老眼もあってだろうか、文字がかすんで見えることがある。
遠近両用メガネをかけているが、電車で文庫本、特に古本屋で買った昔の文庫本は文字が小さいので、目から離しても、近づけても非常に見えづらく、文字がかすんでしまうことが多々ある。
今日も目をシバシバさせ、紙が赤茶けた鬼平犯科帳文庫版を読みながら、電車で家路へと向かった。
帰宅直後、末っ子の娘3号から女房殿に電話があった。今、武蔵小杉なので、寝ないで待っていて欲しい、と。
何かあったのかな?と女房殿。
初月給が出たから、何かプレゼントでも用意してくれたのだろう、と爺。
案の定、帰宅した娘3号から、ポチ袋を手渡された。
「給料貰ったからさ~、ほんの気持ちだけ。あと、手紙も入っているから、あたしが寝てから読んで。今、読まれると照れくさいからね~」
娘3号が自分の部屋に行った後、ポチ袋を開けると確かにお札と手紙が入っていた。
お札はどうでも良いが、手紙を読んでみると・・・
お父さんへ
社会人になり、初任給をいただいたので、少しですが気持ちとして受けとってください。
就職活動をしていなくて本当に心配と迷惑をお掛けしたと思います。
あまりにも就職活動をしていなくて、いつかお父さんの雷が落ちるんじゃないかとビクビクしていました。
でも、お父さんは私の性格を知っているからか就職に対して厳しいことを言わなかったから、自分のペースでやることができました。
正直、ギリギリまで就職なんかしなくてもいいと思ってました。
でも、申し訳ない気持ちがいつもどこかにあって、いい会社に巡りあえて、なんとか就職することができました。
大学で学んだことを少しでも活かせる仕事につけて良かったです。
正直、いまは分からないことだらけで不安だけど、とりあえず頑張ってみます。
仕事をしているといいことだけでなく嫌なことや大変なこともあると思います。
お父さんは家で仕事の話をあまりしなくて、私はそれがすごくカッコイイと思っています。
これから、仕事の相談をするかもしれませんが、そのときは南加瀬で!!(←爺の行きつけの居酒屋)
家でもたまにお酌します。
お世話になった分、これからは少しずつ恩返ししていきます。
今までありがとう。これからもよろしくお願いします。
萌より
どうやら老眼が進んだのか、今日はいつもより文字がかすんで見える。
なぜなら、未だ酌はしてもらってませんから。