こいちゃんといっくんは、二人とも子供特有の適当な性格のため、ときおり不思議な物の覚え方やとらえかたをしており、それがまた笑えたりする。
夕食時、いっくんがご飯を箸で口に運びながら、目をちょっと半開きにし顎を上げて実に得意げに切り出した。
「『おやぶん』て、知ってるか?」
普段家で話をするときに語尾に「か」などつけないいっくんがそれを使っているのが自信の表れである。
聞かれた私は箸を下ろし「知ってるよ」と答えた。
組を取り仕切る代表のことであろうが、判りやすい単語が見つからない。
しばらく考えながら黙っていると、いっくんがたたみかけるように自慢気に切り出した。
「あのな、『かなぶん』のお友達やで」
と…。
そして今朝も、また得意げにいっくんが切り出す。
「『みみながぞく』って知ってるか?」
幼稚園の紙芝居ででも出てきたのだろうか。
不思議に思いながら「知ってるよ、耳を長くさせる民族で…」と答え終わらないうちに、またもやいっくんが自慢気にいう。
「あんな、『みみのながーい、うさぎのかぞく』やねん」
と…。
それって普通のウサギの家族のことだよね…
話したがり、面白かったので否定はしないで最後までいっくんのお話を聞いて、幼稚園に送り出してやった。
幼稚園や友達同士の話で混乱していくのだろうが、何だか否定してしまうのが勿体無くなるくらい面白い解釈をしていたりするのだ。
一体いくつまでこんな風に信じているのだろう。
もしかしたら翌日には忘れている程度のことかもしれないが、出来ればちょっと大きくなるまで勘違いしていてもらいたい。
そして本当のことを判るたびに「えぇ!?」と大げさに驚いてもらいたいのだ。
子供らしい勘違いや思い込みに自分で気づき本当の事を知る瞬間をちょっと眺めて見たい気がしてしまうのは、親としてちょっとヒドい?
と思いつつ、子供の勘違い話についつい笑顔で聞き入ってしまうのであった。
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