかな?と思い込んでいました。
でもやっぱりヘンなのです。お尻周りが汚れやすくなったし、拭いても拭いても臭いがする。しかも拭くのを嫌がる。もっともお尻を触られるのはどんな犬だって嫌がるので、特別不審には思いませんでした。これが大失敗。
ネットでもいろいろ調べたつもりですが、出てくる情報は「定期的に肛門腺を絞ること」「肛門腺の手入れを怠ることがトラブルにつながる」というようなものばかり。肝心の「肛門腺のトラブル」そのものについての情報が見あたらなかったのでした。中には「肛門腺を絞らないといけない、などと言うのはペット産業の陰謀だ」というような見解もありました。
おぼろげに、トラブルを起こすと肛門腺が破裂する、というような話も聞いたことはあったけれど、どう見ても破裂しているようには見えない。おかしいなあ、おかしいなあ、と言い続けて1ヶ月以上が経ってしまいました。
でも最近では毎回のお尻拭きが欠かせず、それでもなお赤黒い色と臭いがあり、Hope自身もそうとう気にしているようなので、とうとうドクターに予約を取りました。きっと「なんでもない、自然だよって言われるよね」なんて呑気に思いながら。
ところが、です。ドクターは、Hopeの全身を一通りにこやかにチェックした後、尻尾を持ち上げるとちょっと顔が曇ったのです。「これは…」と。
片方の腺が詰まって、ばい菌が入り、炎症を起こしていたようでした。私たちが肛門腺だと思っていた赤黒いものは、炎症を起こして血が固まったものだったんです。その場で、まず絞って下さったけれど、左側からは白っぽい粘液状のものが。これが正常な肛門腺。でも右からは赤黒い、というよりも明らかに血液の混じった汚れが出てきました。ドクターに「痛かったはずだ」と言われました。
全然気付きませんでした。お尻を拭くといつもあんなに嫌がって、ご褒美にもつられなかったのは痛かったから?ごめんね、Hope。
続いて炎症を起こしている患部に抗生物質を注射。よほど痛かったんでしょう、Hopeは目を剥いて暴れました。やめてよーっって叫んでいたようでした。でもきちんと治療したら良くなるから。可哀想に、私たちの責任です。
もっとよく気を付けてやればよかった。やっぱり異常だったんだ、なのに長い期間痛い思いをさせてしまった、もしかしたら最近座るたびに「ウゥーッ」と言うのもこのせいだったのかもしれない…。一般的に大型犬には肛門絞りは必要ないけれど、筋肉が弱い犬は大型犬でも自力で出すことができないそうです。Hopeの場合は若い頃に受けていた虐待のせいで筋肉が弱いのです。
長い時間だったけれど、Hope、よくがんばりました。もう大丈夫。これからはちゃんとケアします。本当にごめんね。
そしてクッキー。実はクッキーの方が更に深刻かも…。
経験豊富なドクター、リンゴ先生が「何かヘンだな、こんなの見たことないな。」って言うのです。すぐにかさぶたを剥がし、スライドグラスに組織取って部屋を出て行ったドクター、長いこと戻ってきませんでした。
診察台の上で恐怖に固まるクッキーと、クッキーを押さえる助手の人、そしてフーと私…重苦しい空気でした。
戻ってきたドクターは、「とりあえず今のところ悪性ではないと思う。ガン細胞の様子は見られない。年齢や部位から考えても悪性だとはまず考えられない」と言ってくれました。ひとまず安心、でも可能性としてはガンであることも。今から2週間、毎日抗生物質入りの塗り薬を使ってみて、治らないようならまた診せることになります。
万が一悪性で、取り除くことになった場合は…Toe offだと言われました…
クッキーの指が1本なくなってしまうかもしれない。もちろん可能性はすごくすごくすごく低いです。それに命を無くすことに比べたら指の1本くらい。でも、どうかどうかそんなことになりませんように。まず大丈夫だとは思いますが。
深刻な話はここまで。Hopeと違ってほとんど痛いことはされていない今日のクッキー、病院での写真です。

待合室で既にこの緊張。縮こまった手を見てやってください。

「がーちゃん、オレ、ごわい~」

あっ、とうとう先生がお迎えに。
ここの病院は犬が緊張しないように先生が待合室まで迎えに来てくれてそこでちょっと遊んでから一緒に診察室へ行くのです。
ドクターに抱え上げられて診察台へ。

「だ、だまされたっ!」

「が、があちゃん!お手手にぎってぐれ!」
もう片方の手はしっかり台に掴まってます。
…犬の手って掴まる機能あったんだ…

後ろ足のこの緊張…
あまりのチキンっぷりにドクターが、「みんなそうやって、なんとかこの診察台に穴を開けようと頑張っているみたいだけど、まだ誰も成功してないんだよー」と笑ってました。

帰りの車中、荷物用のくぼみにスッポリはまり込んで安心するHopeさん。しばらくお薬3種類(橋本病のためのホルモン剤、アレルギー薬、そして今回の抗生物質)飲んでね。

「ひどいめにあったわ~。こんどおかあさんがわたしのおしりしぼろうとしたらけとばしてやるんだからあ。」


今回も非常な私、クッキーちゃんの待合室での「固まりっぷり」「台を掴んだ手」に笑ってしまいました。ごめんなさい。
私もこれの繰り返しです。
知り合いのワンちゃんで、ダニが指の間に食い込んで、大きく太っていたという話を聞きましたけど、そんなことではなさそう。
肛門線は、ビーグルあたりは境界線らしいのですが、うちの犬は幸い自力で出していたようでした(^_^;
見たところ炎症を起こしてそうじゃないからいいなかぁなんて思っていました。また、後で見てみようと思いました。
早く治りますように。
うちのルナは糖尿病なので、一生、獣医さん通いが続きます。
行くたびに採血されるけど、もう3年以上たつので、慣れたようです。
待合室で見ていると、いろんな性格のワンがいて、
こっそり観察していると、興味深いです。
肛門腺は、犬の体質にもよるようですね。
先代の犬は、よく絞ってました。ブチュです。
今の犬、ルナは全然たまりません。
あれ、慣れるとだいじょうぶ。
できるようになりますよ。
私も、肛門腺絞りが必要な子がわが子になるとはって思いましたが、エバがねぇ・・・そうなんです。
すっごく臭くて。絞りのプロを自認する私でも、イマイチ絞りきれなくて・・・(笑)
病院に時々行くことにしました。
昨日も行ってきたばかりよ~
あれは誰でも笑っちゃいます。だってあんまりな恐がり方。ヨダレをたらして目を剥いて…まだ台に乗っただけだというのに。
あ、ありがとうございます・・・・(つい最後に「・・・・」を付けてしまうま)
ほんとにね。今までいちいち連れて行っては「なんでもない。様子を見て」と言われるのが9割の確率だったのに、わからないものです。難しい。やっぱり些細なことでも連れて行った方がいいんでしょうけれどね。あまりにも医療に頼るのも考え物だし、現実問題、予約を取る時間を見つけるのも大変、その上お金もかかる、ああ、それでもやっぱり連れて行かないといけないですね。