農産物【国産が一番安全だ」と妄信する日本人の大誤解!日本は世界トップレベルの【農薬大国】アメリカの4倍以上、ヨーロッパの3~20倍以上を使っている!海外では驚くべき進歩を遂げている!世界最先端のテクノロジーが農業と融合、農業は国境を越えたグローバルビジネスに!PRESIDENT Online
「国産が一番安全だ」と妄信する日本人の大誤解 日本は世界トップレベルの農薬大国 | PRESIDENT Online(プレジデントオンライン)(記事は下記に)
日本の農作物が危険!世界中が禁止する【除草剤ラウンドアップ】安倍政権で残留基準は中国の基準の150倍に【発がん・白血病】日本市場で溢れかえる!国民の健康や生命を危険にさらし殺人的な状況になっている!政府が安全とお墨付き、別名で店頭に並ぶ!殺人的な状況になっている!モンサントという一私企業に国益を売り飛ばす! - みんなが知るべき情報/今日の物語
「国産が一番安全だ」と妄信する日本人の大誤解(PRESIDENT Online) - BLOGOS(ブロゴス)
「国産が一番安全だ」と妄信する日本人の大誤解
PRESIDENT Online
2020年01月21日 09:15
世界で一番安全な作物をつくっている国はどこか。少なくともそれは日本ではない。拓殖大学国際学部教授の竹下正哲氏は「日本の農薬使用量は中国並みで、世界有数の農薬大国。日本の農業は長期間の『鎖国』で、すっかり農業後進国になってしまった」という――。
※本稿は、竹下正哲『日本を救う未来の農業』(ちくま新書)の一部を再編集したものです。
日本人は日本の農業を誤解している?!
「日本の農業問題」というキーワードを聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべるであろうか? 農家の高齢化、担い手不足、農家の減少、耕作放棄地、低い自給率、衰退産業……。そういったキーワードが思い浮かぶのではないだろうか。ニュースなどを見ていると、必ずこういった論調で、危機が叫ばれている。
しかし、実は高齢化や農家の減少、耕作放棄地、自給率などの問題は、どれもまったく問題ではない。少なくとも、どれも解決可能であり、表面的なことにすぎない。むしろ問題の本質はまったく別のところにある。というのも、その問題の本質に取り組むことができたなら、高齢化や農家の減少、耕作放棄地などの問題はひとりでに解決に向かうからだ。
では、その問題の本質とは何か、を一緒に考えてみたいと思う。
最初にみなさんに伺いたいのは、「世界で一番安全な作物をつくっているのは、どの国だろうか?」という問いである。裏返すと、「世界で一番危険な作物をつくっているのは、どの国だろうか?」という質問に変わる。
もちろん、何をもって危険とするかについては、人によって違うだろう。確固たる基準が存在するわけではないが、ここでは、仮に「農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤など)をたくさん使っている作物ほど危険」という基準から見てみることにしよう。一番農薬を使っている国はどこだろうか?
「国産が一番安全」という間違った神話
学生たちにこの質問をすると、たいてい「アメリカ、中国」といった答えが返ってくる。その両国が、農薬を大量に使っているイメージなのだろう。逆に「世界で一番安全な作物をつくっている国は?」という問いに対しては、9割近くの人が、「日本」と回答してくる。
だが、この認識は大きく間違っている。FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、中国の農薬使用量は、農地1haあたり13kgという世界トップレベルの数値だ。だが、実は日本も11.4kgの農薬を使っており、中国とほぼ変わらない。日本も中国に劣らず、世界トップレベルの農薬大国なのだ。
実はアメリカはずっと少なく、日本の5分の1しか使っていない。ヨーロッパ諸国も日本より低く、イギリスは日本の4分の1、ドイツ3分の1、フランス3分の1、スペイン3分の1、オランダ5分の4、デンマーク10分の1、スウェーデン20分の1となっている。EUは政策により意図的に農薬を減らしている。また近年躍進が著しいブラジルを見てみても、日本の3分の1であり、インドは日本の30分の1しかない。
日本人の多くは「国産が一番安全」、そう信じていることだろう。しかし、それは間違った神話なのかもしれない。少なくとも、統計の数字だけを見るならば、日本は中国と並んで世界でも有数の農薬大国ということになる。農薬漬けと言ってもいい。アメリカの4倍以上、ヨーロッパの3~20倍以上を使っている。
「鎖国」を続けた日本農業の危機
このように、日本人に植え付けられてしまっている誤解は他にもたくさんある。これから順次それらを解いていくが、その前に、具体的にどんな危機が日本に来るのか、それをまず考えてみよう。
大きな背景としては、日本の鎖国がついに終わろうとしている、という世界的な動きがある。結論から先に言うと、日本の農業の多くは、1970年代からまったく進歩をしていない。技術革新というものが、起きてこなかったのだ。
農村でのどかにカボチャやニンジンを作っている農家の多くは、実は1970年代とまったく同じ農法で栽培している。昔ながらの「土づくり」を尊び、50年前と同じように肥料をあげ、同じように水やりをして、同じ量だけ収穫している。
今の時代に1970年代と同じ方法でやっていけている産業など、他にあるだろうか。農業だけ、それができてしまう。なぜかというと、国際競争にさらされてこなかったからだ。
海外では驚くべき進歩を遂げている
日本の農業は、第二次世界大戦が終わった後ずっと鎖国をしてきた。コメ788%、こんにゃく芋1700%、エンドウ豆1100%に代表されるような高い関税をかけることで、海外からの農産物を閉め出してきた。加えて、作物ごとに複雑な「規格」を設定し、外国からの参入をさらに困難としてきた(非関税障壁)。
海外では、ここ30年ほどの間に農業の形が激変した。栽培法には幾度も革命が起き、そのたびに世界最先端のテクノロジーが農業と融合してきた。そして農業は国境を越えたグローバルビジネスとなり、カーギル、ブンゲなどの巨大企業が生まれ、世界の食糧をコントロールするほどの力を持つに至った。その陰で、昔ながらの農法をしてきた零細農家はつぶされ、消えていった。
日本はというと、海の向こうで、そのような熾烈なつぶし合いが起こっているとは知らないまま、ひたすら国内市場だけを見てきた。ずっと内向きの農業をして、平和な産地間競争に明け暮れてきた。
そのような鎖国状態を今後も続けていけるのなら、それはそれでよいかもしれない。日本の農家はサラリーマン以上にお金を稼げている人が多いし、それに対して不満を持っている国民も少ない。日本独特の農業のあり方だ。だが、現実問題として、開国せざるを得ない事態になってしまった。
「TPP」で開国せざる負えなくなった
2018年12月末、TPPが始まった。TPPとは、Trans-Pacific Partnership(環太平洋パートナーシップ)のことで、太平洋を取り囲む11カ国の間で、関税をほぼなくし、貿易を自由にできるようにしましょうという取り決めのことだ。実際、多くの関税が最終的には0%になることが決まった。
このTPPが発効した瞬間から、日本への農産物の輸入は大幅にジャンプした。TPP直後の2019年1~4月の輸入量は、前年と比べてブドウは41%アップ、キウィは42%、牛肉(冷凍)30%と大幅に増加している(財務省貿易統計)。
スーパーを見ても、チリ産やオーストラリア産のブドウが大量に並ぶようになったことに気づくだろう(だいたい2~6月の季節)。チリと言えば、地球の裏側の国だ。そこから新鮮なブドウが、日本の4分の1ほどの価格で、次々と送られてきている。TPP発効によって、農産物の輸入が増えていることは間違いない。
消費者にとっては嬉しいことだが…
それは消費者にとっては嬉しいことかもしれないが、農業関係者にとってはたいへんな驚異だろう。海外から安い農産物が入ってくると、日本の物が売れなくなってしまう。つまり、農家の収入がなくなり、それが続けば、最悪閉業しなくてはならなくなってしまう。
しかし、そんなTPPであっても、これから始まる恐怖のほんのさわりに過ぎない。というのも、TPPに加盟している11カ国を詳しく見てみると、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムという国々だとわかる。
みなさんはどうだろうか。スーパーに行って野菜や果物を選ぶとき、マレーシア産、ベトナム産のトマトと、日本産のトマトが並んでいたら、いったいどちらを選ぶだろうか。おそらく日本産を選ぶ方がほとんどだろう。
日本人の心理として、アジアや中南米からの作物が多少安かったとしても、無理して国産を買おうとする。「国産は安全でおいしい。海外産はなんか薬が多そうで怖い」と日本人の多くが信じているためだ。
(実際には、日本産の方が、農薬の量はずっと多いのだが)つまりTPPによってアジアや中南米から安い野菜や果物がたくさん入ってくるようになるが、それでも、それが太平洋の国々である限り、日本にとってはそれほどの脅威にならないだろう。だが安心してはいられない。もし相手がヨーロッパだったらどうだろうか?
一番恐ろしいのはヨーロッパ産
そう、一番怖ろしいのは、アメリカでも中国でも中南米でもない。ヨーロッパだ。もしヨーロッパ産の野菜がスーパーに並んだらどうなってしまうか、真剣に想像したことがあるだろうか?
実はTPPとは別に、ヨーロッパとはEPAが結ばれた。EPAとはEconomic Partnership Agreement(経済連携協定)のことで、これもヨーロッパと日本の間の関税や関税以外の障壁を取り払い、貿易をより自由にしましょうという取り決めだ。これは2019年2月より発効された。そしてその影響はすぐに現れた。
EPA発効後の2019年2~4月の輸入量を前年と比べてみると、ヨーロッパからのワインが30%増加した(財務省貿易統計)。チーズは31%、豚肉は10%増加している。
さらにこれからは、ヨーロッパから野菜や果物が押し寄せてくるようになるだろう。すでにEPAの前から、オランダ産のパプリカはスーパーで売られ始めていたが、それは始まりに過ぎない。農産物の関税や非関税障壁は4~11年をかけて段階的に取り払われていくものが多く、それに合わせて、ヨーロッパからたくさんの野菜や果物、キノコがやってくるようになる。ベルギー産のトマト、フランス産のジャガイモ、スペイン産のブドウ、主婦たちははたしてどちらを選ぶだろうか。
国産野菜が勝てる理由が見つからない
フランス産やイタリア産と聞けば、まず響きだけでおしゃれな感じがするだろう。しかも、それらは農薬の量が日本よりもずっと少ない。日本の3分の1から20分の1しかない。
そして日本の物よりずっと安い。おいしさはほぼ変わらない。となると、みなさんはどちらを選ぶだろうか。「おいしいけど、値段が高くて、農薬が多い国産野菜」か、あるいは「おいしくて、値段が安くて、農薬が少ないヨーロッパ産野菜」か。
勝負は見えているだろう。正直、日本の野菜が勝てる理由が見つからない。消費者はともかく、外食(レストランなど)や中食(お弁当屋さんなど)産業は、ヨーロッパ産に飛びつくだろう。実際、すでにいくつかのファミレスは、そういう動きを見せている。
「イタリア産のポルチーニ茸を使ったパスタ」とか「ドイツ産リンゴのジュース」などのメニューをよく目にするようになった。そのメニューを見たとき、「国産じゃないから嫌だ」と思う人はきっと少ないだろう。ヨーロッパから安い野菜・果物が入ってくるようになれば、再びイタリア料理やフランス料理ブームがやってくるかもしれない。
そうなったとき、日本の農家は生き残っていくことができるのだろうか?
日本は時代遅れの「農業後進国」
一昔前までは、ヨーロッパから新鮮野菜を持ってくることは、不可能に近かった。理由は単純で、遠すぎるためだ。だが今は、時代が変わった。収穫が終わった後の処理はポストハーベスト技術と呼ばれるが、これが急速に発達したのだ。今では、チリのような地球の裏側であっても、収穫したりの新鮮な野菜・果物を、鮮度そのままに日本のスーパーに並べることが可能になっている。
日本は鎖国をしながら、長いこと眠り続けてきた。その間に、海外の農業は急速に発展し、日本に追いつき、追い越していった。もし日本がこのまま眠り続けるならば、国内の農業は間違いなく滅びるだろう。
その理由は、一言で言えば、日本がすっかり農業後進国になってしまったからだ。たとえば、日本で「最先端農業」と聞けば、多くの人が「農薬をたくさん使う農業のこと」と思うだろう。そしてもし農薬を使うのが嫌だったら、有機農業や自然栽培といった昔ながらの農法に戻るしかない。
つまり「昔ながらの農業」、あるいは「薬漬けの農業」、その二者択一しか今の日本にはない。しかし、そんな考え方は世界ではもう完全に時代遅れだ。
最新テクノロジーで農業問題の解決を
ヨーロッパでは、そのどちらでもない第3の農法が発達している。すなわち、最新のテクノロジーを使って日本よりもはるかに効率のよい農業をしながら、でも同時に、使う農薬の量は、日本よりもずっと少なくしている。最先端農業でありながら、安全で安心、環境にも優しい。そんなまったく新しい農業が発明されている。
そんな事実を知っている日本人は、まだほとんどいない。日本は、国全体がそういった世界の進化にまったくついて行けていない。中国やインドの方がはるか先を行っていることも知らない。追い越されていることにすら気づいていない。みんな「日本の農業は世界最高」という幻想を信じたまま、時間が止まってしまっているのだ。
このまま行くと、世界と日本の差はさらに開いていくことだろう。なぜなら、テクノロジーの変化はとてつもなく速いからだ。今日1だった差は、明日には10になり、2日後には100、1週間後には1万の差になっている。
それほどまでに、世界の変化は速い。TPPとEPAが始まってしまった今、もはや一刻の猶予もない。あと数年が生き残れるか滅びるか、その勝負の分かれ目だろう。
竹下正哲『日本を救う未来の農業』(ちくま新書)
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竹下 正哲(たけした・まさのり)
拓殖大学国際学部教授
北海道大学農学部、北海道大学大学院農学研究科で学ぶ。博士(農学)。大学院在学中に小説で第15回太宰治賞受賞。民間シンクタンク、環境防災NPO、日本福祉大学などを経て、拓殖大学国際学部へ。日本唯一の「文系の農業」として知られる国際学部農業コースの立ち上げに尽力し、栽培の実践を重視した指導を行っている。かつて青年海外協力隊でアフリカに行ったことをきっかけに、世界中のフィールドを回り、海外の農業現場に精通している。2015年に初めてイスラエルを訪問し、衝撃を受けた。主なフィールドはイスラエルとネパール。
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(拓殖大学国際学部教授 竹下 正哲)
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整体職人・仙台/よみがえれ体/筋肉系・気経絡整体《即効姿勢改善》腰痛・肩こり・スポーツ、生活疲労・ギックリ腰・ 五十肩 ・スマホ首・膝痛・手足・疲労回復「古来伝承整健術・経絡ツボ療術整体」ヘッドから足裏まで心地よい全身施術
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PRESIDENT Online
2020年01月21日 09:15
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※本稿は、竹下正哲『日本を救う未来の農業』(ちくま新書)の一部を再編集したものです。
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「日本の農業問題」というキーワードを聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべるであろうか? 農家の高齢化、担い手不足、農家の減少、耕作放棄地、低い自給率、衰退産業……。そういったキーワードが思い浮かぶのではないだろうか。ニュースなどを見ていると、必ずこういった論調で、危機が叫ばれている。
しかし、実は高齢化や農家の減少、耕作放棄地、自給率などの問題は、どれもまったく問題ではない。少なくとも、どれも解決可能であり、表面的なことにすぎない。むしろ問題の本質はまったく別のところにある。というのも、その問題の本質に取り組むことができたなら、高齢化や農家の減少、耕作放棄地などの問題はひとりでに解決に向かうからだ。
では、その問題の本質とは何か、を一緒に考えてみたいと思う。
最初にみなさんに伺いたいのは、「世界で一番安全な作物をつくっているのは、どの国だろうか?」という問いである。裏返すと、「世界で一番危険な作物をつくっているのは、どの国だろうか?」という質問に変わる。
もちろん、何をもって危険とするかについては、人によって違うだろう。確固たる基準が存在するわけではないが、ここでは、仮に「農薬(殺虫剤、殺菌剤、除草剤など)をたくさん使っている作物ほど危険」という基準から見てみることにしよう。一番農薬を使っている国はどこだろうか?
「国産が一番安全」という間違った神話
学生たちにこの質問をすると、たいてい「アメリカ、中国」といった答えが返ってくる。その両国が、農薬を大量に使っているイメージなのだろう。逆に「世界で一番安全な作物をつくっている国は?」という問いに対しては、9割近くの人が、「日本」と回答してくる。
だが、この認識は大きく間違っている。FAO(国連食糧農業機関)の統計によると、中国の農薬使用量は、農地1haあたり13kgという世界トップレベルの数値だ。だが、実は日本も11.4kgの農薬を使っており、中国とほぼ変わらない。日本も中国に劣らず、世界トップレベルの農薬大国なのだ。
実はアメリカはずっと少なく、日本の5分の1しか使っていない。ヨーロッパ諸国も日本より低く、イギリスは日本の4分の1、ドイツ3分の1、フランス3分の1、スペイン3分の1、オランダ5分の4、デンマーク10分の1、スウェーデン20分の1となっている。EUは政策により意図的に農薬を減らしている。また近年躍進が著しいブラジルを見てみても、日本の3分の1であり、インドは日本の30分の1しかない。
日本人の多くは「国産が一番安全」、そう信じていることだろう。しかし、それは間違った神話なのかもしれない。少なくとも、統計の数字だけを見るならば、日本は中国と並んで世界でも有数の農薬大国ということになる。農薬漬けと言ってもいい。アメリカの4倍以上、ヨーロッパの3~20倍以上を使っている。
「鎖国」を続けた日本農業の危機
このように、日本人に植え付けられてしまっている誤解は他にもたくさんある。これから順次それらを解いていくが、その前に、具体的にどんな危機が日本に来るのか、それをまず考えてみよう。
大きな背景としては、日本の鎖国がついに終わろうとしている、という世界的な動きがある。結論から先に言うと、日本の農業の多くは、1970年代からまったく進歩をしていない。技術革新というものが、起きてこなかったのだ。
農村でのどかにカボチャやニンジンを作っている農家の多くは、実は1970年代とまったく同じ農法で栽培している。昔ながらの「土づくり」を尊び、50年前と同じように肥料をあげ、同じように水やりをして、同じ量だけ収穫している。
今の時代に1970年代と同じ方法でやっていけている産業など、他にあるだろうか。農業だけ、それができてしまう。なぜかというと、国際競争にさらされてこなかったからだ。
海外では驚くべき進歩を遂げている
日本の農業は、第二次世界大戦が終わった後ずっと鎖国をしてきた。コメ788%、こんにゃく芋1700%、エンドウ豆1100%に代表されるような高い関税をかけることで、海外からの農産物を閉め出してきた。加えて、作物ごとに複雑な「規格」を設定し、外国からの参入をさらに困難としてきた(非関税障壁)。
海外では、ここ30年ほどの間に農業の形が激変した。栽培法には幾度も革命が起き、そのたびに世界最先端のテクノロジーが農業と融合してきた。そして農業は国境を越えたグローバルビジネスとなり、カーギル、ブンゲなどの巨大企業が生まれ、世界の食糧をコントロールするほどの力を持つに至った。その陰で、昔ながらの農法をしてきた零細農家はつぶされ、消えていった。
日本はというと、海の向こうで、そのような熾烈なつぶし合いが起こっているとは知らないまま、ひたすら国内市場だけを見てきた。ずっと内向きの農業をして、平和な産地間競争に明け暮れてきた。
そのような鎖国状態を今後も続けていけるのなら、それはそれでよいかもしれない。日本の農家はサラリーマン以上にお金を稼げている人が多いし、それに対して不満を持っている国民も少ない。日本独特の農業のあり方だ。だが、現実問題として、開国せざるを得ない事態になってしまった。
「TPP」で開国せざる負えなくなった
2018年12月末、TPPが始まった。TPPとは、Trans-Pacific Partnership(環太平洋パートナーシップ)のことで、太平洋を取り囲む11カ国の間で、関税をほぼなくし、貿易を自由にできるようにしましょうという取り決めのことだ。実際、多くの関税が最終的には0%になることが決まった。
このTPPが発効した瞬間から、日本への農産物の輸入は大幅にジャンプした。TPP直後の2019年1~4月の輸入量は、前年と比べてブドウは41%アップ、キウィは42%、牛肉(冷凍)30%と大幅に増加している(財務省貿易統計)。
スーパーを見ても、チリ産やオーストラリア産のブドウが大量に並ぶようになったことに気づくだろう(だいたい2~6月の季節)。チリと言えば、地球の裏側の国だ。そこから新鮮なブドウが、日本の4分の1ほどの価格で、次々と送られてきている。TPP発効によって、農産物の輸入が増えていることは間違いない。
消費者にとっては嬉しいことだが…
それは消費者にとっては嬉しいことかもしれないが、農業関係者にとってはたいへんな驚異だろう。海外から安い農産物が入ってくると、日本の物が売れなくなってしまう。つまり、農家の収入がなくなり、それが続けば、最悪閉業しなくてはならなくなってしまう。
しかし、そんなTPPであっても、これから始まる恐怖のほんのさわりに過ぎない。というのも、TPPに加盟している11カ国を詳しく見てみると、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムという国々だとわかる。
みなさんはどうだろうか。スーパーに行って野菜や果物を選ぶとき、マレーシア産、ベトナム産のトマトと、日本産のトマトが並んでいたら、いったいどちらを選ぶだろうか。おそらく日本産を選ぶ方がほとんどだろう。
日本人の心理として、アジアや中南米からの作物が多少安かったとしても、無理して国産を買おうとする。「国産は安全でおいしい。海外産はなんか薬が多そうで怖い」と日本人の多くが信じているためだ。
(実際には、日本産の方が、農薬の量はずっと多いのだが)つまりTPPによってアジアや中南米から安い野菜や果物がたくさん入ってくるようになるが、それでも、それが太平洋の国々である限り、日本にとってはそれほどの脅威にならないだろう。だが安心してはいられない。もし相手がヨーロッパだったらどうだろうか?
一番恐ろしいのはヨーロッパ産
そう、一番怖ろしいのは、アメリカでも中国でも中南米でもない。ヨーロッパだ。もしヨーロッパ産の野菜がスーパーに並んだらどうなってしまうか、真剣に想像したことがあるだろうか?
実はTPPとは別に、ヨーロッパとはEPAが結ばれた。EPAとはEconomic Partnership Agreement(経済連携協定)のことで、これもヨーロッパと日本の間の関税や関税以外の障壁を取り払い、貿易をより自由にしましょうという取り決めだ。これは2019年2月より発効された。そしてその影響はすぐに現れた。
EPA発効後の2019年2~4月の輸入量を前年と比べてみると、ヨーロッパからのワインが30%増加した(財務省貿易統計)。チーズは31%、豚肉は10%増加している。
さらにこれからは、ヨーロッパから野菜や果物が押し寄せてくるようになるだろう。すでにEPAの前から、オランダ産のパプリカはスーパーで売られ始めていたが、それは始まりに過ぎない。農産物の関税や非関税障壁は4~11年をかけて段階的に取り払われていくものが多く、それに合わせて、ヨーロッパからたくさんの野菜や果物、キノコがやってくるようになる。ベルギー産のトマト、フランス産のジャガイモ、スペイン産のブドウ、主婦たちははたしてどちらを選ぶだろうか。
国産野菜が勝てる理由が見つからない
フランス産やイタリア産と聞けば、まず響きだけでおしゃれな感じがするだろう。しかも、それらは農薬の量が日本よりもずっと少ない。日本の3分の1から20分の1しかない。
そして日本の物よりずっと安い。おいしさはほぼ変わらない。となると、みなさんはどちらを選ぶだろうか。「おいしいけど、値段が高くて、農薬が多い国産野菜」か、あるいは「おいしくて、値段が安くて、農薬が少ないヨーロッパ産野菜」か。
勝負は見えているだろう。正直、日本の野菜が勝てる理由が見つからない。消費者はともかく、外食(レストランなど)や中食(お弁当屋さんなど)産業は、ヨーロッパ産に飛びつくだろう。実際、すでにいくつかのファミレスは、そういう動きを見せている。
「イタリア産のポルチーニ茸を使ったパスタ」とか「ドイツ産リンゴのジュース」などのメニューをよく目にするようになった。そのメニューを見たとき、「国産じゃないから嫌だ」と思う人はきっと少ないだろう。ヨーロッパから安い野菜・果物が入ってくるようになれば、再びイタリア料理やフランス料理ブームがやってくるかもしれない。
そうなったとき、日本の農家は生き残っていくことができるのだろうか?
日本は時代遅れの「農業後進国」
一昔前までは、ヨーロッパから新鮮野菜を持ってくることは、不可能に近かった。理由は単純で、遠すぎるためだ。だが今は、時代が変わった。収穫が終わった後の処理はポストハーベスト技術と呼ばれるが、これが急速に発達したのだ。今では、チリのような地球の裏側であっても、収穫したりの新鮮な野菜・果物を、鮮度そのままに日本のスーパーに並べることが可能になっている。
日本は鎖国をしながら、長いこと眠り続けてきた。その間に、海外の農業は急速に発展し、日本に追いつき、追い越していった。もし日本がこのまま眠り続けるならば、国内の農業は間違いなく滅びるだろう。
その理由は、一言で言えば、日本がすっかり農業後進国になってしまったからだ。たとえば、日本で「最先端農業」と聞けば、多くの人が「農薬をたくさん使う農業のこと」と思うだろう。そしてもし農薬を使うのが嫌だったら、有機農業や自然栽培といった昔ながらの農法に戻るしかない。
つまり「昔ながらの農業」、あるいは「薬漬けの農業」、その二者択一しか今の日本にはない。しかし、そんな考え方は世界ではもう完全に時代遅れだ。
最新テクノロジーで農業問題の解決を
ヨーロッパでは、そのどちらでもない第3の農法が発達している。すなわち、最新のテクノロジーを使って日本よりもはるかに効率のよい農業をしながら、でも同時に、使う農薬の量は、日本よりもずっと少なくしている。最先端農業でありながら、安全で安心、環境にも優しい。そんなまったく新しい農業が発明されている。
そんな事実を知っている日本人は、まだほとんどいない。日本は、国全体がそういった世界の進化にまったくついて行けていない。中国やインドの方がはるか先を行っていることも知らない。追い越されていることにすら気づいていない。みんな「日本の農業は世界最高」という幻想を信じたまま、時間が止まってしまっているのだ。
このまま行くと、世界と日本の差はさらに開いていくことだろう。なぜなら、テクノロジーの変化はとてつもなく速いからだ。今日1だった差は、明日には10になり、2日後には100、1週間後には1万の差になっている。
それほどまでに、世界の変化は速い。TPPとEPAが始まってしまった今、もはや一刻の猶予もない。あと数年が生き残れるか滅びるか、その勝負の分かれ目だろう。
竹下正哲『日本を救う未来の農業』(ちくま新書)
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竹下 正哲(たけした・まさのり)
拓殖大学国際学部教授
北海道大学農学部、北海道大学大学院農学研究科で学ぶ。博士(農学)。大学院在学中に小説で第15回太宰治賞受賞。民間シンクタンク、環境防災NPO、日本福祉大学などを経て、拓殖大学国際学部へ。日本唯一の「文系の農業」として知られる国際学部農業コースの立ち上げに尽力し、栽培の実践を重視した指導を行っている。かつて青年海外協力隊でアフリカに行ったことをきっかけに、世界中のフィールドを回り、海外の農業現場に精通している。2015年に初めてイスラエルを訪問し、衝撃を受けた。主なフィールドはイスラエルとネパール。
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(拓殖大学国際学部教授 竹下 正哲)
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食料危機!安倍政治が「売国政治」である決定的な証拠「種子法廃止」日本農業の危機!農家のタネ自家採種が出来なくなる「種苗法運用」ハゲタカ巨大資本の支配!日本の主権者は安倍内閣の本質を見抜かなければならない! 種子法廃止で、コメ、麦、大、値段が上がる、食料不足を招く、味がまずくなる、おなじみの品種が消える、遺伝子組み換え作物が席巻する!種苗法によって農家は「自家採種ができなくなる」植草一秀の『知られざる真実』 - みんなが知るべき情報/今日の物語
安倍内閣に命令して「種子法」を廃止させたモサントの【除草剤】がん性で320億円賠償責任「ラウンドアップ」安倍政権の売国政策!種子法廃止「食料主権」を売り渡す「遺伝子組換え作物」の氾濫国へ!グリホサートは100円ショップ、東急ハンズでも販売! - みんなが知るべき情報/今日の物語
「発がん物質入り」100円除草剤ダイソーの「グリホサート」東急ハンズ、島忠など7社は販売続行!米裁判…末期がんに約320億円の支払い命じる陪審評決「モサント除草剤」オランダ、フランスが販売禁止「WHO発がん評価」風にも飛び、口、鼻、肺に入る、他人にも!除草は手でやればいいでしょ! - みんなが知るべき情報/今日の物語ダイソーでは販売中止に。
アベノ【凄まじい売国】安倍政府は【農産物】数百億円規模の購入を検討か!トランプ氏、安倍総理に【巨額購入を要求】貿易交渉とは別枠で!日本農家、農業破壊、日本経済危機、食物自給率も下がり、米国の遺伝子改良食品だらけに!参院選が終わったらとトランプが発言していた!安倍政治の目的は日本破壊! - みんなが知るべき情報/今日の物語
安倍晋三が【関税密約】で日本農業を壊滅させた!許すまじ、国家反逆の関税密約!今それを言うと参院選で負けるので、参院選の後に交渉させてください」と尻を突き出して哀願!これで日本の農業、畜産業は大打撃!トランプ大統領のご機嫌を取りたい一心の統一教会Moonie安倍晋三。この朝鮮邪教奴隷が、国家反逆の関税密約。- みんなが知るべき情報/今日の物語
卵で免疫力アップ【新型ウイルス肺炎】は怖くない!新型のコロナウイルス!毎日3個以上食べよう! 死者9人 患者【さらに感染拡大も】日本にも影響!卵はインフルエンザ、風邪、がん、糖尿病、心臓疾患、認知症 - みんなが知るべき情報/今日の物語
免疫力アップ【あいうべ体操】インフルエンザ、風邪予防!小学校で激減効果!唾液の免疫物質!健康に美容に!唾液の様々な免疫物質!若返りホルモン、老化防止ホルモン【パロチン】口呼吸を鼻呼吸に改善、顔トレ、顎関節症、ほうれい線、喉、声!考案者・今井一彰院長: 整筋整体
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