前にも書いたけど、吉恋本家の譲二ルートの3年後編には色々と不満がある。
久しぶりに吉祥寺に帰ってきた譲二さんとのラブラブな話のはずなのに、新キャラの紹介に使われてたり、色々とモヤモヤするものがあって、私の思う『勝手に3年後編』を書いちゃいました。
『譲二の勝手に3年後編』の始めの部分は本家の『譲二3年後編』とほぼ同じです。
そして、時々本家のエピソードに重なるものも入れながら、少しずつ離れていき、玉の緒ワールドの譲二さんの話になってます。
航くんは出てきませんが、本家の『譲二3年後編』では出てこなかった、懐かしいあの人とかあの人とか出てきます。
だから、ネタバレも少々あるものの、譲二ルートの3年後編とはまた別のお話と思って下さい。
☆☆☆☆☆
揺れる心~その1
〈百花〉
桃護さんがお店に来てくれるようになって、譲二さんにも余裕が出てきたみたいだ。
桃護さんは2日ほど、譲二さんに説明を受けながらクロフネの手伝いをしたが、その間に大体のことは覚えてしまった。
それからは、午前中は桃護さんにクロフネを任せ、昼から夕方にかけて譲二さんがお店に入る。
譲二さんが実家に帰らないといけない時は1日桃護さんがクロフネを切り盛りした。
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その日も私が大学から帰ると桃護さんが店番をしていた。
百花「ただいま」
桃護「おかえり、百花ちゃん」
百花「今日もマスターは実家に行ってるんですか?」
桃護「うん。このところ実家の方が忙しいみたいだね」
百花「そうですか…」
桃護「だけど、今日は少し早めに帰れるみたいだよ」
百花「本当に?!」
桃護「アハ、百花ちゃんはマスターのことが本当に好きなんだね。すぐ顔に出ちゃう」
桃護さんはからかうように覗き込んだ。
そして、私が顔を赤くして、返答に困っているとニコニコ笑って言った。
桃護「これ以上からかうとマスターに恨まれそうだから止めとく」
百花「恨まれるんですか?」
桃護「そう、こんな可愛い百花ちゃんはマスターも独り占めしたいだろうからね」
桃護さんは茶目っ気たっぷりにウインクした。
その2へつづく