吉祥寺恋色デイズ 茶倉譲二の妄想小説。譲二ルート続編のお話を彼氏目線で眺めてみました。
ネタバレありです。
☆☆☆☆☆
茶倉譲二 続編第四話~その3
〈譲二〉
スワンボートから降りた。
百花「楽しかったですね!」
百花ちゃんは輝くような笑顔で言った。
ちょっと恥ずかしい所をみせてしまったけど、百花ちゃんに喜んでもらえたなら、本当によかった。
百花「でも、もうこんな時間なんですね…気づかなかった」
譲二「お腹空いたでしょ。向こうに座ってお弁当食べようか」
☆☆☆☆☆
ベンチに座って、弁当を広げた。
俺の手作りの弁当をみて、百花ちゃんは顔を輝かせた。
百花「わあ、おいしそう!」
譲二「いっぱい食べて」
百花「いただきます」
譲二「百花ちゃん」
俺は茶目っ気で、フォークに刺した唐揚げを百花ちゃんに差し出した。
戸惑って頬を染めた顔がまた可愛い。
譲二「あーん」
百花「えっ!」
譲二「こういうのも恋人らしいでしょ?」
微笑んでみせると、百花ちゃんは恐る恐る唐揚げを囓る。
譲二「どう? おいしい?」
百花「はい…」
ああ、耳まで赤くなってる。
そのうなじに見とれていると、百花ちゃんもフォークで刺したミートボールを俺の目の前に持ってきた。
百花「はい譲二さん、どうぞ」
譲二「え?」
百花「あーん」
ハハ、やられたな~。
「ありがとう」と言ってさり気なく口にしたけど……。
うわぁ~。全然味が分からない……。
好きな子に食べさせてもらうのなんて、生まれて初めてかも……。
しかも……。
百花「…譲二さん……。もしかして…照れてます?」
図星だ……。
譲二「…そういうことは言わないの」
百花「だって、耳が真っ赤ですよ」
譲二「せっかく平気なフリして余裕ぶったのに…」
好きな子と他愛無い会話を重ねることに幸せを感じる。
空は青くてどこまでも広がっているし、緑の芝生はみずみずしい。
遊ぶ人たちの笑い声に混じって、鳥の声が聞こえている。
俺は思い切り伸びをした。
のどかだ……。
そうだ……ずっと昔にもこんなことがあったなぁ。
その4へつづく