見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

市内を横断する川を完全に埋め立てた公園

2007-10-18 00:27:21 | スペイン
バレンシア市の旧市街中心部から、遠方に見える大きな川の欄干に向かって歩いてみて驚いた。
欄干も橋もそのまま存在しているのに、覗き込んだ河床すべてが、木々の茂る緑豊かな公園だった。処々、夜間照明付きの立派な芝生のサッカー競技場、スポーツ広場が配置されている。子どもたちが喜んで駆け回る大規模な砂場や遊技場、スケートボード場なども点在している。ジョギングをする人、犬と散歩をする人、大道芸の練習をする人、愛を語るカップル、スピーツに汗を流す青年たち・・・巨大な都市公園である。
河川の欄干や橋や堤防はそのままなので、欄干から見下ろした風景は、まるで川の水が突然消え去って一瞬の間に公園に変化したような不思議な光景を見せている。


           

どれだけのコストをかけたのだろう、川を埋めてしまうことに反対はなかったのだろうか。バレンシア市民に訊ねてみたが、30年も昔のことだからわからないと言われた。
バレンシア市の地図を広げると、中世の街並みを残す旧市街を囲むように流れるトゥーリア川(The Turia river)の形そのまま公園である。人口70万のバレンシアがスペイン最大の都市公園として誇る、全長9キロの「自然とレジャーと文化の川(バレンシア市長弁)」である。
海岸につながる河口一帯は、著名な建築家による大規模なCiutat de les Arts i les Ciencies (芸術と科学の都市)の建設中で、旧市街に残る中世の街並から一変、近代的な建造物が出現した開発地域。


           

エミスフェリック(半球形の巨大スクリーンを備える映画館)、科学博物館、オセアノグラフィック(ヨーロッパ最大の海洋パーク)などの白亜の建造物群が、テーマパークのようにバレンシアの青空の下に腰を下ろしている姿は壮観ですらある。
バレンシア市の資金力と、民主化後のスペイン有数の観光地を目指す意気込みがイヤでも伝わってくる。
コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« トラブルからの脱出 | トップ | 「日本人同士は、助け合わな... »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
公園 (①&①)
2007-10-26 23:51:12
ワインさん元気で安心してます。
すごい公園ですね!

私は150haの公園を維持管理している・・・自然に手を加えることにいろんな意見はあるでしょうが、造り上げた後の心のかけ方だと思う。心をかける維持管理があればそれは生き続ける・・・そう信じて今日も仲間と空の下にいる。
公園内のひまわりが終わり、コスモスが終わり、蕎麦も作りました!ボランティアの皆さんとこれから蕎麦打ちです。
返信する
川はどこへ?? (ホウネンエビ)
2007-10-27 00:29:13
毎回楽しく読ませていただいております。
30年前までトゥーリア川を流れていた水は今どうなっているのでしょうか。
日本でも都市河川では、河川の下に河川を造るなんてことをやっていますが、二重構造の河川なのでしょうか。それとも、河道を変えてしまったとか。とても興味があります。
お気をつけて旅を続けてください。

返信する
同じ疑問 (ワイン)
2007-10-29 15:22:34
①&①さん、日本は秋のスポーツシーズン。益々、公園が利用され活気付いていることと想像しています。蕎麦・・・うーん、こしのある蕎麦が恋しい。
ホウネンエビさん、私も同じ疑問をもっていました。詳しく知っている人と会えなかったのですが、もう少し調べてみます。
コメントありがとうございます。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

スペイン」カテゴリの最新記事