算数がわからない、といえば『「%」わからない大学生』(光文社新書:芳沢光雄 著)にもあげられている「く・も・わ」や「は・じ・き」の図の弊害があります。これらは、「割合」や「速さ」の問題の答えを導くために用いられるものです。
小学校の算数の教科書には載っていません。中学校の数学の教科書に「参考」として載っていました。(令和3年時点)
算数をわかりやすく学ぶためのホームページでも用いられています。
しかし、私も芳沢先生の考え方に賛同します。受験算数などのためには有用かもしれませんが、「割合」や「速さ」の理解に結びつかないと考えます。
「く・も・わ」では、どれが「比べられる量」か「もとにする量」なのか分かる子にとっては、便利でしょう(教える側も)。しかし、そもそも、「比べられる量」という言葉に躓いてしまう方が自然かもしれません。しかも教科書によっては、「比べる量」となっています。
「比べるって、何と比べるのか」「AとBを比べるときに、AはBと比べられるし、BだってAと比べられる」・・・。と考えてしまう私のような子もいるような気がします。
問題が、いつも「Aをもとにすると、比べられるBは、何%か」と、指摘してあれば、式に当てはめられますが、そんなうまくは行きません。
ある教科書では、「割合」の単元の指導の前に、低学年で学習したはずの「倍」の復習にページを割いています。「倍」の考え方の延長に「割合」があるのだという編集者の丁寧な意図が感じられます。
算数は、具体的なイメージ(ものの数や量)を抽象化した数(数字)として扱うと考えられますが、具体的なイメージそのものが抜けてしまうと、単なる公式主義となってしまいかねません。
さて、10丸シート、次の段階です。
形は前回と変わりません。ただ、黒丸が5つ固定されています。それは、「5+○」の有効性を知らず知らずのうちに身につけてもらうための意図が入っています。
また、問題数を20問にしました。
【10丸シートⅡの例】(※PCでの閲覧推奨)
- の数を( )の中に書きましょう
1 ●●●●● ●○○○○ ( )
2 ●●●●● ●●●○○ ( )
3 ●●●●● ○○●○○ ( )
4 ●●●●● ○●○●○ ( )
5 ●●●●● ○○○●○ ( )
6 ●●●●● ○○○○● ( )
7 ●●●●● ●○●○○ ( )
8 ●●●●● ○●○●● ( )
9 ●●●●● ○○●○● ( )
10 ●●●●● ●○●●○ ( )
11 ●●●●● ○●●○○ ( )
12 ●●●●● ○○○●● ( )
・
・
・
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20
これも、1枚1枚、時間を計って取り組ませます。そして、同じようにすぐに採点し、合っていれば100点をつけてあげます。同じ問題を3回程度繰り返し、頑張ったことを認めてあげます。
間違えたところは、チェックしておきます。単なるミスだったのか、その子の癖や認識の仕方の偏りなのか見極めることが必要です。