カヤ日記

活動する研究者、かやちゅ。@カヤニストの行動記録
カヤネズミの研究&保護活動や野生生物の保全に関する話題をつれづれに

新刊『やぶこぎ』でました

2023-04-15 | 論文・執筆記事・本

このたび、くもん出版から絵本『やぶこぎ』が発売されました。
絵本作家のモリナガヨウさんとの共著です。
くもん出版の本の紹介ページはこちら

私のフィールドである木津川河川敷の風景が、そのまま絵本になりました。
表紙の女の子のモデルは私です(笑)
河川敷でみられるいろいろな生きものが登場します。
また、河川敷の外来種問題や、樹林化などについても触れました。
あるようでなかった、初めての河川敷の科学絵本です。
ぜひご覧下さい。


本の紹介『今日からみんなで環境調査隊!未来のために身近でなにができる?』

2022-10-30 | 論文・執筆記事・本

お久しぶりです。
昨年から準備を進めてきた、小学生向けの環境教育の本ができました。

『今日からみんなで環境調査隊!未来のために身近でなにができる?』第1巻「学校で調べる」
畠 佐代子(監修)くもん出版 11月2日刊行予定

大学で環境教育学を教えるようになり、学生から「これまで環境教育を受けたことがない」
「環境問題が大変なのはわかるが、何をしたらいいかわからない」との声を多く聞きました。
また、
「(授業を受けて)自分にも環境のためにできることがあるとわかったのでぜひやってみたい
(or さっそく生活に取り入れた)」という声も多く聞いてきました。

環境問題を改善するためには、知識として環境問題を知っているだけでは不十分で、
環境問題を「自分ごと」として、自分にできることを考えて取り組むことが大切です。
実際には、学校で環境教育を受けているはずなのですが、こうした訓練ができていないために、
身についていないということなのだろうと思います。
学校の先生からも「授業の中で環境教育をどうやればいいのかわからない」という話を聞きます。

そうした声を受け、本シリーズでは、身近なテーマを題材に、子どもたちが実際にやってみて、
環境や自然について考える機会を提供することを目的としています。
全3巻構成となっています。第1巻「学校で調べる」では、学校で取り組みやすい観察や実験、
計算問題などを紹介しています。

第2巻「家で調べる」第3巻「地域で調べる」も順次刊行予定です。
ぜひ学校や地域の図書館などにリクエストしていただけるとうれしいです。


「くもんのすいせん図書」に『すぐそこに、カヤネズミ』が選定されました

2019-04-13 | 論文・執筆記事・本

「くもんのすいせん図書」に、今年度から新たに『すぐそこに、カヤネズミ 身近にくらす野生動物を守る方法』が選定されました。

くもんのすいせん図書」とは、古今東西のすぐれた本の中から、子どもたちに人気が高い650冊を選定されたものです。
子どもの成長にあわせて段階的にリストされています。
くもん出版だけでなく、さまざまな出版社の本が収録されています。
2019年度くもんのすいせん図書一覧表
『すぐそこに、カヤネズミ』はD-47にあります。
おなじDグループには『ごんぎつね』『それいけズッコケ三人組』『セロ弾きのゴーシュ』『ドリトル先生アフリカ行き』など、名作がずらり。
これらの本とともに『すぐそこに、カヤネズミ』が入るのはとても光栄です。
多くの子どもたちに、本を通じてカヤネズミやカヤ原に関心をもってもらえたらうれしいです。


カヤネズミの新北限産地

2018-10-30 | 論文・執筆記事・本

カヤネズミの北限の新産地についての論文を出しました。

畠佐代子・新野聡・富樫悦夫・上野山雅子・澤邊久美子. 2018. カヤネズミの新北限産地. 伊豆沼・内沼研究報告12: 53-62.

これまで確認されているカヤネズミの生息地は、すべて名取川を挟んで南に位置します。
しかし今回発見した新産地は、いずれも名取川より北で確認しました。
新産地のうち1カ所は、日本のカヤネズミの分布の北限として知られる仙台市太白区坪沼よりも北に位置しており、新たな北限となります。

本論文では、今回発見した新産地3カ所と、既知の産地における調査結果をまとめました。
また、東日本大震災の津波による浸水の影響についても、若干の考察を加えました。
論文の全文は、jstageよりご覧いただけます。

北限のカヤネズミについては、今後も関心をもって追っていきたいです。
よかったら、過去記事もどうぞ(→北限のカヤネズミ


特集:カヤネズミが生息する河川草地の復元と草地生態系保全の人材育成

2017-05-17 | 論文・執筆記事・本

公益社団法人大阪自然環境保全協会の会報誌「都市と自然」に記事を書きました。

特集:カヤネズミが生息する河川草地の復元と草地生態系保全の人材育成-2年間の取り組みを終えて-. 都市と自然42(2): 4-7

良好な草地環境の指標種であり、近年絶滅が危惧されるカヤネズミの生息地の保全と、草地生態系保全に関わる人材の育成を目的として、2015年4月から2年間、カヤネズミが生息する桂川のオギ原再生地に試験区を設けて、外来種やツル植物の抜き取りを行い、植生の変化とカヤネズミの営巣状況をモニタリングを行ってきました。
記事では、2016年度の取り組みの概要と、2年間のまとめを報告しました。

なお、「都市と自然」は1部250円(送料60円)で購入できます。
5月号の目次はこちらからご覧いただけます。
興味をもたれた方はこちらからどうぞ。