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今度の東北大震災がきっかけでBlogを始めました.

コロナについて一言

2020年07月09日 08時54分13秒 | 報道/ニュース
今のところ、なんとかパンデミックは避けられているようだが不安定な感染状況が続いている。筆者の住んでいる三重県でも、新規感染者はゼロの日が続いているものの、東京近辺からの来訪者が怖くてマスクは外せない。誰もがなんとかならないのかと考えている状況である。

実は、何とかなったはずなのである。チャンスは二度あった。3月20前後と、5月中旬である。この日は緊急事態宣言解除の日と重なっている。新規感染者数が急激に減ってきたので、政府も「安全圏に入った」と判断したのかもしれない。地方から見ていると、専門家、マスコミを含めどうも一つの思考に固定されている様に思えてならない。「新規感染者数」の上下に一喜一憂し、「医療崩壊」を憂える。これらが重要な指標である事は同意せざるを得ない。しかし、一つの視点が欠落している様な気がする。

「新規感染者数」が増えれば、パンデミックに繋がる。しかし、逆もまた真なのである。新規感染者(コーホート)は何週間か後に必ず急速に消滅するのである。治癒又は死亡という形を通してである。怖れるべきものは現存する正味の「スプレッダー」の数である。これは「回復」という視点を通してのみ見積れる数値である。「回復者」と「新規感染者」の二つの視点でデータを見るという点が欠けているようである。「現存する全スプレッダー数」という観点で考えると、5月中旬のヒストグラムはまさにコロナ撲滅の千載一遇のチャンスであったことを示している。しかし、理解しがたい「早過ぎた宣言解除」がこのチャンスを見事に潰してしまった。当時、正味の「スプレッダー」数はものすごい勢いで減少しつつあったのである。宣言解除をあと二週間、六月一日まで延ばしていたらコロナは日本国内において、完全に或はほとんど、根絶されていたと思う。そうすれば、コロナ対策はずっと容易になり、経済活動にも拍車がついていたはずである。専門家委員会はこのことを政府に進言したのであろうか?

もう一つ付け加えておきたい事がある。パンデミックによって「集団免疫」の可能性が叫ばれた時期があった。計算してみると直にわかるが、パンデミックによって感染するのは人口のごく僅かな部分のみである。人口の大部分が既に感染しているのではないかと推測するのは、直感的にはもっともであるが、現実にはごく僅かな一部の感染に停まるのである。「集団免疫」によって感染を防ぐという考え方は、我々の幻想に過ぎない。その理由は、社会の防御対策のおかげで、「新規感染者」に遅れて「回復者」が急速に後を追いかけるからである。

国民が結束し「social distance」に徹すれば、コロナは必ず撲滅出来る、しかし悔やまれる一つの事実は、我々はそのチャンスを二度逃した、という冷たい事実である。


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