高血圧を合併している糖尿病患者が、1日1時間のヨガを行うことで、3カ月後には、収縮期血圧と拡張期血圧、空腹時血糖値のいずれもが有意に低下することが報告された。これは、アラブ首長国連邦Gulf Medical UniversityのN. Shanthakumari氏らが、100人を対象に行った試験の結果明らかにしたもので、12月4日からドバイで開催中の世界糖尿病会議(WDC2011)で発表した。
Shanthakumari氏らは、2型糖尿病で高血圧の合併症のある35~55歳(平均45~46歳)の100人を対象に、無作為化比較対照試験を行い、3カ月間追跡した。被験者を無作為に2群に振り分け、一方には約60分のヨガを毎朝続けるよう指導し、もう一方の群には何も介入しなかった。ヨガは、体位や身体姿勢が35分、呼吸法が10分、瞑想が10分だった。実施前後に、それぞれ5分間のリラクセーションを行った。被験者は、治療薬は従来通り服用し、食事療法についても介入はなかった。
試験開始時点では、収縮期・拡張期血圧、空腹時・食後血糖値は、いずれもヨガ群と対照群で有意差はなかった。
ヨガ群では、空腹時血糖値(平均)は試験開始時の155.86mg/dLから3カ月後の126.63 mg/dLへと、有意に減少した(P<0.01)。拡張期血圧(平均)については、90.57mmHgから85.49mmHgへ、収縮期血圧(平均)も141.71 mmHgから132.23mmHgへと、それぞれ有意に減少した(それぞれP<0.05、P<0.01)。食後血糖値(平均)については、240.31mg/dLから208.74 mg/dLに減少したものの、有意差は認められなかった。
一方の対照群では、いずれの項目についても、試験開始時と3カ月後では減少は認められなかった。
Shanthakumari氏は、食後血糖値について、「追跡期間が3カ月と短かったため有意差が認められなかったのではないか」と指摘した。ヨガにより血糖値が低下する機序としては、例えばヨガで用いられる呼吸法に、交感神経緊張を緩和し、副交感神経の活性を促し、コルチゾールを減少させ、ストレスを和らげる効果があることが関連しているのではないか、と推察した。また、血圧減少効果の背景としては、ヨガの瞑想法がストレスを減少させる点を挙げた。
(日経メディカル別冊編集)
Shanthakumari氏らは、2型糖尿病で高血圧の合併症のある35~55歳(平均45~46歳)の100人を対象に、無作為化比較対照試験を行い、3カ月間追跡した。被験者を無作為に2群に振り分け、一方には約60分のヨガを毎朝続けるよう指導し、もう一方の群には何も介入しなかった。ヨガは、体位や身体姿勢が35分、呼吸法が10分、瞑想が10分だった。実施前後に、それぞれ5分間のリラクセーションを行った。被験者は、治療薬は従来通り服用し、食事療法についても介入はなかった。
試験開始時点では、収縮期・拡張期血圧、空腹時・食後血糖値は、いずれもヨガ群と対照群で有意差はなかった。
ヨガ群では、空腹時血糖値(平均)は試験開始時の155.86mg/dLから3カ月後の126.63 mg/dLへと、有意に減少した(P<0.01)。拡張期血圧(平均)については、90.57mmHgから85.49mmHgへ、収縮期血圧(平均)も141.71 mmHgから132.23mmHgへと、それぞれ有意に減少した(それぞれP<0.05、P<0.01)。食後血糖値(平均)については、240.31mg/dLから208.74 mg/dLに減少したものの、有意差は認められなかった。
一方の対照群では、いずれの項目についても、試験開始時と3カ月後では減少は認められなかった。
Shanthakumari氏は、食後血糖値について、「追跡期間が3カ月と短かったため有意差が認められなかったのではないか」と指摘した。ヨガにより血糖値が低下する機序としては、例えばヨガで用いられる呼吸法に、交感神経緊張を緩和し、副交感神経の活性を促し、コルチゾールを減少させ、ストレスを和らげる効果があることが関連しているのではないか、と推察した。また、血圧減少効果の背景としては、ヨガの瞑想法がストレスを減少させる点を挙げた。
(日経メディカル別冊編集)