医者も教師も人

　正に、医者も教師も人！人である以上、完璧など滅多にない、と思う。その時、生徒側、患者側の反応があると相反応してより高次元に至れる、と思う。
　記憶の中に生き続ける母は、かって雪で悪路と化したバスの乗客であった。バスはモトクロスを走っているようで、ジャンプがあったとき脊髄をひどく損傷した。当今の医者だったら、ほとんどレントゲンを撮っているところだが、我慢強い母の言に疑いを持たず、そのときの医者はレントゲンを撮らなかった。働き者だった母は以来体が思うように動かせなくなり、女性としての天寿を大幅に下回る寿命を終えることとなった。もう一人の（義）母は、駆け出しの甥の歯科医に入れ歯を作ってもらった。しかし、よく合わなかった。やさしく我慢強い義母はクレームを言と、堪えていた。しかし、噛み合わせの悪さが原因の一つとなって、口腔がんを発症、がんとの闘いとなるが、全身に転移してゆき、平均寿命を大幅に下回る寿命で終えることとなってしまった（該歯科医は経験を積み、今では評判の歯科医である）。
　教師の場合、人の命にまでは関わらないとは思うが、人の人生に強く関わりかねないと思う。
　なにより、望ましいのは、生徒側、患者側の反応だ。医者も教師も完璧など滅多にないのだから。