哲学日記

カラマゾフの兄弟『大審問官』

 

 カラマゾフの兄弟

【朗読】『カラマゾフの兄弟』34  (第五篇  五) 大審問官


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「大審問官」

 これは「毒まんじゅう」だ。イワンの問題提起はピントがずれてる。というか、わざとずらしてるからだ。
人間の真の問題は生老病死の四苦だが、大審問官はこの根本問題を故意に隠し、二義的以下のパン(食い物)の話をしてる。大審問官の仕事は、パンを出したり引っ込めたりして、人間を動物レベルから出さないようにコントロールすることに過ぎず、しかも、あろうことかこれを、人間の救いだと強弁してる。食べ物がなく腹が減るのは間違いなく全ての動物にとってものすごく苦しいことだが、それでも人間の第一義的問題じゃない。石をパンに変えるとは広くテクノロジー一般を意味するが、テクノロジーがいかに発達しようと、それが直接人間の苦しみ(四苦)をなくすことは不可能だ。それどころか逆にテクノロジーで飢えという動物的苦しみから救われた多くの人間が、それまで眼前にありながら気づく余裕のなかった真の問題(四苦)にようやく本格的に直面するのだ。大審問官は自分で認めてるように、この事態を極度に恐れる悪魔の確信犯的手先だ。残り2つの誘惑も、同様に二義的なものにすぎない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(My Favorite Songs) 

【歌詞日本語訳】The Rolling Stones - Sympathy For The Devil ‘‘悪魔を憐れむ歌‘‘


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