次の世代のために 今できることを

定住対策について考える

今日は浜田市で行われた『ふるさとしまね定住推進大会』に参加。

島根県教育委員会藤原教育長による講演と、吉賀町の定住対策についての実践発表、産業体験者の受け入れに取り組んでいる(有)やさか共同農場による発表、実際に邑南町にIターンをした方による発表が行われました。

「教育と地域振興は根っこでつながっている」


教育長となる以前は地域振興に力を注いできた藤原教育長だけに、学校の教員を相手にお話しをする時にも、あえて地域振興の話ばかりをされているそうです。

島根県ではふるさと教育を推し進めてきましたが、そこに関わる教員が地域とつながっていないことが一番の問題と言われています。

ほぼ3年程度で転勤することを考えてみると、その地域で生まれ育ってきた子ども達に対して、その地域について何も知らない学校の先生方が、「はい地域のことを教えなさい」と言われても、できるわけもなく・・・

やはりそれぞれの学校のビジョンや計画の中に、地域を知らない先生方が来られても、継続的に子ども達がその地域を学べる仕組みとして引き継がれていかなければなりません。

質疑の時間に参加者の中から学校統廃合についての質問が出ました。

さすがに学校統廃合が良いとも悪いともおっしゃられませんでした(言いたいことはありそうでしたが...)

吉賀町は定住対策に成果!

続いて吉賀町の定住対策についての実践発表。

吉賀町ではこれまで、定住のためには住宅・働く場・地域の方との交流についての支援体制が必要と考えて取り組んできています。

住宅については、空き家バンクを整備し、利用者登録67世帯に対して、空き家の登録が32件。成約済みがなんと27件。空きは残り5件しか無いそうです。
地元の方4名が定住アドバイザーとして空き家情報の斡旋や、移住支援員として移住者への支援を行っているそうです。

働く場については、無料の職業紹介所を設置して移住者の就業支援の体制を構築しています。

昨年2月から今年1月までの人口動態を見てみると、転入と転出を比較して、転入が上回ったそうです。

この増加は、国の離職者支援制度を活用して、六日市学園で介護福祉士になろうという都会地からの学生を呼び込んだことが理由で、六日市学園の入学者は一昨年が、定員40名に対して5名の入学者であったにもかかわらず、昨年は43名の入学があったそうです。

今後はこの卒業生を定住に結び付けていくための事業も考えておられます。

きめ細かい定住の支援体制をつくっていることが、成果につながっているようです。

近くに支援する人が必要
UIターンの希望者を対象にした産業体験を行っているやさか共同農場はこれまでに49名の産業体験者を受け入れてきました。

何よりもこの「やさか共同農場」の成り立ちから凄いです。
もちろん今やっておられることも凄いです。
詳しくはホームページをご覧下さい。

(有)やさか共同農場
http://fish.miracle.ne.jp/sennin-g/yasaka/yasaka_backup/nojo_home.html

発表の中でおっしゃっておられたのは、島根県が定住対策を始めた頃はどの自治体もまだほとんど定住対策など行っていなかったが、今はどこの自治体も定住対策を始めている。
そんな中で、他県と比べて「島根」という選択肢を選び、島根で暮らし続けるということについて、同じことをやっていてもダメなのではないかと言われていました。

地域に生きていくということ

最後は実際に島根にIターンでやってきた方のお話。

地域にどっぷり入り込んで、地域のつながりの温かさを感じる一方で、疲弊していく中山間地域の現実に直面しているというお話は、中山間地域に住む若い方の誰もが感じていることだろうと思いました。

故郷を出て都会で暮らす若者がいる一方で、何の縁も無くIターンで来られた方がこの現実と向き合っている。

この疲弊していく地域で生きていくことがどういうことなのか、何となく覚悟のようなものを感じました。


益田でも故郷に帰りたくても仕事が無く帰ることができないという若者も多くいます。

定住対策については、以前から定住窓口の設置を求めていますが、一向に前に進んでいません。

派手さは必要ありませんから、きめ細かい支援体制の構築を求めていきたいと改めて感じました。
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