“真”のプロが実践している発想法と行動術
「あたりまえ経営のきょうか書」
■ 1 経営トップは、このようにして変身せよ ■
■1-4 経営者は自分自身を謙虚に見つめて熟知せよ
謙虚に自分自身を見つめてみませんか。
■1-44 【経営者分析】 経営者自身が「自分とは」という人物像を描く
経営者自身の自己分析にSWOT分析表を利用する方法を別項でご紹介しています。
SWOT分析表は、処々で使われていますが、分析した後、それをいかに活用するのかが問題で、SWOT分析表を活用し切れていない人も多いようです。
活用法が中途半端な分析で終わりにしないためには、「9セルSWOT分析表」として利用することをおすすめします。
図のように、内部環境分析の下に「C:character 特質」、外部環境分析の下に「A:action 対処」というセルを付加します。また、プラス面でありますSセルおよびOセルの右に、「E:expansion 伸張」をマイナス面のWとTの右に、「I:incubation 克服」というセルを追加します。
右下の空欄に「M:myself 集約・戦略」というセルを追加し、ここにSWOT分析の結果を集約します。
C:character 特質
ここでの「特質」とは、分析者自身の①「強味(S)」と②「弱味(W)」から浮かび上がってきます、分析者の特徴を文章、または箇条書きで記述します。
この分析の目的が「経営者の自己分析」ですので、後ほど行う作業がスムーズに進むような記述がよろしいでしょう。
A:action 対処
外部環境とは、個人としては動かしようのない、外的要因です、③「機会(O)」と④「脅威(T)」の集約となります。
時代背景、経営環境という観点での捉え方をします。
E:expansion 伸張
経営者が、経営を行う上で、追い風となる③「機会(O)」を、自分の長所であります①「強味(S)」をいかに活かすかという観点で、「伸張(E)」を記述します。
これからの飛躍の原動力になる力の源泉となるとよいですね。
I:incubation 克服
「克服(I)」欄は、経営者が抱える②「弱味(W)」や④「脅威(T)」にたいして、いかにして対峙し、克服していくかを記述します。
incubationには、克服という意味はありません。「育てる」とか「産み出す」というような意味合いですので、それを勘案して検討して下さい。
M:myself 集約・戦略
Mは、自分自身の人物像という意味として、myselfの頭文字から命名されています。また、「対処」という意味であります「counter measures」のMでもあります。それを「戦略」という意味の「strategy」という言葉の代わりに用いています。
自分自身の人物像という観点で集約したり、今後、どの様に生きていくべきかという観点で自分の考えを整理したりします。
たかが自己分析のために、この様に時間をかけるのは、時間の浪費でしかない、というご意見を良く聞きます。確かに時間はかかりますが、その過程で、いろいろなことを考えたり、自分の中に潜むものを引き出したりすることができて、新しい発見があります。
私達は、日常業務の忙しさにかまけて、自分の考えを整理する時間を持たなくなってしまっているような気がします。
私事で恐縮ですが、毎年正月に、自分自身を見直し、その年をいかに生きるかを考えるようにしています。
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