ヒットした短歌: 55件
多摩川の川瀨に育つ鯉うぐひ主人手づから洗ひとはしぬ : 窪田空穂 『丘陵地』, 1956, 1957
多摩川に海よりのぼるうぐひ食ひ春を覺ゆと主人はわらふ : 窪田空穂 『丘陵地』, 1956, 1957
多摩川原早瀬にうつる栂の木の春浅うして人うぐひ釣る : 北原白秋 『海阪』, 0000, 1949
うすがすむの山多摩川の淺瀨に鮎子まだのぼり來ず : 若山牧水 『砂丘』, 1914-1915, 1915
曉に光るいくつの魚と見ゆ多摩川の水まがりて行けば : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934
多摩川の廣き河原の一つ瀨に人ひとりをり魚とるらしも : 窪田空穂 『鳥聲集』, 1915, 1916
水底の沙金ばかりの魚を得て人さかづきに放つ多摩川 : 与謝野晶子 『沙中金簪』, 0000, 1933-1934
多摩川の水あたたかき朝東風に若きうぐひす岩づたひすも : 佐佐木信綱 『新月』, 0000, 1912
多摩川の河原の砂に白き羽のこぼれて啼けば千鳥かなしき : 太田水穂 『螺鈿』, 1938, 1940
多摩川の調布へかよふ松山に百舌は隱れて石の槌打つ : 与謝野晶子 『深林の香』, 0000, 1933-1934
多摩川の河原の空に鳴くひばりはるけき聲を立ちてききたり : 太田水穂 『雲鳥』, 1919, 1922
多摩川の御嶽の雪がしら鷺に變るけしきをつくる三月 : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934
多摩川の烏啼、楓橋、寒山寺雛のきさきにまゐらせてまし : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934
多摩川の船もてしたる普濟寺の古腰掛にあれば鐘鳴る : 与謝野晶子 『深林の香』, 0000, 1933-1934
多摩川の御嶽の溪に宿とればはるかならざり甲州の山 : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934
多摩川にさらす調布さらさらに何ぞさらりと棄てて去りにし : 北原白秋 『夢殿』, 1927-1939, 1939
多摩川の岸の調布いにしへの遊女が家に遊女二三みゆ : 窪田空穂 『鳥聲集』, 1915, 1916
しら梅と奧の武蔵の多摩川を座に置くやよひ朔日の春 : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934
多摩川のひろき河原の石ぬらし、つめたく降るかこの秋の雨。 : 窪田空穂 『空穗歌集』, 0000, 1912
住宅街つきて耕地となり來たり春空ひろく多摩川ひかる : 窪田空穂 『丘陵地』, 1956, 1957
かのをとめ顏の醜し多摩川にわか草つみに行かむとさそふ : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911
五月雨が殘せる蔓か多摩川の蔓かかぼそき水沙を行く : 与謝野晶子 『沙中金簪』, 0000, 1933-1934
多摩川の冬の川原のさざれ石くぐれる水か枕には來る : 若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917
五月晴の海のやうなる多摩川や酒屋の旗や黍のかぜ : 与謝野晶子 『戀衣』, 0000, 1904
多摩川の渡瀬の砂の水を浅み山葵採るべき春ちかづきぬ : 北原白秋 『海阪』, 0000, 1949
多摩川のながれのかみにそへる路麥藁帽のおもき曇り日 : 若山牧水 『死か藝術か』, 1911-1912, 1912
殿が谷姥が谷みな若葉もて埋れたれども見ゆる多摩川 : 与謝野晶子 『草の夢』, 0000, 1922
多摩川の清く冷くやはらかき水のこころを誰に語らむ : 岡本かの子 『かろきねたみ』, 0000, 1912
降る雪に靑を引くのみ多摩川の杉のこずえも橋立のごと : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934
廣き河原うねりながれて多摩川は上つ瀨ひかり下つ瀨ひかる : 窪田空穂 『朴の葉』, 0000, 1920
前山は黑部のものにあらねども多摩川似たりはらからのごと : 与謝野晶子 『落葉に坐す』, 0000, 1933-1934
多摩川の關戸の秋の水越えてさび乙くなりぬ稻の中道 : 与謝野晶子 『心の遠景』, 0000, 1928
岡の上に登りて見れば多摩川や照れる春日に行き遙かなり : 窪田空穂 『朴の葉』, 0000, 1920
多摩川の大橋のうへに見はるかす夜をほの白き大いなる靄 : 窪田空穂 『木草と共に』, 1961, 1964
多摩川やしろきいさごをゆく水のいろより細し笛の音色は : 太田水穂 『螺鈿』, 1938, 1940
行くべくばみちのくの山甲斐の山それもしかあれ今日は多摩川 : 若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917
多摩川の瀨の急なるに印ししぬ船せぬ人も身を省みよ : 与謝野晶子 『沙中金簪』, 0000, 1933-1934
多摩川を見おろす臺に大人が説く推移つばらに聽きほれしむる : 窪田空穂 『卓上の灯』, 1952, 1955
多摩川の七瀨の水の岩に觸り立つるひびきの聞きのさやけさ : 窪田空穂 『泉のほとり』, 1916-1917, 1918
何處にゆかむ山ことごとし海も憂し多摩川ぞひの冬木の中か : 若山牧水 『白梅集』, 1916-1917, 1917
多摩川の紅葉を見つつ行きしかば市の瀨村は散りて久しも : 長塚節 『[長塚節全集]』, 1905, [1905]
かへるさは時雨となりぬ多摩川の川邊の宿に一夜寢しまに : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911
多摩川に砂利あぐる音の風向をひと日きこえて寒あけずいまだ : 北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934
春あさく藍もうすらに多摩川のながれてありぬ憂しやひとりは : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911
多摩川のあさきながれに石なげてあそべ
ば濡るるわがたもとかな : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911
多摩川の砂にたんぽぽ咲くころはわれにもおもふ人のあれかし : 若山牧水 『路上』, 1910-1911, 1911
多摩川や秋さぶる野のをちかたにいざよふ浪のこころかもあはれ : 太田水穂 『螺鈿』, 1938, 1940
多摩川の瀨の音きこゆれわが見るはその實黃に照る柚子の繁樹ぞ : 窪田空穂 『泉のほとり』, 1916-1917, 1918
多摩川よ斯く來て砂によこたはるおとろへし身をいまだ知れリや : 若山牧水 『歌集未收録歌』, 1911, [1911]
何よりも白き河原と抱だき合ふ多摩川きよし三月の雪 : 与謝野晶子 『いぬあぢさゐ』, 0000, 1933-1934
月の夜は雲遠じろし野平を多摩川あたり森低み見ゆ : 北原白秋 『白南風』, 1926-1933, 1934
多摩川原清き川瀬に採る砂のかがやき白しうち響きつつ : 北原白秋 『海阪』, 0000, 1949
八王子は雨かもふらむ我等來し奥多摩川の今日の秋よろし : 古泉千樫 『書簡にあらはれたる歌』, 1926, [1926]
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