茅葺民家 岩手県九戸郡洋野町 その２

熊やら猪を家に寄せ付けないため？庭に一定間隔で離れて鎖につながれた大きな犬が三頭、ワンワンと吠え出し谷間にこだまする。

「昔は曲屋でして馬を飼っていました。セリの日には、蹄が割れないように馬にわらで編んだ「つと」をはかせて、お握りを持って久慈まで歩いて行ったのです。数年前までは、そこに水車もあったんだけど」と前の小川をながめられる。川の横には桑の木が数本残っている。「桑の実を食べて口中真っ黒になりました」と、豆を干しておられた奥さんと話がはずむ。棟には桔梗の花が咲くそうだ。