ガラスの中のお雛さま

ガラスの中の　小さなお雛さま

箱からケースを取り出し　飾るだけ


動かぬ雛たち　台座の上で　大人しく

それが幼心に つまらなく・・・



ひとつずつ　

並べる楽しみ　求めるあまり

ある日はがしてしまった　お雛さま



幼き頃の　思い出は

今となれば　悔やまれて・・・


*　*　*

≪私とお雛さま≫

真壁のひな祭りに飾られたガラスケースのお雛さま。
それを見て、子供の頃を思い出していました。

小さい頃、私が最初に買ってもらったお雛さまは、
ケースに入ったお雛さまでした。
それぞれのお雛さまは、
これよりももっと小さくて簡単なものでした。

父の転勤が多かったこともあってだと思うのですが、
小さくて簡単に運べるものにしたのでしょう。
あと、家計の問題もあったかもしれませんね。

まだ小学校にも上がっていなかったのですが、
私としては箱からそれぞれのお人形さんを出したり、
並べたりしていく楽しみが全くなかったので面白くありませんでした。

それで、ある日固定されているお雛さまを全部剥がしてしまいました。
そして、ケースからお雛さまを出しておままごとのように遊んでいたのです。

その時に叱られた記憶はないのですが（実際には叱られたのだと思います）、
毎年それを繰り返しているうちに、
一つ無くなり、二つ無くなりと、結局飾れるものではなくなってしまったのですね。
今になって、あの時のお雛さまに申し訳なかったなぁと思います。

その後、小学校3年生くらいの時に、
やっと今我が家にある段飾りのお雛さまを買ってもらえました。

忘れもしません、
両親と父方の祖母に連れられて浅草橋だったのでしょうか、
ひな人形がたくさん並ぶお店で一緒に選んで買ってもらったのです。
特に顔が気に入って買ったのを覚えています。

その時は嬉しくて嬉しくて・・・
小さい頃からの念願の段飾りのお雛さま。

かんざしを付けたり、小物をセットしたり、
やっと夢が実現した喜びは本当に大きかったですね。

懐かしい思い出です。

―　Today's sky　―

2016.2.14 明け方　＠かすみがうら市

「　春の嵐　」

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