中村歯科

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飲酒時にトマトを食べると、血中アルコール濃度が低下 - カゴメなどが確認

2012年05月31日 | Weblog
アサヒグループとカゴメは5月25日、飲酒時にトマトを一緒に食べることで、血中のアルコール濃度が低下することをヒトによる試験での評価により明らかにした。同成果の詳細は、5月18日から20日にかけて行われた「第66 回日本栄養・食糧学会大会」にて発表された。

アサヒグループとカゴメでは、2009年よりアルコールと野菜の関係について共同で研究に取り組んできており、これまでの共同研究によってトマトの投与がアルコール代謝を促進させることを動物実験にて確認していた。

今回の研究では動物実験の成果をもとに、ヒトでの効果の検証と、そのメカニズムの探索を行った。その結果、ヒトにおいてトマトジュースとアルコールを同時摂取すると、トマトジュースを飲んでいない場合と比較して、血中のアルコール濃度や体内に留まる量が平均で約3割減少し、体内からのアルコール消失も50分早まることが確認され、この結果から、トマトとアルコールを一緒に採ると、酔いの回りが緩やかになり、飲酒後の酔い覚め(体内からアルコールが消失された状態)も早まる可能性が示されたという。

また、このメカニズムとしては、動物実験においてトマトの摂取によりアルコールの代謝に関わる酵素が活性化することが確認されたという。

具体的な実験としては、ヒトにおいてトマトジュース缶3本(約160ml×3本)と甲類焼酎(ストレート約100ml)の同時摂取試験を適正飲酒量にて実施した。その結果、トマトジュースを飲んでいない場合(対照として水と甲類焼酎を摂取)と比較して、血液中のアルコール濃度が顕著に(最高血中濃度として約3割)低下することが確認された。また、計算上、体内に留まるアルコール量が約3割減少したほか、体内からのアルコールの消失に、トマトジュースを飲んでいない場合では5.0時間要したのに対し、トマトジュースを飲んだ場合では4.2時間となり、約50分程度早まることが示された。

この結果は、飲酒時にトマトを摂ることで、お酒単独の場合に比べて血中アルコール濃度が低くなることと体内からのアルコール消失時間が早まることが実証されたことを示しており、これにより、飲酒時のトマト摂取は、急激な体内アルコール濃度の上昇を抑えることで酔いの回りを緩やかにし、生理的な影響を緩和できる可能性と酔い覚めを早くする可能性が示唆されたという。

一方、メカニズム解明の具体的手法としては、ラットにトマトの水溶性成分を摂取させ、その後アルコールを投与し、肝臓中のアルコール代謝に関連する酵素の活性を測定した。その結果、アルコールおよびアセトアルデヒドを代謝する酵素の活性を高める傾向が見られ、さらにLDH(Lactate Dehydrogenase:乳酸脱水素酵素)の活性が有意に高まったことが示された。

この結果から、すでに判明していたトマト摂取後のピルビン酸の上昇とともに、肝臓中のLDHの活性が高まることで、アルコールおよびアセトアルデヒドを代謝する酵素(それぞれADH、ALDH)の働きをスムーズにする補酵素NADが供給され、アルコールの代謝がより促進されたと考えられたという。

なお、両社は今後も「食」を通じて消費者の生涯にわたる健康的な生活に貢献することを目指し、野菜とアルコールについての共同研究を継続していく予定だとしている。

[マイナビニュース]
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循環器疾患は肥満が長寿?

2012年05月16日 | Weblog

肥満は循環器疾患の危険因子とされている。だが近年、心不全や動脈硬化症において、肥満患者の予後が良いという報告が欧米を中心に増えており、「肥満パラドックス」として議論を呼んでいる。

東京慈恵医大循環器内科講師の小武海公明氏は今年1月、「肥満パラドックス(obesity paradox)」が日本人の心不全患者でも認められると日本循環器学会誌(Circ J)に発表した。

小武海氏らは、2007年4月~11年3月に心不全で慈恵医大附属病院に入院し、その後外来で経過観察をしている患者219人を対象に検討を実施。対象患者を体格指数(BMI)によって4群に分け、心不全イベント(総死亡+心不全による入院)の発生率を比較した。その結果、BMIが高いグループで心不全イベントが少なく、BMIが低くなるにつれてイベント数が有意に増加していた。

 肥満は交感神経を活性化させ、糖尿病や脂質異常、高血圧、心肥大など数多くの合併症を起こし、血行動態や心機能に悪影響を及ぼす。そのため、以前から循環器疾患の危険因子とされてきた。

 しかし最近、欧米の心不全や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの患者を対象とした研究に、BMIが高い方が予後が良いという報告が増えており、議論が起きている。小武海氏は「心不全の予後に影響を与える年齢や性別といった各種の背景因子で補正しても、BMIが高い群の方が心不全イベントが少なかった」と話す。

 国内では、10年に北大大学院医学研究科循環病態内科学教授の筒井裕之氏のグループが心不全の急性増悪で入院した患者2488人の予後を検討しており、BMIが20.3よりも低い患者は23.5以上の患者よりも死亡率が高いという結果を示している。この研究に携わった北大大学院医学研究科循環病態内科学助教の絹川真太郎氏は「BMIの平均が30以上の欧米だけではなく、BMIの平均が22とされている日本でも肥満パラドックスは存在する」と言う。

ASOでも肥満パラドックス
 閉塞性動脈硬化症(ASO)でも、BMIが高い患者の方が予後が良いという現象が見られる。北関東循環器病院(群馬県渋川市)内科部長の熊倉久夫氏らは、10年に血管造影検査でASOと診断し、治療を行った709人について検討した(図2)。対象患者をBMIによって3群に分け、15年間の経過を観察して生存率を求めた。その結果、BMIが最も高い群の生存率が高く、18.5未満と最も低い群の生存率が低かった。

熊倉氏は、中性脂肪やアルブミン、フィブリノーゲン、COPDの合併などが複合的にBMIの値に影響していると考察。「BMIが低い患者では、栄養障害と炎症、動脈硬化という3つの因子がそれぞれ関連し、心血管イベントの発生を増加させているのではないか」とみる。

 だが、現段階では肥満や脂肪細胞に抗心不全効果や血管保護効果があるかどうかは明らかになっていない。そのため、「適正体重の患者では、太ると予後が良くなると考えるのは早計だ」と熊倉氏は指摘する。

 また、成人90万人のBMIと死亡数を比較した論文を挙げ(図3)、「現在の栄養事情では、BMIは24前後が適切で、それよりも低すぎても高すぎても予後が悪く、U字曲線を描くはずだ」と熊倉氏は言う。そして、国内ではBMIが全体的に低く、35以上となる肥満者は少ないことを指摘し、「日本ではBMIが24前後の患者が肥満の群に分類されてしまう。そのため、BMIが極端に低い患者群と比較され、肥満患者の予後が良いという結果になっているのではないか」と推測する。

標準体重を目指した管理を
 この他にも肥満パラドックスを示すデータについては、様々な解釈がある。例えば(1)BMIが高い群は若年で合併疾患も少なく、逆に低い群は高齢で合併疾患が多い可能性がある、(2)肥満患者の心不全は早期に発見されることが多く、BMIが高い患者は軽症例が多い可能性がある、(3)肥満の心不全患者では高血圧を合併しており、心保護的な作用を持つ薬剤を十分量投与されるため、予後が良い可能性がある─などが挙げられる。

 様々な議論はあるが、現時点でこれらの肥満パラドックスのデータから確実に言えるのは、「BMIは予後予測因子であり、BMIが低い患者には厳重な管理が必要」(小武海氏)ということだ。

 体重管理のためには、栄養管理と運動療法が重要だ。心不全の患者などでは症状の悪化とともに食欲が落ち、消化管がむくんで吸収が悪くなるため、十分な栄養状態を維持しにくくなる。そのため治療では「適切な栄養状態を保つため、悪性疾患と同様の正しい栄養管理が大切だ」と小武海氏。「標準体重を目指した栄養管理と服薬管理を徹底すべき」と絹川氏も話す。

 さらに絹川氏は「運動能を正しく評価して運動療法をする必要がある」と言う。心不全に対する運動療法の効果は一般的に認められているが、実際にはあまり行われていない。「運動が可能な患者では、末梢の筋力・筋肉量を維持するように運動療法を行うべきだ」と小武海氏は話す。


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おなかの脂肪で歯茎再生…阪大グループが臨床へ

2012年05月09日 | Weblog
重い歯周病で失われた歯茎などを、患者自らの皮下脂肪から抽出した幹細胞を移植して再生する世界初の臨床研究を、大阪大歯学部付属病院(大阪府吹田市)の村上伸也教授らのグループが始める。

 動物実験では再生効果が確認されており、先月下旬、厚生労働省のヒト幹細胞に関する審査委員会に研究計画を提出した。認められれば年内にも実施し、安全性や有効性を確かめる。

 歯周病は成人の約8割がかかり、歯を失う最大の原因になっている。感染による炎症で、歯茎と、その下の歯槽骨やセメント質などの歯周組織が破壊され、口臭の原因にもなる。

 臨床研究は、中等症から重症の患者12人が対象。局所麻酔をした患者の腹部から皮下脂肪を30~10cc採り、歯周組織の元になる幹細胞を抽出する。3週間、培養した後、歯槽骨が欠けた部分に移植する。

(2012年5月5日12時35分U+A0 読売新聞)
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骨の減少抑え成長促進、たんぱく質を発見

2012年05月09日 | Weblog
読売新聞 4月23日(月)13時26分配信

 骨の減少を抑えると同時に成長させるたんぱく質を、東京医科歯科大学の高柳広教授らが初めて突き止めた。

 骨粗しょう症の治療や診断につながる成果として注目される。

 健康な骨は、骨を減らす破骨細胞と、骨を増やす骨芽細胞の働きでバランスが取れている。
骨粗しょう症は、何らかの原因で骨の減少量の方が多くなった状態。治療薬は、破骨細胞の働きを抑えるものが中心だが、
骨芽細胞の働きも損なわれる性質があるため、大きな効果は望めなかった。

 高柳教授らは、骨芽細胞が分泌するたんぱく質を分析し、破骨細胞の働きを抑え骨芽細胞の成長も促進する物質として、
セマフォリン3A(セマ3A)を見つけた。

 これを、正常なマウスに、体重1キロ・グラムあたり1ミリ・グラムの割合で週1回4週間にわたり静脈注射したところ、
骨の密度が1・5倍になった。骨芽細胞は3~4割増え、逆に破骨細胞数は約2割減った。
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