洞窟ラブラオでフラメンコを見たので、サクロモンテにあるという洞窟博物館に行ってみたくなった。地図を広げると、ホステルの丘を登り辿っていくとサクロモンテの丘に行けるように見える。
地図を片手に、ホステルの坂をさらに上っていくことにした。
ホステルのテラスからも市内は一望できたが、丘を登るに従って展望はさらに開けていく。と同時に、白壁の家と細い路地の坂道が複雑に交差するアルバイシン地区に迷い込んでしまい方向がわからなくなってしまった。
狭い坂道が縦横に入組み、地図でも道が見つからない。とにかく上へ上へと向かっているうちに、突然家並みが切れて、サボテン畑に出た。
上部に、一昨日アルハンブラ宮殿から対面に見えたサクロモンテの丘を横切る城壁が立っている。
洞窟博物館を探しているうちに、別の場所に辿りついてしまったようだった。
城壁の前の丘の斜面には、不思議な風景が広がっていた。
斜面の処々に、穴を掘ってドアや柵を施した住居らしい入り口が点在しているのだ。
丘の頂上に見える教会に向かってさらに砂地の斜面を登っていくと、穴を掘って住居を敷設している家族に出会った。カメラを向け、撮ってもいいかとジェスチャーで訊ねると、「シィ、シィ(いいよいいよ)」と笑顔が返ってきた。スペイン語なので意味はわからないが「家の中を見てもいいよ」と言うように手招きをしてくれる。洞窟の住いは1DK。洞内の壁は白いペンキで厚く塗られ、電灯の光を反射して思ったより明るい。ソファやベッドが置かれ、テレビもはっきりとした映像を映し出していた。スペインの暑い夏にはとても涼しい住居かもしれない。
彼ら家族は、今の住居の隣りに穴を掘り、ベッドルームや保存庫を増やそうとしているようだった。水は?わずかに知っている単語を投げかけてみた「Agua?」彼は、首を振って入り口においてある大きな水のボトルを指さした。水道は引けない場所なのだ。
アルハンブラ宮殿やグラナダ市内を朝に夕に眼下に眺める立地は最高だろう。が、水の便のない洞窟の生活は快適だろうか。
図らずも、洞窟群から下っていく途中に出会った女性が、それについて語ってくれた。フィンランド人の彼女は、母国を離れて20年、ここ10年はフィンランドに帰っていないと言った。
「洞窟?ああ、私も買って一時住んだことがあるけど、快適だったわ」と彼女。
「そう、法律のできる前から住んでいる人もいるし、違法に住みついている人もいる。グラナダ市役所が時々一掃しようとするけれど、懲りずに戻ってくる人たちもいる。でも、あそこの問題はトイレよ。水の便がないでしょ。不衛生極まりないの」自身も住んだという割には批判的な言い方をする。
スペインに住んでどうですかと訊くと「自由でいい。様々に縛られないから人々も和やかで。フィンランドは窮屈だったわ、何もかも整えられて過ぎて、きちんとしていて」と言ってから「あなたの国もそうじゃない?」と言い足して微笑んだ。
↑中には、玄関口を建造した洞窟住居も。
↑古びた洞窟が点在する西斜面とは対照的に、東斜面には計画的に洞窟を利用し建造した住居やホステル、タブラオが並ぶ。
地図を片手に、ホステルの坂をさらに上っていくことにした。
ホステルのテラスからも市内は一望できたが、丘を登るに従って展望はさらに開けていく。と同時に、白壁の家と細い路地の坂道が複雑に交差するアルバイシン地区に迷い込んでしまい方向がわからなくなってしまった。
狭い坂道が縦横に入組み、地図でも道が見つからない。とにかく上へ上へと向かっているうちに、突然家並みが切れて、サボテン畑に出た。
上部に、一昨日アルハンブラ宮殿から対面に見えたサクロモンテの丘を横切る城壁が立っている。
洞窟博物館を探しているうちに、別の場所に辿りついてしまったようだった。
城壁の前の丘の斜面には、不思議な風景が広がっていた。
斜面の処々に、穴を掘ってドアや柵を施した住居らしい入り口が点在しているのだ。
丘の頂上に見える教会に向かってさらに砂地の斜面を登っていくと、穴を掘って住居を敷設している家族に出会った。カメラを向け、撮ってもいいかとジェスチャーで訊ねると、「シィ、シィ(いいよいいよ)」と笑顔が返ってきた。スペイン語なので意味はわからないが「家の中を見てもいいよ」と言うように手招きをしてくれる。洞窟の住いは1DK。洞内の壁は白いペンキで厚く塗られ、電灯の光を反射して思ったより明るい。ソファやベッドが置かれ、テレビもはっきりとした映像を映し出していた。スペインの暑い夏にはとても涼しい住居かもしれない。
彼ら家族は、今の住居の隣りに穴を掘り、ベッドルームや保存庫を増やそうとしているようだった。水は?わずかに知っている単語を投げかけてみた「Agua?」彼は、首を振って入り口においてある大きな水のボトルを指さした。水道は引けない場所なのだ。
アルハンブラ宮殿やグラナダ市内を朝に夕に眼下に眺める立地は最高だろう。が、水の便のない洞窟の生活は快適だろうか。
図らずも、洞窟群から下っていく途中に出会った女性が、それについて語ってくれた。フィンランド人の彼女は、母国を離れて20年、ここ10年はフィンランドに帰っていないと言った。
「洞窟?ああ、私も買って一時住んだことがあるけど、快適だったわ」と彼女。
「そう、法律のできる前から住んでいる人もいるし、違法に住みついている人もいる。グラナダ市役所が時々一掃しようとするけれど、懲りずに戻ってくる人たちもいる。でも、あそこの問題はトイレよ。水の便がないでしょ。不衛生極まりないの」自身も住んだという割には批判的な言い方をする。
スペインに住んでどうですかと訊くと「自由でいい。様々に縛られないから人々も和やかで。フィンランドは窮屈だったわ、何もかも整えられて過ぎて、きちんとしていて」と言ってから「あなたの国もそうじゃない?」と言い足して微笑んだ。
↑中には、玄関口を建造した洞窟住居も。
↑古びた洞窟が点在する西斜面とは対照的に、東斜面には計画的に洞窟を利用し建造した住居やホステル、タブラオが並ぶ。