パトカーの巡回ルートに私がたまたま入っただけなのだけど、なんとなく、尾行されている、とか思った日がある。理由が一つある。
絨毯買ってきたときで、大きなもの持ってたから。
細い道と、大通りに沿った道がある。
絨毯、いくら大きくはないとはいえ、1メートルより大きいし、それを脇に下げて歩くと、ぶつける可能性がある。とはいえ、そこまでもないけど、用心したいところだ。
だから、細い道はさけた。
ちょうどそっちから出て来たパトカーが曲がって大通りに。
そう、私が歩き出した方向だ。
「ま、まさか、大きな荷物を持っているから、不審者だと!? この中には実は人が……って程でかくないね」
物語で巻いた絨毯に人が隠れているっての思い出していた。
大きいとはいえ、そこまで大きくない。せいぜいフェレットが縦列で入っているくらい? 店の人がしっかり巻いているから、それも難しいけど。
くだらないこと考える私の横をパトカーは過ぎていった。
私は家に向かう細い路地に入り、大通りに向かって歩き出すと……正面からパトカー!
「わ、私の行動を先回りして!?」
と、小心者なのに悪さした人のつぶやきみたいなことを思いながら、すれ違ったのだった。
パトカーの巡回ルートがわからない。一定範囲をクルクル回っていたのか、ここを通って違う方に向かうのか知らないけど。
警察官が気づいていたとしても「大きなの持った人、あのルート通ったんだ」というくらいだろう。