吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。
なので、思い出話+彼目線も書いてみました。
恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。
子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。
ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。
微妙にずれてしまうんだよね。
だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。
だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?
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雪遊び~譲二の場合~その4〈子供時代〉
いつもの公園から子供の声が聞こえる。
近づいてみたが、ちびの姿は見えなかった。
ちびとよく一緒に遊んでいる男の子に聞いてみる。
譲二「今日はちびはいないのか?」
???「ちび? ああ、百花のことか。さっきまでそこにいたと思うけど…痛て! 一護! 何ぶつけてるんだよ!」
一護と呼ばれた男の子が叫ぶ。
一護「剛史! 悔しかったら投げ返してみろ! さっきのお返しだからな!」
剛史「今、人と話してるんだろ! やめろって!」
違う方向からも雪玉が飛んできて、剛史と呼ばれた子と一緒に俺も身を伏せる。
譲二「雪玉がたくさん要りそうだな」
雪をかき集めながら言うと剛史は期待を込めて聞いてきた。
剛史「加勢してくれるのか?」
譲二「俺が投げるとズルになりそうだから、雪玉の作成だけ手伝ってやるよ」
剛史「恩に着るぜ、兄貴」
小さな体に似合わない大げさな言い方に吹き出しそうになりながら、雪玉を出来るだけたくさん作ってやった。
(これくらいあればしばらくは十分かな?)
譲二「俺はそろそろ抜けるぜ」
そう声をかけたが、剛史は三方向から飛んでくる雪玉を避けながら投げ返すのに必死で、返事は無かった。
身を屈めた状態でソロリソロリと後退していく。
公園の生け垣辺りまで後ずさって息をつくと、後ろから声をかけられた。
???「じーじ? 何してるの?」
その可愛い声を聞けば、顔を見なくても誰だかすぐ分る。
ちび…百花ちゃんだ。
その5へつづく
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自分で書いておきながら…なんだけど、この回の話は好きなんだよね。
子供時代のヒロイン以外の幼なじみと譲二さんの絡み。
プロポーズ編だったかで、いっちゃんにいつも睨み付けられる、というじーじのセリフがあったと思う。
お互いに気づかずこんな交流があったらいいなと書いてみました。