原因不明の病がみるみるよくなる食事!
糖質を制限し、タンパク質を
増やすのがメーンです。
実は糖質は内臓脂肪のもとなので
著しい治療効果を表します。
寿命を縮めるアルブミン不足
オーソモレキュラー療法
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うつ、アレルギー……原因不明の病がみるみるよくなる食事 オーソモレキュラー療法 | PRESIDENT Online - プレジデントより
うつ、アレルギー……原因不明の病がみるみるよくなる食事
2014.06.09(月) PRESIDENT 2014年6月30日号
普通の健康診断ではわからない病気の手前の“未病”段階での体の異常を見つけ出し、栄養バランスを整え直すことで、120歳長寿も夢ではない!? 驚異の 検査と治療法を紹介する。
オーソモレキュラー療法では、体内の栄養バランスを整えて病気や、その症状を治すのが基本。実際には食事療法とサプリメントを併用して治療を行う が、「食事の分野では糖質を制限し、タンパク質を増やすのがメーンです。実は糖質は内臓脂肪のもとなので著しい治療効果を表します。『食事制限=カ ロリー制限』という考え方は誤りです」と、新宿溝口クリニックの溝口徹院長はいい切る。
現代人は、糖質をとりすぎている半面、タンパク質が不足しているというのが、オーソモレキュラーの基本的な考え方だ。現代の日本人が糖質過多に なっているのは、白米やパン、麺類を主食とする食生活とも深くかかわっている。これらの主食は炭水化物(糖質)である。
「食生活の歴史を振り返ると、旧石器時代の食事で糖質の占める割合は45~50%でした。ところが、現代の食事のうち60%近くを糖質が占めていま す。一方、旧石器時代の食事では約30%をタンパク質が占めていたのに対して、現代の食事ではタンパク質が占める割合は約16%で、旧石器時代に比べ てほぼ半減しています。旧石器時代の人の栄養バランスが人間本来の姿と考えられており、現代の日本人の栄養バランスが大きく乱れていることがわかり ます」
糖質は体を動かすエネルギーだが、とりすぎると体内に脂肪として蓄積され、肥満の原因になるうえ、糖尿病につながる。血糖値を調節するためにイン スリンというホルモンが膵臓から分泌されるが、血液中の糖分が増えすぎると、インスリンの効きが悪くなるうえに、インスリンを過剰生産しなければな らなくなり、膵臓の働きが低下する。
■寿命を縮めるアルブミン不足
実際にタンパク質を積極的にとることが、健康長寿をもたらすというエビデンスも出ていることに溝口院長は注目する。
「秋田県の大仙市は、かつて平均寿命がとても短かった。そこで、大仙市役所は18年前、アルブミンという血液中のタンパク質に注目して、成人男性は1日60グラム、成人女性は1日50グラムを目標にタンパク質をとるよう、食事指導を始めました。アルブミンが基準値内であっても低値であると、がんなどさまざまな病気での死亡率が上昇することがわかっていたからです。その結果、肉や卵など動物性タンパクの摂取量が増えても大仙市民の動脈硬化は減少し、平均寿命も全国平均に追いつきました。オーソモレキュラー療法の考案者の一人であるポーリング博士は、栄養状態が理想的であれば、人間は120歳まで生きられると主張しています」
ところが、アレルギーの治療現場ではタンパク質除去が指導されることがある。アトピー患者で肉や魚を食べない人が多いのもこのため。しかし、溝口院長によれば、そこにも誤解があるというのだ。
「アトピーの患者さんの場合、IgE抗体検査をすると、さまざまなタンパク質に対してアレルギー反応を示すことがあります。ただし、タンパク質の摂取によって症状が悪化していない限り、本来必要な栄養をとらないというのは問題です。魚の脂に含まれるEPAには、アレルギーによる炎症をブロックする働きがあります。卵や乳製品のタンパク質が原因となるアレルギーは確かに多い。しかし『肉→魚→卵→大豆』といった具合に、違う種類のタンパク質を交代でとるようにすれば、発症を抑えることも可能なのです」
とはいえ、毎日忙しく、食生活が乱れがちなビジネスパーソンは、どうやって実践していったらいいのだろう。 3
溝口院長が次のようにアドバイスをしてくれた。
野澤正毅=文 加々美義人=撮影
■シーン別「賢い食事」の選び方
「やはり、基本は血糖値を急上昇させるご飯や麺類のドカ食いは避けて、1日の3食ではタンパク質をメーンに規則正しくとることです。自分で調理できればベストなのですが、そういかないことも多いはず。コンビニやデパ地下で食材を買うなら、ご飯の入っている弁当ではなく、おかずを単品で選びましょう。ファミリーレストランなどでは、パンやライスは頼まず、肉料理とサラダ、スープなどの単品の組み合わせにしておきます。定食屋のメニューにはご飯や麺類がつきもので、注文の際に『ご飯は要りません』といいましょう。揚げ物や味の濃いタレのものは避けてください」
この溝口院長のアドバイスをまとめたものが図である。頭のなかにインプットしておけば、理想的な栄養状態にもっていけるようになる。ぜひ実践してみたらどうだろう。
新宿溝口クリニック院長 溝口 徹
1964年、神奈川県生まれ。福島県立医科大学卒業。横浜市立大学病院、国立循環器病研究センターを経て、96年に辻堂クリニックを開設。2003年、日本初の栄養療法専門の新宿溝口クリニックを開設。
PRESIDENT Online - プレジデントより
http://president.jp/articles/-/12742
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