がんばれ!邑久高野球部

野球が大好きな父ちゃんのひとりごと

町を元気にした球児たち

2011-08-21 20:58:46 | テレビ
NHKの番組を見ていると岩手県の県立大槌高校野球部の特集が組まれていた。

3月11日の震災以来、避難所となった母校をジャージ姿で駆け回った。
自分たちの練習場であるグランドは、いつの間にか自衛隊の駐屯地になっていた。

昨年秋の県大会でベスト16の結果を残した。
13人の部員は住みたくても住むことができない2人が転校して11人。
「引っ越していく俺は、仲間のことを言う資格なんてない。」
とみんなから見えない場所でグランドを見つめていた選手もいた。

チームは存続の危機を迎えていた。

家族を4人失った選手の一人は生きていくだけで精一杯と声を振り絞った。
閉塞感だけが全てを覆っているように映った。


エースの岡谷君は、神社で家族と避難生活を送っていた。
千葉で働く兄貴の一時避難を薦めるメールにも、
「人がいない今の野球部のことを考えると、よそへ行く気にはなれない」

ある日そんな岡谷君が、野球を断念しようとしているライバル金野君を震災から1ヶ月後に訪ねる。
瓦礫を集めて作った家で暮らす金野君は祖母、母、お姉さんを失っています。

心が折れそうな金野君の家に、部室に置きっぱなしになっていた金野君のグローブを探し出し、家を訪ねた。


瓦礫の中でしばしのキャッチボール。

多くを語らず、ただ気持ちだけを込めたボールを投げ続けるエースの気持ちには、余計な言葉はいらないようでした。
金野君は復帰の気持ちを固めていきます。

いつ再開できるか全くわからない状況の中でも、マネージャーは黙々と道具を磨き続けます。
その時を信じた支える者の姿に健気さと感動を覚えます。

大槌町は、役場が津波にのまれ、行政が機能していません。
町長が居なくなり、求心力を失った町は、仮設住宅の建設率が県内最低。

そんな中でも、選手たちは
「言い訳はしない。同情もいらない。」
と言い切ります。ひとりの人間としての成長を感じます。


母を失った金野君は、コンビニ弁当が日常食になります。
栄養が偏り、体調維持に苦労しています。
ただ学校が楽しいので、ふらつきながらも朝早く学校に向かっているようです。


6月になると自衛隊が撤退していきます。
「目指せ!甲子園」の言葉を残して・・・
新入生が入部して17人の選手に対しての言葉です。

選手たちも、普通にできることへの感謝の気持ちが日々増しているようでした。

大会の前に、町民の前で挨拶。

「この町を甲子園に連れていく。」

その決意に涙が溢れた。


「町民に元気を与えてくれているのは、彼らだ。」と言い切る避難民。
その言葉に、
「大槌の力を見せつけて大革命を起こす」と選手達は選手権に臨んだ。

結果は、9回に粘りを見せるも、4:3で一戸高校に惜敗。

既に次を見据えている。

にほんブログ村 野球ブログ 高校野球へ
その環境が人を創る。
当たり前にあぐらをかかず、自分に厳しくなりたい。
その環境を彼らが望んでいる訳では決してないが、奇しくも与えられた今の状況から誰一人逃げていないことが僕の勉強になるんだ。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿