ケイの闘病や介護録

病気の記録や家族の介護の記録など

入所中の減薬 18

2022年03月16日 | 兄の介護

兄は介護老人保健施設の認知症専門棟に入所する事ができました。

介護老人保健施設には常駐の医師がおり

その医師が主治医になり、今までかかっていた病院からは離れます。

診察料も薬の料金も施設の利用料に含まれます。

(余談ですが、値段の高い薬が必要な人は施設側の負担が増えて儲けがへる為

 敬遠されやすいと言う話を聞いたことがあります)

 

入所して間もなく、兄の尿の出がまた悪くなりバルーンカテーテルを入れましたが

他の入所者さんが誤って引っ張らないようにと短い管にして

オムツの中で吸い取るようにしていました。

一人で歩行するには転倒の危険もあり車椅子での生活になっていましたが

落ち着いて過ごしている様子でした。

 

暫くすると、主治医から薬を減らしてみたいと話がありました。

「こんなに沢山の薬を飲んでいると、重い鎧を付けて体をがんじがらめにしているのと同じで

 気の毒だから、薬を減らして体の動きを楽にしてあげたい」と、おっしゃる。

家族としては、薬を減らすと兄の感情の起伏が激しくなり時には暴力的になるし

職員さんに迷惑をかけることになると説明しましたが

主治医は「職員は大丈夫です。慣れっこですし。それが仕事ですから」と。

結局は主治医にお任せすることにしました。

3週間後、主治医から「いや~さすがに専門の先生が調整しただけのことはありますね。

 挑戦してみましたが、薬を戻させてもらいました」と言われましたが

兄のことを思って試して下さったわけですから

「お手数をおかけしました。ありがとうございました。」と伝えました。

 

面会は週に2回、一度は私が一人で行き、もう一度は夫と二人で行きました。

洗濯物は家族対応を希望し面会の時に自宅で洗った物と交換です。

(施設での洗濯は別料金になります)

兄も安定した生活が入所から1年半続きました。


障がい者ゆえの介護難民 17

2022年03月15日 | 兄の介護

兄の入所申し込みをした施設は

認知症専門棟のある介護老人保健施設2か所と

普通の介護老人保健施設2か所の合計4施設でした。

申し込みに行った時、既往歴や現在の介護状態や身体機能レベル、

認知機能レベルなどを用紙に記入し提出。

相談員さんがさらに聞き取りならが追記されていました。

全ての施設で同じ対応でした。

この時、私が入所の可能性を感じられたのは

認知証専門棟のある老人保健施設と普通の老人保健施設、それぞれ1施設づつ。

認知証専門棟のある施設は「受け入れできるか検討してみます」

もう一つの施設は「早くて1ヶ月、2か月もあれば入所可能です」との事。

後の2施設は「空きが出るのがいつか分からないので、またこちらから連絡します」

そう言われましたが、お断りって事です。

念の為に私が「認定結果が出たら介護度をお知らせした方が良いですよね」

と、尋ねると「いえ、いいです」と言われましたから。(^^;

 

申し込み後に要介護4の認定結果が出たので

入所の可能性を感じた2施設に介護度を伝えました。

しばらくして認知症専門棟のある施設の相談員さんから

「うちでは対応が難しいと思うのです」と、やんわりお断りの電話。

慌てて、1~2か月で入所可能と言っていた施設に電話すると

「いつ空きが出るかわかりません」と手のひら返し・・やられたって感じです。

これが噂の介護難民!!

明かに精神障がい者ゆえの介護難民でした。

 

障がい者の施設から追い出され、介護保険施設からはじかれて

先が見えない状態に不安で一杯でした。

他の施設を当たっても答えは同じでしょうから。

ここは何とか頑張ってお願いしてみるしかないと藁をもすがる気持ちで

一度は真摯に検討して下さった認知症専門棟のある施設に再度相談。

障がい者施設でも介護保険施設でも受け入れてもらえない状況も説明しました。

相談員さんはしっかり話を聞いてくれて「医師に相談してみます」と言ってくれました。

(書き忘れましたが介護老人保健施設には専属の医師がいます)

それから二日後に直接先生(医師)から電話があり

「以前、精神障がいの人を受け入れた事があるのですが、対応が難しくて

ダメだったんですよ、専門の所でみてもらった方が良いですよ」とおっしゃるので

兄が高齢になっている事と身体機能レベルが低下している事で障がい者の施設も出されて

受け入れてもらえないことや他の介護施設からも断られたことを説明し

「兄が何処にも受け入れてもらえなくて困っているんです」と訴えました。

先生は「しばらく職員と相談させて下さい」と、話が終わりました。

そして次の日、相談員さんから入所可能の連絡を頂きました。

ありがたくて、ありがたくて、感謝してもしきれない程の気持ちでした。

 

私が兄の介護記録をブログに書こうと思ったのは

今年の2月21日の読売新聞の記事に

”グループホーム障害者高齢化” の記事を目にした事がきっかけです。

”「体力の低下」「通院が増えた」「介護の必要が増した」などの問題点から

住環境を改善したり職員がケアの専門性を身に着ける事が重要。” 

と記載されていましたが、私からすると何故?と疑問でした。

それって介護保険での対応でしょ?それを障がい福祉で行うの?

入所先を替わるのは本人も家族も負担だけれど

若い人から高齢者までを看るのは大変過ぎると思う・・

オールマイティーな職員さんを求めるには無理があると思う・・

(これは、私の個人的な意見で色々な考えがあることは承知しています)

 

また、この新聞記事の最後にこう書かれていました。

”障害者のグループホームで介護サービスを使えることを十分に理解してない所もある。

介護事業所側も受け入れを門前払いする傾向が強いと言う”

 

私は「障がい者が介護保険を利用できると知らない?」

「グループホームの職員さんが?」・・・と、知識不足に驚きました。

まだまだこんな状況なんだ・・・と、がっかりすると同時に

私達の体験が何方かのお役に立てばとの思いからブログを書き始めた次第です。

私達が陥った介護難民が一人でも少なくなるようにと願いながら・・・

 

兄の介護記録はあと少し続きます。


障がい福祉から介護保険へ 16

2022年03月14日 | 兄の介護

兄が障がい福祉施設に入所できなくなり

担当の相談支援専門員さんに相談しました。

近くに施設はないし仮に遠くで施設が見つかったとしても

65才になると介護保険への切り替えで4年後にはまた

施設探しをしなければならないと言う問題があります。

それに、遠くの障がい福祉施設に入所すると

兄が体調不良で入院になった場合

その施設の近くの病院に入院する事になる可能性が高く

家族が対応するにも負担が大きくなります。

この頃、私はうつ病でまだ辛い時期だったので

遠くの施設や病院・・・と想像するだけで不安が募りました。

 

兄の精神科の主治医は判断力の低下について

「精神疾患と言うよりに認知証と言うべきかも知れませんね」

と、言っていました。

介護保険は特定疾病であれば40才~64才でも認定を受ける事が出来ます。

主治医の話からすると兄は特定疾病の中の

”初老期における認知症” に該当し申請可能はずです。

そこで主治医に相談し承諾が得られれば

これを機に介護保険の申請を行い

介護保険施設の入所を検討した方が良いと言う結論になりました。

 

病院のケースワーカーさんに状況報告と介護保険認定申請について

相談した所「その方がいいですね」と同意して下さり

主治医にはケースワーカーさんから先に説明して頂けることになりました。

後日、私が主治医に合った時にはすぐに認定に必要な意見書を

”初老期における認知症” として書いて下さったので

すぐに市役所で認定申請手続きを行いました。

 

病院で認定調査を受け、結果が出るまでに施設を駆け巡り

状況説明し入所申し込みを行いました。

兄の入所先に選んだのは認知症専門棟のある介護老人保健施設です。

老人保健施設は病院から在宅に向けての中間施設となっている為に

本来の入所期間は3か月です。

実際は特別養護老人ホーム待ちで利用している方が多く

2~3か所の老人保健施設を転々とするケースが殆どですが

認知症専門棟では生活の場所が変わる事で症状が悪化する事を防止する為に

入所から看取りまで行います。

なので第一希望は認知症専門棟の老人保健施設

第二希望は普通の老人保健施設でした。

3か月でローテーションしているので早く空きが出て

入所が期待できますから。

入所しておいて特別養護老人ホーム待ちと言う予定です。

とにかく早く入所先を決める事が先決なので

グループホームと特別養護老人ホームは今回、除外でした。


オイシクナイ兄はいらないらしい 15

2022年03月13日 | 兄の介護

施設が病院のケースワーカーさんからの退院調整の電話を

拒否したので夫と二人で施設に出向きました。

いつもの例の看護師さんが入り口の事務所にいて

目が合いましたが職員さんを呼びつけました。

今まで一度も入った事のない会議室に案内されドアを開けたと同時に

状況は手に取るように分かりました。

兄の荷物がひとまとめにされていましたから

出て行けと言う事でしょう。

 

職員さんは一方的にあれこれと対応出来ない理由を並べ立てていましたが

要は、オイシイ時の兄は欲しいけれど

支援区分認定相応の状態になったオイシクナイ兄は

いらないと言いたいのです。

余りにも見え透いた言い訳で途中からは聞き流してしまいました。

記憶に残っているのは「お兄さんは歩行が不安定なので一階の部屋しか

ダメだけど一階は他の人も使うし・・」と言われた事ですが

兄の部屋は最初から一階でしたけど。(^^;

 

これから手が掛かりそうな兄には

さっさと出て行ってもらいたいと言うことでしょうから

私達はあっさりと「お世話になりました」と挨拶をして

荷物を持って出て行きました。

 

それにしても毎回、出張っていた例の看護師さん

こう言う時には出てこないんだーって呆れました。

兄の行先は決まっていないけれど

施設の対応には今まで腹立たしい事が何度もあったので

縁が切れてせいせいした気持ちにもなりました。

 


尿が出ず入院 14

2022年03月12日 | 兄の介護

ショートステイのロングから入所へ移行と言われ

ショート利用を開始して一ヶ月が経った頃

施設から「昨夜から歩けなくなった」と電話があり

夫と二人で施設に行きました。

玄関先に車椅子に乗った兄と例の看護師さんがおり

「急に歩けなくなったんです。 何だかお腹もフニャフニャしてて・・」

そう言いながらズボンと紙パンツを少し下げて

兄のお腹を押さえて見せる。

波を打つように動き、明らかにおかしい。

で、夫と私で兄を病院に連れて行くと入院となる。

原因は尿が出ていなかったのです。

あと半日遅れていたら危険でした。

 

尿が出なくなった原因は結局分からずじまい。

しばらくバルーンカテーテル(尿を出す管)を入れていましたが

徐々にリハビリも開始され歩行訓練も始まりました。

ベッドからの立ち座りから

脇から抱え込む大きな歩行器での歩行訓練へ

そして、手で押し歩くタイプの小さな歩行器での歩行訓練

退院の目途が立った頃には手すりがあれば歩けるまでに回復しました。

入院から3か月くらいだったと思います。

退院が決まればバルーンカテーテルを完全に外すとの事。

 

入院時、病院のケースワーカーさんが逐一

兄の状況を施設の看護師さんに報告して下さっていました。

退院の目途が立ったのでケースワーカーさんが

施設に退院日の調整の為に電話をすると急に態度が変わり

「そんな話は家族にして下さい。こちらにされても困ります。」

と言われたそうです。

ケースワーカーさんは「普通は施設と病院とで調整するのが当たり前なんです。

今までの状況報告は聞いていたくせに突然のあの態度には驚きました。

こんな施設は初めてです」と憤慨されていました。

 

嫌な予感がしながら、私が施設に行きました。