哲学日記

映画『怪物はささやく』

 

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「ネタバレ注意かも」

 孤独な少年コナーは、末期がんの母親と2人で生活している。

コナーは母の死を強く恐れている。

死なないでくれと願っている。

しかし意識しないうちに、母の死によって、この辛い閉塞状況を終わらせたいとも思い始めている。
映画の全編が、母を失うと分かっていても終わることを望むコナーの心の葛藤のメタファーで満たされている。その中心にいるのが、大樹の怪物だ。
最後に、コナーが意識下の抑圧を解いて、母の死に立ち会い、話が終わる。
 
 
 
 
 
 
 

 物語のテーマは「死」だが、作者は肝腎の部分を1μも解決していないとおもう。

 

 

 

 

 

 大樹の怪物が、コナーを賢げに諭す。

人間は複雑な生き物だから
真実を知りながら嘘を信じる。
辛い真実には心を慰める嘘が必要だ。
 
と。
 
 

 

 

 


これは世間知だ。

神がいないなら作る必要がある
と言ったヴォルテールの類だ。

 


賢げな世間は、

実にいい加減で、

たとえば「必要悪」

さえ認めて、

嘘も方便とささやき、


それがおとなの
思慮深い知恵だと
誇りさえする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 皆の衆、明々白々に
間違ってまっせ!

幸福になりたいくせに

やってることは
確実に不幸になることばかり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(My Favorite Songs)  

友川カズキ。
「生きてるって言ってみろ」

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