吉恋番外編の雪遊びを読み返して、譲二さんだけに子供の頃の思い出話が無いのが寂しかった。
なので、思い出話+彼目線も書いてみました。
恋カフェにショートの彼目線はあるけどね、もう少し長くってことで。
子供時代、他のみんなのは10年前で小学生時代なんだけど、譲二ルートでは譲二さんが中学生ってことで13~15歳くらいの話になる。
ということはヒロインは幼稚園児で12~14年前のことと思われる。
微妙にずれてしまうんだよね。
だから「雪遊び」は10年前の大雪の日ってことで、この思い出では高校生の譲二さんに活躍してもらいます。
だから失恋からも少し立ち直ってるのかな?
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雪遊び~譲二の場合~その3
カウンター越しに百花ちゃんとお喋りをしてる。
いつものことだけど彼女との会話は楽しい。
時々自分が年上で、彼女から見たらオジサンにしか思えないだろうことが気になるけど…。
さり気なく百花ちゃんに「年上の男はどう思う?」と聞いてみた。
百花ちゃんはちょっと考えこむ。
百花「そうですね…私も、年上の男の人って憧れちゃいます」
これは俺に気を使ってくれたのかな?
譲二「そっか。じゃあ俺が口説いても大丈夫だね」
ちょっとおどけて言うと、百花ちゃんは慌て出す。
百花「えっ!? い、いえ、あの…その」
ハハハ、反応が可愛いから、ついからかいたくなっちゃうんだよね。
百花ちゃんは少し膨れて「マスター、からかわないでください」という。
そんな顔も可愛いなぁ。
実のところ、今の言葉には本音も何割かは混じっているわけだけどね。
譲二「変なことを聞いてごめんね。淹れたてのコーヒーでも飲んで機嫌を直して?」
そっと彼女の頭を撫でる。
(おや?)
覗き込んだ彼女の顔が少し赤いような…。
心配して大丈夫か聞いてみたが、百花ちゃんは明るく「大丈夫です」と答えた。
譲二「ならいいけど…あんまり無理しないでね?」
その後も気にかけて見ているといつもと様子が違う。
やっぱり風邪でも引きかけてるんじゃないだろうか?
その時、チャイムが鳴ってみんなが帰ってきた。
ドヤドヤと店内は急に賑やかになる。
口々に「コーヒー!」だの「カフェオレ」だのを「淹れてくれ」と言っている。
それに追われて百花ちゃんの体調のことはウヤムヤになってしまった。
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遊び足りないみんなは、また出かけていく。
続いて出かけようとした百花ちゃんを引き止めたが、みんなから「早く来いよ」と言われたのが気になるようで百花ちゃんは気もそぞろだ。
そして、また、マフラーを忘れそうになっていたから、巻いてあげる。
首周りが冷えないようにしっかりと。
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百花ちゃんを送り出したものの、やっぱり気になる。
いても立ってもいられず、コートを来て、店のドアにcloseの札を掛けるとみんなを探しに出かけた。
その4へつづく