恋、ときどき晴れ

主に『吉祥寺恋色デイズ』の茶倉譲二の妄想小説

話数が多くなった小説は順次、インデックスにまとめてます。

一夜だけの恋人

2014-06-02 12:59:59 | 吉祥寺恋色デイズ 種村春樹

時々読みに来てくださる方がいるようなので、アメブロの規制に引っかかって削除した部分もオリジナルに戻しました。


吉祥寺恋色デイズ、種村春樹の妄想小説です。
 ネタバレ少しありです。

☆☆☆☆☆
種村春樹
身長:177cm 体重:60kg
血液型:A型 特技:勉強・空手 
性格:明るいしっかりもの。
優しくて明るい爽やか少年。
小さなころからしっかりもので泣いているとお花をくれた思い出がある。


☆☆☆☆☆
 えー、ハル君ルートの続編のラストでは一泊旅行をしたにもかかわらず、ハル君はヒロインに手を出しませんでした。

 ハル君自身が、どうすればいいかやり方がよくわからなかったというのが理由ですが、こんな時女性も初めてだとどうしようもありません。

 で、ハル君の相手が初めてじゃなかったら、めでたく出来てた?というところから、このお話を考えてみました。

 相手は譲二さんルートのヒロインで大学3年くらいで21歳を想定してます。
 ハル君とヒロインは車で出かけた先で土砂崩れによる道路の寸断にあい、とりあえず近くにあった小さなペンションに泊まります。

 このシチュエーションは『特別捜査密着24時』の京橋さんルート本編で、恋人になる前の京橋さんがヒロインに手を出してしまう話(15話中8話目)
(早!!∑ヾ( ̄0 ̄;ノ)からとってきました。

 これくらい追い込めば、さすがのハル君もヒロインに手を出すだろうと。
☆☆☆☆☆

一夜だけの恋人~その1

 大雨のため土砂崩れで動きが取れなくなって、小さなロッジ風の宿泊施設にハル君と泊まることになってしまった。


 簡素なテーブルと椅子が一つとシングルのベッド。



百花「ティーバッグがあるよ。お茶でも飲む?」


春樹「あ、ありがとう。ポットの水は俺が入れてくるよ。」



 ハル君は私の手からポットを取り上げると水を入れにいった。

 ポットのお湯が沸く間、2人でベッドの上に座っている。


 いつもならハル君とはいろんな話ができるのに、こんな狭い空間で2人きりと思うと緊張して何を話していいのかわからない。


春樹「あのさ、佐々木」


百花「ハル君」



 2人で同時に話し始めて口ごもる。



春樹「佐々木が先に言って」


百花「ううん、たいした事じゃないから、ハル君が先に話して」


春樹「今夜、俺はこっちの椅子に座って眠るから、佐々木がベッドを使ってくれていいよ。」


百花「でもそれだとハル君疲れちゃうよ。泊まるの…今晩だけと限らないし…。」


春樹「その時は昼間の間にベッドで寝かせてもらうから…。それより、その…こんなことになってしまってごめんね。」


 ハル君は少し赤い顔をしている。



百花「ハル君のせいじゃないよ。土砂崩れが起こるなんて誰も思わなかったんだし。あのまま雨の中で、車の中に閉じ込められていたらもっと大変だったし。」

春樹「そうだね。とにかく交代でシャワーを浴びて、交代で眠る事にしよう。道路が復旧したらすぐに動けるように。あ、お湯が沸いたみたいだ。」


 私は湯のみにティーバッグをセットしてお湯を注いだ。


 2人でお茶を飲んでいると、少し緊張がほぐれて来た。

雨で閉じ込められた子供時代の思い出話なども出て来て、話もはずんだ。



 でも、話が途切れるとなんだか気まずくなってしまう。

 ハル君はいつも優しくて色々心配してくれる。

相談も気軽にできるし、幼なじみなだけでなく、本当に大切な友人だと思って来た。

 でも、こんなに近くに2人きりで座っているのは…子供時代をのぞくと初めて?

 もし今ハル君に押し倒されたら、私は抵抗できるかしら…。

 あ、私何バカな事を考えているんだろう。ハル君に限って…、そんなことはしないはず…。

 私たちはしばらく無言で見つめ合っていた。ハル君は軽い咳払いをしていった。



春樹「あの…、その…、ジョージさんとは最近うまく行ってる?」


百花「う、うん。譲二さん、相変わらず忙しいけど、ちゃんと気を遣ってくれているから…。なかなかデートにはいけないけど…。」


春樹「そっかぁ…。デートにはいけなくても、いつも一緒に暮らしているもんな。」


 なんだか、ハル君の顔がまた赤くなった。


 もしかして、へんなこと想像している?


 いや、確かにそういうことはしてるけど…。


 でも、ハル君に想像されてると思うとかなり恥ずかしい。



百花「一緒には…暮らしているけど…。時間的にすれ違いも多いし…。あっ、でも、それなりに相手してもらっているから大丈夫…。」


 って、もう意味不明なことをベラベラしゃべってしまう。

ハル君はその間、じっと押し黙っていた。



春樹「佐々木…。俺…」



 その後、沈黙が続く。

 

ハル君の湯のみはいつのまにか空っぽになっている。



百花「あ、お茶のお代わりを入れるね。」



 湯のみを掴もうとした手をハル君に掴まれた。

大きくて、少しごつごつした手。



春樹「佐々木…。俺は…」

☆☆☆☆☆

一夜だけの恋人~その2

ハル君に抱きしめられた。



百花「!」

 驚いたけど、声は出せない。


 ハル君の胸の鼓動が激しく打っている。

ハル君て温かい。


 そしてハル君の抱きしめる力はますます強くなった。



春樹「今まで、我慢して来たけど…。


 俺、佐々木のことがずっと好きだった…。子供のころから。


 そして高校になってまた佐々木に再会してからもずっと…。


 でも、佐々木はジョージさんばかり見つめていて…。

ジョージさんのことが好きなんだって…、見て分かっていたから…。


 俺の気持ちは出さないようにして…、ずっと見守って来た…。


 見てるのは苦しかったけど…。俺は佐々木を見てるだけでいいと思っていたから…。」



百花「…今まで…気付かなくてごめんね。

ハル君がそんな風に思っていてくれたなんて…。


 それなのに悩み事の相談にいっぱいのってもらってて…。

その度にハル君のこと傷つけてたんだよね…。」



 ハル君は私を抱きしめたまま、激しく首を振った。



春樹「そんなことない…。佐々木に相談されて、うれしかったよ。

それもいつも俺に一番に相談してくれるのがうれしくて。」


 ハル君は私の頭を抱えると上を向かせて、優しくキスをした。


 柔らかなそっとふれるようなキス。

私はかすかにイヤイヤをしたけど、ハル君の腕から逃れる事はできなかった。


 ハル君の気持ちに今までなぜ気付くことができなかったんだろう。


 いや、気付いていたら何か変わったろうか。


 譲二さんを好きな気持ちに迷いはできただろうか?

 一度キスしてしまうと、もう止められなくなったみたいで、ハル君は何度もキスを繰り返した。


 私に刻印を押すかのように、唇に…頬に…首筋に…。

おびただしいキスを受けて、私の体からは力が抜けていった。



春樹「佐々木、ごめん。こんなことをしてしまって…。」



 それでも、ハル君は私を抱きしめることをやめなかった。

私もハル君の背中に手を回してそっと抱きしめる。



百花「ううん。いいの…。今はなんだかこうしていたい。」



 もちろん、他に恋人がいる身でこんなことをしているのは、とても罪悪感がある。


 でも、この薄暗い部屋の中ではハル君とこうしているのが、とても自然なことに思えた。

 ハル君は私の顔をもう一度、上向かせると私の瞳を覗き込んだ。


 私もハル君をじっと見つめる。

見つめ合う視線が絡まり合って、どうしても外す事ができない。


 こんな真剣で思い詰めたハル君の目を見たのは初めて…。



 ハル君は何も言わずにもう一度キスをした。

今度は舌を入れてくる。


 私がそれに答え返すと、ハル君はちょっと驚いたように舌の動きをとめたけど、その後は積極的に舌を絡まして来た。


 息も付けないような激しいキス。

ハル君の背中にかけた指には力が入る。


 ハル君の情熱的なキスを受けて、こんなにも私のことを好きでいてくれたのだということがよくわかった。


 ハル君の思い詰めた気持ちが感じられて、私はそのキスに応えるしかできなかった。

 ハル君はそのままベッドに私を押し倒すとさらにキスを繰り返した。



春樹「…佐々木。俺もうがまんできそうにない。」


百花「…いいよ…。ハル君なら…」

☆☆☆☆☆

一夜だけの恋人~その3

 私の言葉に、ハル君は驚いたように動きを止めて、私を見つめた。

私もそっと見つめ返す。


春樹「佐々木。ごめん。」


 ハル君は私のブラウスに手をかけた。

ハル君の手で私の姿が次々とあらわにされていく。


 ハル君は下着姿の私を押し頂くように優しく愛撫した。


 私もハル君のシャツのボタンを外す。


 ハル君の肌と私の肌が触れ合って気持ちがいい。

ハル君は私のブラを外すと私の乳房に優しく頬ずりをした。



春樹「佐々木…。寒くない?」


百花「ううん。大丈夫。ハル君が温かいから…」


春樹「佐々木も温かい。」



 肌と肌が絡み合い、足と足が絡み合う。

ハル君の愛撫は優しくて、体がとろけそう。


と、ハル君は動きをとめて、ため息をついた。


春樹「…佐々木、ごめん…。俺、この後どうすればいいかよくわからないんだ…。」


百花「!」


 私を見つめるハル君の瞳は少し揺れている。

私はそんなハル君がとても愛しくなって、ハル君の頭を両手で持つと唇にそっとキスをした。


 そして、ハル君のものをそっと片手で触ってみる。

今まで譲二さんのも手で触ったことはないので、少しドキドキした。


 ハル君のはもう固く熱を持っている。

私が触るとハル君は「うっ」と声にならない声をあげた。


 私はハル君のものをそっと自分の中に導いた。

ハル君が腰を浮かして私の中に挿入する。



春樹「…このまま、動かせばいい?」



 私はそっと囁く。



百花「そうだよ。」



 ハル君はおずおずと動かし始めたが、それは徐々に激しくなっていった。



春樹「…百花、好きだ…百花」



 うわ言のように言うハル君に合わせて、私も声をあげた。


激しく愛し合って、果てた後は2人とも荒い息を吐いていた。

 そして、重なり合ったまま、しばらくそのままでいた。


(ハル君とこんなことになってしまった…。)



 ハル君は私にまたそっとキスをした。



春樹「佐々木…。子供の頃の話だけど…。俺が引越していく佐々木と最後に会った時、佐々木がなんていったか覚えてる?」

百花「あの時ハル君はシロツメクサで冠を作ってくれたよね。お姫さまみたいでとてもうれしかった。」

春樹「…。やっぱり忘れていたんだ…。」


百花「えっ、何を?」

春樹「…いや。もういいよ。」


百花「気になるから教えて。」

春樹「…。俺が『花嫁さんみたいだ』って言ったら、佐々木は『今度会えたら、ハル君のお嫁さんになる』って…。」


 ハル君の頬と耳は真っ赤になっていた。



百花「言われてみたら、そんなことを言ったような気もする…。ハル君はそれをずっと覚えていてくれたんだ…。」

春樹「うん。だから佐々木が戻ってきた時、『覚えてる?』って時々聞こうかとも思ったけど…。佐々木はジョージさん一筋だったし。」

百花「ごめんなさい。」

春樹「あやまることはないよ…。佐々木が俺のお嫁さんになるというのがどういうことなのか、
俺たちは理解していたわけじゃないし。」



 私は黙ってハル君にしがみついた。



 ハル君と恋人になる道もあったのだろうか?


 そうしたら、ハル君といつもこんな風に抱き合ったりして。

今のように罪悪感で胸が痛むこともなかったろうか? 



(でも…。私はやっぱり譲二さんのことが好き。身勝手だけど…。今だって譲二さんに会いたい)



春樹「佐々木、こんなことになってごめん…。でも、ありがとう。佐々木のことを抱けて、俺はうれしかった。」



 私はハル君の胸に顔を埋めた。



百花「私こそ、ごめんなさい…。こんなことしても、ハル君の気持ちには答えられないのに。」

春樹「…それは、ジョージさんとは別れられないってこと?」


百花「…うん。ごめんなさい。」



 ハル君は大きくため息をついた。



春樹「でも、俺。佐々木のこと、忘れられそうにない。佐々木は俺の初めての女(ひと)だから…。」

百花「忘れなくても…いいよ。でも、2人だけの秘密にして…。」

春樹「じゃあ…。…ここにいる間だけ恋人でいてくれる?」


百花「…うん。いいよ。」



 ハル君は惜しむかのように激しくキスを求めて来た。

 

私もそれに答える。


 今度はハル君はさっきのおずおずとした愛撫ではなく、ちょっと強引に私の体を触る。


 乳房を触る手にも力が入って少し痛い。

 


 でもいい、譲二さんを裏切った罪悪感とハル君に応えられられないことへの罪悪感。

それが少しでも薄れるから…。


 ハル君がまた私の中に入って来た。

 私たちは時を惜しむかのように、朝まで何度も交わった。



 一夜だけの恋人。



 ハル君、愛しているとは言わないよ。

私が愛しているのは譲二さんだけだから。


 でも、今だけはハル君の気持ちに応えていたい。


 私って悪い女だよね…。

『一夜だけの恋人』おわり

☆☆☆☆☆



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