同期の桜

貴様と俺とは同期の桜。
同じ職場の庭に咲く。
咲いた花なら散るのは覚悟。
みごと散りましょ・・・

昭和54年3月28日、会社の同じ職場に5人の男が新入社員として配属となった。
未成年だったが煙草を燻らせ、味も分からぬくせに大酒を呑んだ。
職場で徹マンをやったり、夜中にバイクや車を乗り回したり無茶もした。
1人は会社を辞め、別の道に進んだが、残った4名はグループ会社にそれぞれ勤務している。

今朝、出勤前に携帯電話を見ると、そのうちの1名からの着信履歴が残っていた。
呑みに行く時にしか電話をよこさぬ奴が朝7時に電話をかけてくるなど珍しい。
どうかしたか？とメールを送ると、直ぐに電話が鳴った。

電話の声はそいつの奥さんであった。
今朝、主人が亡くなったと小さな声で言った。

・・・散るにはあまりにも早過ぎる。