お待たせしました。
ほぼ二ヶ月ぶりです。
『譲二の勝手に3年後編』の続きをupします。
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前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
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シェアカフェ~その11
〈譲二〉
シェアカフェを始めて、何かと気苦労が多いことに気づいた。
夕方の店の引き継ぎの時に申し送りはするし、夜の店が終わった後にも俺が居る時は玲さんもひと声かけてくれて、お互い譲りながら経営をしている。
それでもちょっとした不都合はある。
厨房の物の置き場所が変わっていたり、共用の調味料なんかが切れていて、買いに走るハメになることや、玲さんの店の予約の電話をとったり、昼間にアルコールを求める客が来ることもある。
どれも些細なことばかりだ。
だけどその些細なことがこんなにも精神を消耗させるとは思わなかった。
そんなとめどのないことを考えながら、実家から帰ってきた。
通りに立ってクロフネを眺める。
ドアの前には玲さんの店の看板がスポットライトに照らされていた。
(これだけ暗くなると綺麗なもんだな…)
窓から漏れる灯りはクロフネの時よりも薄暗く、馴染んだクロフネとは違って夜の店らしい感じがする。
(ハァ…。外から見ると全く別の店だな…)
(俺の店ではなく…確かに玲さんの店だ)
いつものように勝手口から入ろうかとも思ったが、玲さんの店に来るお客さん目線でクロフネを見てみたくなって、正面のドアを開けた。
カラカラーン~♪
百花「いらっしゃいませ」
玲さんの店の雰囲気とは全く似合わない明るい声が聞こえて、俺は呆然と佇んだ。
その12へつづく