北風小僧の貫太郎

北風小僧★新発売★貫太郎

喪失感?

2013-06-23 13:49:17 | 小説
列車の動き出す直後に彼女が何か喋ったかどうか知る由もない

ただ表情を見ると寂しげであり、健康的な性格がそれをよりいっそう際立たせている

そんな表情の中でも何か、一縷の望み

希望を見せてくれているような表情が

安心感であったり、責任でもあるし愛おしい


喪失感?

2013-06-19 21:22:07 | 小説
時間に追われながら、その列車についている行き先を見つつ

・・何かが違う、目的地には着かないだろう。それならまだしも、アジアの田舎で宿もない

おそらく今の時間帯から戻りの時刻の列車はないだろう

その地区の治安すらわからないし、一番は飲み水の確保

アジアの田舎の水を飲むのは危険すぎる

感染症やバクテリアそれに伴う嘔吐、発熱立っていられないどころか命の危険さえある・・

様々なことを彼女に一言で説明する時間も余裕もない

各列車はそれぞれドアの開閉の音や、エンジンかモーターの動作音を上げ今にも動ける体制を整えている





喪失感?

2013-06-16 17:29:42 | 小説
ホームに下り立つ

日本では見られないかなり広い構内

列車が横一列に7,8台の車両が見える

おそらく少人数で郊外に向かうのだろう

どことなくかわいらしい車両がまるでバスの発着場のようでもある

一番左の車両を彼女が指差し

「これっ!この列車に乗るの。そうすれば無事目的地にたどり着けるわ。」

きっと本人は微笑んで言っているつもりなのだろうが

健康的な性格がそれ以上に笑顔が弾けるように見える

これは、目的地にたどり着くには他の駅で乗り換えていくのかな?

ドアを見ると中近東の黒い衣装の若い女性が乗ろうとしている。

「ううん。乗り換えなくてもいいの、寝てる間にでも着くわ。」

えっ?躊躇すると

「いいから早く乗って!そうしないと列車が出発しちゃうよ。」

急かされるが

違う、目的地への列車は出発したんだ

確認しているし、それに同じ目的地なのに、違うホームから出ることはないよ

他の車両も確認してみよう!ひょっとしたら目的地まで乗換えで行ける車両があるかもしれない