暖かさが戻った昨日、近くの池へタナゴ釣りにでかけました。
17時40分ころから日没までという短時間でしたが、きれいなバラタナゴが一匹。針にかかってくれました。
18時をすぎると、もう、針も餌も老眼からは見えなくなり終了。でも、一匹だけでも遊んでくれたから満足。
リリースして、帰路へ。
暖かさが戻った昨日、近くの池へタナゴ釣りにでかけました。
17時40分ころから日没までという短時間でしたが、きれいなバラタナゴが一匹。針にかかってくれました。
18時をすぎると、もう、針も餌も老眼からは見えなくなり終了。でも、一匹だけでも遊んでくれたから満足。
リリースして、帰路へ。
東京五輪の男子4×100mリレー決勝は、日本のお家芸とも言えるバトンパスがつながらないという結果に終わりました。
この「4×100m」は、ニュースのアナウンサーも「よんかけるひゃくめーとる」と言っています。でも、「4かける100」って、「4が100(個分)」であると、日本語では読み取れるのではないでしょうか。
なぜなら、算数で掛け算九九をならうときに、日本語で教わっているからです。そのときに
掛け算の前の数は「かけられる数(被乗数)」、後ろの数は「かける数(乗数)」と習うからです。
では、英語ではどうでしょう。以前、イギリスの小学校の低学年の教室を訪れたときに、日本の九九にあたる「times table」を練習している場面に遭遇しました。英語では、乗数は前で、被乗数は後ろなのです。
なるほど、その教室で子どもたちは、「2times table」を
one times two is two (1×2)
two times two is four(2×2)
three times two is six(3×2)
・・・と、唱えていました。
「2×3」は、
日本語では「2の3つ分」。
英語的には「3の2つ分」を表すことになります。
つまり、「4×100mリレー」は「four times one hundred relay」。英語的表記なのだと考えられます。
よく、「2年生の掛け算の文章問題で、乗数と被乗数を逆にした式を書いたら間違いとされた」という話題がネットに乗ります。
「掛け算は交換法則が成り立つのだから、どっちでもいい」という意見も一理あるとは思います。ただ、日本の小学校にて日本語で掛け算を習っていることが前提ですが、その後、掛け算での「いくつ分」という考えが、割り算に引き継がれていき、「包含除」や「等分除」を理解していきます。そのときに、算数を日本語で論理的に活用して理解するためには、日本式の掛け算の式の順序は小学校段階ではとても大切だと思います。
中学校に進学して、数学を学習するようになると、乗数×被乗数の順になるのはご存知のとおりです。以前は英語を学ぶのも中学校からでした。ですから、数学は英語式に学ぶと考えるのも一考かもしれません。
「くもわ」や「はじき」が公式第一主義で、答えに至るまでの考え方を軽視しているという主張には納得ができます。「割合」や「速さ」の意味が分からなくても、答えに導いてしまいかねません。
「1時間で30km進む自動車は時速何kmか」という単純な問いかけに対して、「え~っと、『は・じ・き』で時速をきいているのだから、速さは、距離÷時間でぇ・・」となりかねません。1時間に進む距離が時速であることがわかっていないということです。
実際に、この質問を6年生の児童にしてみたところ、即座に答えられたのは数人でした。
「もとにする量」はともかくとして、「比べられる量」という言葉が出てくる学習に、「単位量あたりの大きさ」があります。この「単位量あたり」という言葉にも、躓く児童が出てきます。「単位?」「当たり?」・・・。
「単位って何メートルとかの長さかな?」「何グラム?」と、自席でひっそり考えているうちに、「20cmを1と考えると・・・。」なんて文章にぶつかる。「な、何だ、何だ?どうして20cmが1になるんだ?」
分かる子には、どうってことのないことですが、理解のゆっくりな子にとっては、迷路に入る入り口はたくさんありそうです。
「○○を1と考える」を「1つ分が○○だとすると」とか「1箱分が○○だと」などのように言い換えてあげるのはどうでしょう。いきなり「1の割合」という抽象的な思考の暗闇に迷い込ませるより、ある程度具体的にイメージできそうな「まとまり」として考えさせるのです。
そうすると、「1つ分が20cmなら、5cmはいくつ分かな」と、1つ分に満たないことがわかります。
「40cmなら、2つ分なのに・・・。」と、その子が考えられたらしめたもの。そうでなければ、指導する側が「40cmなら、いくつ分になるかな?」と、考えさせる。
「40cmが20cmのいくつ分か」というのは、3年生までで学習した「何倍」の考えそのものです。割り算で求めることができます。
算数や数学には「形式不易の原理」というものがあります。「いくつ分」あるいは「何倍か」を求めるときに使った式ややり方は、変わらないというものです。うんと簡単に(乱暴に)言い換えれば「ルールは変わらない」とも言えるでしょう。
ここでは、3年生で学習している「もとにする量のいくつ分」としての倍を求める割り算が、そのまま活用できるということです。さらに、割り算の式そのものだけでなく、「割合」は「何倍か」と同じ考え方であるともいえます。
2倍は2の割合で200%、1.5倍は1.5の割合で150%。80%は0.8の割合で0.8倍。となるのです。
同じような指導法がウェブページにありました。こっちのほうがわかりやすいかもしれません。みなさん、苦労しているんですね。
算数がわからない、といえば『「%」わからない大学生』(光文社新書:芳沢光雄 著)にもあげられている「く・も・わ」や「は・じ・き」の図の弊害があります。これらは、「割合」や「速さ」の問題の答えを導くために用いられるものです。
小学校の算数の教科書には載っていません。中学校の数学の教科書に「参考」として載っていました。(令和3年時点)
算数をわかりやすく学ぶためのホームページでも用いられています。
しかし、私も芳沢先生の考え方に賛同します。受験算数などのためには有用かもしれませんが、「割合」や「速さ」の理解に結びつかないと考えます。
「く・も・わ」では、どれが「比べられる量」か「もとにする量」なのか分かる子にとっては、便利でしょう(教える側も)。しかし、そもそも、「比べられる量」という言葉に躓いてしまう方が自然かもしれません。しかも教科書によっては、「比べる量」となっています。
「比べるって、何と比べるのか」「AとBを比べるときに、AはBと比べられるし、BだってAと比べられる」・・・。と考えてしまう私のような子もいるような気がします。
問題が、いつも「Aをもとにすると、比べられるBは、何%か」と、指摘してあれば、式に当てはめられますが、そんなうまくは行きません。
ある教科書では、「割合」の単元の指導の前に、低学年で学習したはずの「倍」の復習にページを割いています。「倍」の考え方の延長に「割合」があるのだという編集者の丁寧な意図が感じられます。
算数は、具体的なイメージ(ものの数や量)を抽象化した数(数字)として扱うと考えられますが、具体的なイメージそのものが抜けてしまうと、単なる公式主義となってしまいかねません。
さて、10丸シート、次の段階です。
形は前回と変わりません。ただ、黒丸が5つ固定されています。それは、「5+○」の有効性を知らず知らずのうちに身につけてもらうための意図が入っています。
また、問題数を20問にしました。
【10丸シートⅡの例】(※PCでの閲覧推奨)
1 ●●●●● ●○○○○ ( )
2 ●●●●● ●●●○○ ( )
3 ●●●●● ○○●○○ ( )
4 ●●●●● ○●○●○ ( )
5 ●●●●● ○○○●○ ( )
6 ●●●●● ○○○○● ( )
7 ●●●●● ●○●○○ ( )
8 ●●●●● ○●○●● ( )
9 ●●●●● ○○●○● ( )
10 ●●●●● ●○●●○ ( )
11 ●●●●● ○●●○○ ( )
12 ●●●●● ○○○●● ( )
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20
これも、1枚1枚、時間を計って取り組ませます。そして、同じようにすぐに採点し、合っていれば100点をつけてあげます。同じ問題を3回程度繰り返し、頑張ったことを認めてあげます。
間違えたところは、チェックしておきます。単なるミスだったのか、その子の癖や認識の仕方の偏りなのか見極めることが必要です。
算数がわからない子は、自分自身、何がどう分からないのか、きっと分かっていません。教える側も、分からないのは、どうしてなのだろう。自分の説明が悪いのかと、迷路に入り込んでしまいがちです。
何番目とか順番としての数を認識している子に、いくつ分として数の認識で算数(ここでは、計算)を教えようとしても、理解させることは難しいでしょう。
そこで、順番としての数(序数)の考え方を「いくつ分」としての数(基数)に変換させる練習として「10丸シート」なるものを考え出しました。
過去、担任した小学3年生、4年生、5年生の何人かに試して効果を得たと確信しています。ですから、ブログで公開しようと思ったのです。
基本的な考え方は、数概念の変換を図るものなので、取り組む子にとってハードルが高いものでは敬遠されてしまいます。ですから、できるだけ短時間で、ゲームのように取り組むことができるものとして考えました。
「ちょっと、簡単なゲームに取り組んでくれないかな?」などと声掛けして取り組ませます。
具体的には下記のようなものです。
【10丸シートの例】(※PCでの閲覧推奨)
1 ●●●○○ ○○○○○ ( )
2 ○●○●○ ○○●○○ ( )
3 ●○●●○ ○○○○○ ( )
4 ○●○●● ○●○○○ ( )
5 ●●○○○ ●●○●○ ( )
6 ○○●○○ ○●○●○ ( )
7 ●○●○● ○○○●○ ( )
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10
(最初は10問)
上記の例を見ていただけるとわかるように、10個の丸が並んでいます。そのうち黒丸の数をかっこの中に記入させるのです。やり方を説明したら、ストップウォッチを持って「よーい、スタート」で始めさせます。初めてのときは、やり方を間違えていないか本人も不安でしょうから、2~3問まで教えるなどして補助してあげてもいいでしょう。
1シート(10問)やらせてみて、かかった時間を記入し、一つ一つ、合っているか赤ペンで丸をつけてあげます。きっと、全部正解ですから、大きく100点を書いてあげるのです。「頑張ったね!」「丁寧だね。」など、その子に合わせた声もかけてあげるのが大切でしょう。
思ったより時間がかかっていると感じても、そのことには触れません。
さらに、「じゃあ、もう一回やってみようか?」と、同じシートをもう一回やるように促します。
一回目より、時間が短縮できていれば、「お、速くなったねぇ。やり方が分かった?」など、本人の表情を確認しながら声をかけます。私の経験では、大概ニコッとしてくれました。簡単ですぐに終わりますから。
たった、これだけのシートですが、順番としての数(序数)から、いくつ分としての数(基数)の転換が始まりかけるのだと、私は考えています。ただ、「始まり」ですから、だんだん、シートの丸の並びを工夫してレベルアップさせていくのです。