へぶつい (Heavenly Twins)

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咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A 感想

2012-12-12 14:00:00 | 咲-Saki- スピンオフ
第17話 大将


 南3局  親:灼  ドラ:不明

 自らのボウリング打法にレジェンドスタイルを混ぜ、他家を翻弄する鷺森灼。
 フナQによれば、灼がこういう打ち方をして見せるのは、この準決勝が初めてなのだとか。

 その前時代的な印象から、それが赤土春絵の昔のスタイルである事に気付いたフナQ。
 そしてフナQは、ここに来て「阿知賀の奥にあるモノ」の何たるかを知る。



 準決勝にかける想い――
 弟子による師のための強き意志――
 10年越しのリベンジ――――!!


 フナQは、対戦相手だけではなく、各校指導者の牌譜まで目を通すのか。
 その研究熱心さには頭が下がるが、灼の身長が142cmだというデータは役に立つのかね?
 まぁ、この広い咲世界では、身長に関連した能力を持つ雀士がいても不思議ではないか。



 前回ラストで、新道寺の変態・白水哩は、達成すれば数え役満が約束される7飜縛りを試みた。

 

 哩は、この配牌からと切り出し、8巡目に初めて萬子のを切ってリーチ。


 そして、この萬子染め濃厚なリーチに対し、親の灼も切りで追っ掛けリーチを打つ。

   ツモ

 が4枚見えとはいえ、親が役なし両面聴牌をダマに受け、シャボに受け直してのリーチ。
 待ちはボウリングでシンシナティというらしいが、待ちだと特に名前がないのか。

     10
   4  6
    2 3
     1

 にしても、ボウリングなら尚更、79待ちより、58待ちの方がスペア取り易いんじゃないの?
 ホント、灼の能力は独特過ぎて、よく分からんな。

 フナQは、よくこんな能力を分析出来たものだと、素直に感心する。
 もし、照魔鏡で灼を分析したとして、照がボウリングを知らなかったらどうなるんだろうね?


 哩と灼のリーチ合戦、勝利したのは哩だった。



 リーチ(一発?)ツモ門混白三暗刻赤1は、4000・8000。
 目標の7飜を大きく上回り、文句なく、リザベーション7飜セブン―― 達成クリア!!
 変態が「もっと縛っておけば良かった」なんて言い出さなくてホッとしたじぇ。


 しかし、配牌ドラ3どころか、ドラが索子だったとは驚いたな。

 

 ここから門混はともかく、を暗刻にして、リーチしてツモるのが条件って、どれだけMなんだよ。
 偶然そうなる事はあるだろうけど、この手を6飜以下では和了れなくしてしまうなんて勿体無過ぎる。
 暗刻の代わりに一通という手もあるけど、それでもダマ出和了りでは1本足りないから、要リーチだし。
 まぁ、確かに、何処かでギャンブルしなければ、逆転は難しい点差だけどさ。


 ともあれ、哩は大博打に勝ち、鶴姫の手には数え役満が約束される「14飜キー」が与えられた。

 しかし、それでも淡は動じない。

「いいよ」



「『数え』くらいくれてやる」

 お~、淡カッケー。
 倍満に続いて、役満もOKだなんて、どれだけ太っ腹なんだ。



 オーラスは、三人聴牌の場を灼が制し、700・1300ツモで終了した。
 これにて、副将戦決着。

 副将戦決着って…… もしかして……
 ………これで終わりってことすか……?
 もう灼の見せ場は ………ないってことすか……?

 いや、灼も和了ってたし、回想もあったけど、哩のインパクトに埋もれてしまった感があるな。
 これまで隠されて来た能力についても、フナQが立てた仮説で百点満点だったみたいだし。

 なお、灼の打ち方を見て、すこやんが「赤土選手」の名前を口にしていた。
 すこやんもレジェンドさんに思うところがある様だけど、IHの後に二人が対局したりするのかな?




 副将戦終了時の点数は、白糸台:117700点、阿知賀:112900点、千里山:95600点、新道寺:73800点。
 白糸台は辛うじてトップを死守したが、副将戦開始時には2着と7万点差あったとは思えない詰め寄られ方だ。

 それに、哩が予約した倍満と役満を計算に入れると、新道寺の持ち点は121800点以上。
 その48000点分が他家から引かれる事を抜きにしても、事実上のトップは新道寺だという事になる。


 また、個人ごとの獲得点数はこんな感じ。

 先鋒戦
 松実玄   (阿知賀): 74700点( -25300点)
 宮永照   (白糸台):196200点( +96200点) ☆TOP
 園城寺怜  (千里山): 80900点( -19100点)
 花田煌   (新道寺): 48200点( -51800点)

 次鋒戦
 松実宥   (阿知賀): 99300点( +24600点)
 弘世菫   (白糸台):187400点( - 8800点)
 二条泉   (千里山): 50500点( -30400点)
 安河内美子 (新道寺): 62800点( +14600点)

 中堅戦
 新子憧   (阿知賀):102900点( + 3600点)
 渋谷尭深  (白糸台):177100点( -10300点)
 江口セーラ (千里山): 87500点( +37000点)
 江崎仁美  (新道寺): 32500点( -30300点)

 副将戦
 鷺森灼   (阿知賀):112900点( +10000点)
 亦野誠子  (白糸台):117700点( -59400点) ★WORST
 船久保浩子 (千里山): 95600点( + 8100点)
 白水哩   (新道寺): 73800点( +41300点)

 亦野さん……。
 特に高火力選手がいる訳でもないこの副将戦で、どうしてこんな事に。
 でも、177100点から117700点と書けば、パッと見プラマイゼロに見えるよね。
 菫さんは無理だとしても、照と淡くらいならこの手でどうにか騙せるハズ。

 一方、哩は荒稼ぎしたなぁ。
 この+41300点の内、どのくらいをリザベったのだろうか?




 千里山女子

 病院では、怜が目を覚ましていた。



 起きるなり、「竜華… りゅーかぁ………」と呼ぶ、怜可愛い。
 怜は虚勢を張るところがあるけれど、こうして見る限りでは大丈夫かな?

 そして、竜華の事は怜が起きる前に、泉が送り出したのか。
 最初、それはセーラか怜の役目だと思っていたけど、泉やるじゃん。

 ところで、怜が「100巡先まで見えるかも」なんて言っているけど、実際のところはどうなんだろう?
 1巡先を見る力は後天的なものだから、どうしてもいつか失われるんじゃないかと思ってしまう。
 怜の能力は、竜華とセーラの力になるために覚醒め、その目的を終えたので消失する、みたいな。
 その一方で、こうして元気そうな怜を見ていると、何の心配も要らない様な気もして来るが。




 阿知賀女子

 阿知賀の控え室では、しずがウォーミングアップを終えていた。



「よーし うであったまった――――っ!
 100速まで仕上がった!!」

 このしずのセリフに、憧が嘆息混じりにツッコミ。



「100とかそんなアホ数字で喜ぶ高校生シズだけだよ 小学生男子じゃあるまいし」

 そうだよね。高校100年生とか100巡先とか言って喜ぶ高校生なんていないよね。
 あの二人は、女子高校生の皮を被った、お子様とおっちゃんだしね。

 ともあれ、ギアがトップに入ったなら期待しても良いかな?
 2回戦でも名門校の大将が、最速のギアで華麗に走り切り、見事に準決勝進出を決めてたしね。


 さて、一度はハイテンションで控え室を飛び出したしずだったが、



 あれ、何かデジャブ(笑)


 しずにストップを掛け、憧が口にしたのはセーラのこと。



 試合時のセーラは制服を着る、だからしずも試合時は制服を着なさい。
 意味不明な理屈ではあったが、憧はしずが制服を着るよう説き伏せてしまった。



 そうして、憧はまんまとしずのジャージをゲット。
 何の彼のと理由を付けて、これが狙いだったとは、アコチャーマジ策士。

 ネタバレなので詳しくは書かなかったけど、この辺の話は咲フェスで憧の声優さんが軽く触れてたんだよね。
 ところで、憧もジャージの下は履かないみたいだけど、裾は足りるんだろうか?


 制服を着た事で、しずは自分が阿知賀の生徒である事を改めて自覚した模様。
 副将戦を終えた灼は、そんな「阿知賀の大将」とバトンタッチし、控え室へと戻って来た。



 戻るなり、監督の胸に顔を埋める灼。
 特別な思いのあった準決勝を終え、初めてハルちゃんに甘える灼可愛い。




 白糸台

 副将戦で大量失点してしまった亦野さん。
 失意の亦野さんに、淡はこんな言葉を掛ける。



「亦野せんぱーい
 私のためのハンデづけ お疲れ様でーす」

 う~ん、全く気遣う気が見られない、この態度。
 上級生を躊躇いなくパシリに使えるだけの事はあるね。




 決勝進出校を決めるため、残るはたったの半荘2回。
 準決勝第1試合、いよいよ大将戦に突入!!


 新道寺の大将は、白水哩とのダブルエース、変態の片翼・鶴田姫子。

 千里山女子の大将は、病院から直接ステージ入りした清水谷竜華。
 平均獲得素点関西随一という事は、セーラ以上の高火力型なのか。

 阿知賀女子の大将は、高鴨穏乃。



 今日はジャージを着てないぞ! 高鴨穏乃!!

 白糸台の大将は、大星淡。
 突如現れた超新星という事は、中学時代は特に実績はない訳だ。
 そんな淡だが、既に宮永照の「後継者」とも目されているのだとか。


 前半戦の席順は、起家から竜華、鶴姫、しず、淡に決まり、試合が開始された。




 東1局  親:竜華  ドラ:



 試合開始早々、淡が惜しむ事なく自らの能力を発動させる。
 淡の能力、それは他家の配牌を5向聴以下に下げるというものだった。

 

 東1局のしずの配牌はコレ。
 計算が出来ないと言われていたしずなのに、よく一目で6向聴だと分かるなぁ。
 あまりにバラバラだと実戦では数える必要がないので、僕は見てもすぐに分からない。

 え~と、8-(面子の数×2+塔子の数×1)だから、8-(0×2+1×1)=7で、面子手7向聴。
 国士も同じく7向聴だから、向聴数的には確かに七対子6向聴が最速か。
 でも、0対子から七対子は狙わないから、あまり意味のない数字だよね。


 しずは、この手から何とか一向聴に漕ぎ着けるが、を切ったところで淡に振り込んでしまった。



 タンヤオドラ赤で、和了点は5200点。

 悪形ダマ5200かぁ。
 昔のセオリーではダマだったけど、最近はリーチしてしまった方が局収支は上になるって聞いたなぁ。
 まぁ、それが正しいのかどうかは知らないし、この手の場合はツモで高めタンピン三色になるけどね。




 東2局は、親の鶴姫が食いタンの速攻。
 哩のリザベ失敗の影響があるハズだが、三副露して500オールを和了ってみせる。


 東2局1本場  親:鶴姫  ドラ:不明

 是が非でも鶴姫が連荘したかったのは、哩が手に入れてくれた東2局1本場用満貫キーのため。
 1本場限定の鍵なので、哩は使われないものだと思っていたが、これでその使用条件もクリア。
 鶴姫がキーを上空に向け、何かを発射すると、天からは牌が降って来た。



「満貫おいでませ!」

 そして、哩と鶴姫のリンクは、配牌を5向聴以下にする淡の能力に優先するらしい。
 なお、たかみーの収穫の時ハーベストタイムも、その能力の性質上、淡の能力を破れるのだとか。


 鶴姫は、この手を4巡で親満にし、淡から出和了った。



 親満なので、タンヤオ一盃三歩高赤1――もとい、タンヤオ一盃ドラ赤なのだろう。

 振り込んだ淡は、ただ早くて高いというだけではなく、4巡目に門前で和了られた事に目を見張る。
 成程ね。他家を5向聴以下にする能力上、鳴かれない限り淡は4巡目まで安全だったという訳だ。


 その絶対安全圏を破られ、動揺するかに思われた淡だが、

「うっそでしょ…」



「イイ! イケてんじゃん しんどーじっ!!」

 むしろ、自らの能力が破られた事を喜んでいた。
 大星淡、なかなかにメンタルが強い。
 なお、ここまでの点数は、白糸台:110100点、阿知賀:107200点、千里山:95100点、新道寺:87600点。


 東2局2本場は、淡が誰かから2600+600点を和了って終了。
 そして迎えた東3局で、鶴姫が倍満キーを手にしたところで次回に続く。
 そういや、阿知賀と千里山は、鶴姫の能力を何処まで把握してるんだろう?




 遂に始まった大将戦。
 早速判明した淡の能力は、衣の「一向聴地獄」にちょっと似ているね。
 その衣に「一寸厄介」だと言われていたしずの何かは、淡にも通用するのかな?

 もっとも、衣の一向聴地獄に比べると、淡の能力に対してそこまでの絶望感は覚えないなぁ。
 ツモでは普通に手を伸ばせるそうだから、絶対的な能力という訳でもないみたいだし。
 多少配牌が悪くても、咲ならカンで加速して、余裕で嶺上開花を決められる気がしてしまう。

 点数看破能力や、待ち牌看破能力もない辺りも、衣に見劣りする一因かな? あとiPS力不足。
 勿論、淡の実力が衣以上だったら、しずが勝つのは絶望的になってしまう訳だが。
 もっとも、今回見せた以外に、まだ第二、第三の能力がある可能性は否定出来ないけどね。



 能力の絶対性といえば、哩と鶴姫のリンクも気になるところ。
 これが絶対和了れる能力なのと、そうでないのとでは意味合いは大きく変わって来るよなぁ。

 例えば、今回の鶴姫の聴牌に対し、他家全員が当たり牌を切らなかったらどうなるんだろう?
 5飜になるけど自分でツモれるのか、それとも他家が工夫すれば防げるものなのか?
 或いは、何らかの理由で必ず誰かが当たり牌を切り、鶴姫が出和了る結果へと収束するのか?

 あと、鶴姫やたかみーの能力って、誰かがチョンボしたらどうなるんだろうね?
 やり直した局で、もう一度満貫や役満のタネが降って来るんだろうか?





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79 コメント

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Unknown (Unknown)
2012-12-12 14:16:10
向聴数の公式なんてあったんですね
勉強になりました
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 14:51:49
僕も4向聴以上は特に気にしないかな
七対子があるから6向聴が最悪の配牌なわけだし

後、衣も照も複数の能力持ちだから咲と淡もおそらくは複数持ちかと
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 15:37:55
穏乃は普段ノーパンノーブラでジャージを着込んでいるから
いま下着なしで直接素肌の上に制服着ていることに…

イイ!イケてんじゃんしずのっ!
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 16:03:10
見てて思ったこと。照、いつまで食べてんだ。
あと泉は休憩時間来ても竜華に「怜が目覚めた」とか言うなよ。
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 16:46:25
まあ衣も強制1向聴地獄だけが取り柄ってわけじゃなかったし
配牌時6向聴はあくまで能力の一端って感じだろうね
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 16:54:49
亦野さんのおかげで決勝の副将戦が楽しみになったわ
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 16:56:25
穏乃は食らえば食らうほど強くなるタイプと見た
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 17:00:57
あらたんちんまいな
142cmって小学4~5年生並みだぞ
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 17:13:11
なんかチートすぎて新道寺にイライラしてきた…シズ頑張れ
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Unknown (Unknown)
2012-12-12 17:46:00
リザベ失敗しても和了出来るとか
リザベローリスクハイリターン過ぎるだろ

これはもう私生活で哩部長と姫子が
相当なレベルのSMをやっていることが
対価になってるとしか思えないぜ
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