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名無しの教師の日誌

ある公立中学校教師の教育私論と日記です。

文科省またはスポーツ庁は組み体操についてもっとはっきりとNOを出すべきだ

2019-11-24 16:52:26 | 教育に関する私論
組み体操「人間起こし」全国で事故多発 専門家「非常に危険」

学校の運動会などで披露される組み体操で、ピラミッドなどに代わって行われることが多くなった「人間起こし」と呼ばれる技で、去年までの3年間に全国で145件の事故が起きていることが分かり、専門家は、「重大なけがにつながるおそれがあり、実施は控えるべきだ」と指摘しています。
「人間起こし」は、「トラストフォール」とも呼ばれ、数人で作った土台の上に1人の子どもを乗せ、立ち上がらせたり、後ろに倒れさせたりする技です。
この技について、大阪経済大学の西山豊名誉教授が、学校での事故をまとめている日本スポーツ振興センターのデータを分析したところ、去年までの3年間に全国の学校で145件の事故が起きていることが分かりました。
都道府県別では兵庫県が30件と最も多く、ついで、大阪府が18件、埼玉県が13件、愛知県が12件などとなっています。全体の6割が、上に乗る子どものけがで、脳しんとうや頭部の打撲など、勢い余って頭から地面に落下したとみられるケースが目立つということです。
組み体操をめぐっては、ピラミッドやタワーなどと呼ばれる技で事故が相次いだことから、スポーツ庁が3年前に通知を出し、安全を確保できない場合は行わないよう教育現場に求めています。
「重大なけがに 実施は控えるべき」
西山名誉教授は、ピラミッドやタワーなどの代わりとして、見栄えのよい「人間起こし」を行う学校が増えているとしたうえで、「アクロバティックな技で非常に危険だ。重大なけがにつながるおそれがあるので、実施は控えるべきだ」と話しています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191120/k10012183961000.html?utm_int=all_side_ranking-social_002より)



私が注目したいのはこちら

「組み体操をめぐっては、ピラミッドやタワーなどと呼ばれる技で事故が相次いだことから、スポーツ庁が3年前に通知を出し、安全を確保できない場合は行わないよう教育現場に求めています。」

この通知の出し方がいけないのだと思います。

これ、言い方を変えれば

「安全が確保できたと判断されれば、行なって良い」

ということです。

そして、その安全が確保されているかどうかの現場の判断が甘いから、こんなにも多くの事故が起きてしまっているわけです。



もう1つ私が言いたいのは、「リスクを冒してまで組み体操を実施したとして、得られるものは何か?」です。

何事にもリスクは伴います。

例えば、登下校だって、交通事故に巻き込まれて死亡するリスクがあります。

しかし、そのリスクは大きくなく、学校に通って得られる学びの方が大きいと判断されているので、みんな原則学校に行くわけです。

ところが、組み体操はどうなのでしょう?



これだけ組み体操の危険が指摘されても、いざやめるとなると、必ず反対意見が出ます。

「安全に留意してやれば良いだけである」
「そんなだから最近の子どもは貧弱になるんだ」
「私達が子どもの時は普通にやっていた。今だってできるに決まっている」
「集団で協力することを学ばせるために必要である」


という具合に。

これが多数派の意見になるかは別として、このような意見を申し立ててくる人というのは、たいてい声が大きいです。

ですから、現場の判断で、組み体操をやめることは、難しい。



文科省でもスポーツ庁でもどちらでもかまわないが

「〇〇という場合はやるべきではない」というような通知の出し方ではなく

「やるな」

という通知の出し方をするべきだと思いました。

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